6 サンタクロースの居場所
三太はモカといっしょに、セナのベッドですやすやねむっている。
せまいそのとなりにもぐりこんで、セナは(さて、どうしよう)とかんがえた。
そもそも、サンタクロースはいったいどこにいるのだろう。
それがわからないと三太をどこへつれていけばいいのかもわからない。
三太はながれぼしのいきさきをしらないようだった。ほしにのっていればつれていってくれたのだという。
よくじつ、学校がおわったあと早川先生にきいてみることにした。
おわりの会がおわったあと、みんなが帰りじたくをするなか、セナは職員室へもどる早川先生をつかまえて、たずねてみた。
「サンタクロースの居場所?」
「はい。サンタさんはふだんはどこにすんでいるんですか?」
早川先生はほほえんだ。
「サンタクロースの居場所ですか。先生はよくしらないので、すこし、しらべてみましょうか」
早川先生もしらないことがあるんだ、とセナはすこしおどろいて、でもわかるなら、とうなずいた。
「図書室へいきましょう。司書の先生が手伝ってくれますよ」
セナは早川先生といっしょに学校の図書室へいった。
ここには、司書の先生がいる。いつもたのしい本をおしえてくれたり、しらべものをてつだってくれたりするのだ。
「さあ、きいてごらんなさい」
早川先生にせなかをそっとおされて、セナは司書の先生にはなしかけた。
「あの、サンタクロースがどこにいるかさがしているんです。書いてある本はありますか?」
司書の先生は、めがねをかけていて、長いかみをうしろでひとつにまとめている。ほかの先生とはちょっとちがって、やさしいお姉さんのようだとセナは思う。
このときも、しつもんしたセナにやさしくほほえんでくれた。
「サンタクロースをさがしているのね。書いてある本があるか、さがしてみますね」
タタタン、とかろやかにパソコンのキーボードをうって、本をさがしてくれる。
「のっていそうな本が三さつあります。よんでみますか?」
セナはもちろんうなずいた。まほうのようにあっというまにさがしだしてくれた。
司書の先生が三さつのほんをもってきてくれる。
早川先生とセナと司書の先生といっしょに本をひらいた。
「うーん。いろいろですねぇ。グリーンランドかラップランドが有名みたいですね」
司書の先生もはっきりとはわからないみたいだった。
さすが、みたことがないサンタクロースのことだ。いろいろな説がある、と本には書いてあった。
「グリーンランドやラップランドって、どこにあるんですか?」
「世界地図を見てみましょう」
セナがさらにしつもんすると、司書の先生が地図をもってきてくれた。
グリーンランドはアメリカ大陸の上の方にあった。その上は「北極海」と書かれていて、北極のすぐちかくだということがわかった。
またラップランドはヨーロッパの北のほう、フィンランドという国のいちばん北のほうにあるとわかった。
「どちらにしても、北極にちかい、とてもさむいところですね」
セナはためいきをついた。
はっきりと、サンタクロースの家とよべるところはわからなかった。
なんとなくすんでいそうな場所にしても、日本からはすごくとおくて、すごくさむいところだということはわかった。
ただ、セナひとりで三太をおくっていくのはあまりにとおすぎて、とてもむりそうだ、ということだけははっきりとわかり、セナはがっかりしてしまった。
セナは司書の先生がもってきてくれた本をかりて帰ることにした。地図はみんながつかうので、かりることができなかった。
「社会の教科書をみてごらんなさい。世界地図がでていますよ」
早川先生がそういったので、セナは家に帰ってみてみることにした。
「ありがとうございました」
ふたりの先生におれいをいって、セナは家へ帰った。