表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第4話『Dear…』

 ――ここまで、この話を読んでくれたあなたに、まずは“ありがとう”と言わせてください。

 そして、“ごめんなさい”とも。



 もう、気付きましたか?

 私が選んだ、たった一つの方法に。


 そう、それはインターネット。

 もっと詳しく言えば、Web小説です。



 あの詩を書くのは難しくなかった。

 だって、耳鳴りはいつしか声になって、あの詩を読み上げているのだから。

 地の底から響くような、憎悪に満ちた声で、ずっと……。


 どこから来たのかわからない。

 誰が始めたのかもわからないこの呪いは、インターネットを通してさらに広がってゆく。

 それはさながら、無限の樹形図のよう。

 木の枝のように広がる呪い。

 だから私は、この呪いに『呪木(じゅもく)』と名付けました。


 もし、今あなたが少しでも息苦しさや違和感を覚えていたのなら、それは呪木の種が根付いた証拠です。

 それは揺るぎない事実。


 “詩”は“死”となり“呪い”となって芽吹いてる。

 もう止まらない。

 もう止められない。





 ころりころりと 転がった

 小さな 種が 転がった


 積もり積もって 芽を出して

 大きく 大きく 伸びてゆく


 枝の数だけ 広がって

 その葉の数だけ 想いを乗せる


 届かない 届かない

 枝葉は ゆっくり 伸びてゆく


 まだ足りない まだ足りない

 (かえ)り身 血の花 開くまで

 (うれた)し 果実が 実るまで

 呪木は 静かに 伸びてゆく


 まだ足りない まだ足りない

 まだ足りぬ まだ足りない





 親愛なるあなたが、この詩を100人に伝えらえられることを願います……。

※うれた・し【▽慨し】

「うれいたし(心痛し)」の音変化。憎らしい。いまいましい。嘆かわしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 現代ホラーとしてはとても面白くて短いながらもよく纏まっていて素晴らしかったです。また他の作品にも期待させて頂きます。 [一言] とりあえず私も100人の人にこの作品を宣伝しまーす
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ