森探検?(2)
主人公のリンマは心の中での口調と会話の時の口調は違いますが、それはそういうキャラなのでご了承ください。
至らぬ点があるかと思いますが、アドバイスなど、くれると有難いです。
森の中にはいると、光は一層鮮明に見え、森の神秘さが増した。
木の一本一本見てみると、幹が青だったり黄色と、見たことの無い色の木があり、枝にも変わった色や、羽が三枚もある鳥などがいた。
「ねえねえ! ミナ! すごくない!? この森!!」
「え、そう? てか、リンマ、テンション高くない?」
ミナが若干引いたトーンで言った。僕のテンションが高いらしい。
……そうかな? だって、こんな森だよ? なんか、沢山も色に光ったフワフワした物が飛んでるんだよ? これ見たら、このテンションは普通だと思うけどな……この世界の人からしたら普通なのかな。
「ほら、ラックも! すごいよね! ……ってラック!?」
ラックの方を見ると、ラックは顔をうつむかせ、落ち込んでいた。
「どうしたの? そんなテンション低くて。」
「はぁ……なんでサクは怒ったんだろう……俺、なんかしちゃったかなぁ。」
まだ、サクに怒られた事を気にしてるらしい。
ラックって意外と打たれ弱いんだな。ここは、慰めてあげよう。
「大丈夫だよ、ラック。サクをみっけたら、ちゃんと謝ろう? 許してくれるって。」
「そうよ、ラック。サクは優しいから許してくれるわよ。見つけたら真っ先に「サク、お前の事、好きだぜ。」って言うのよ。」
ミナの顔を見てみると、すごくニヤニヤしていた。
楽しそーだなー。
「あぁ、分かったよ。「サク、お前の事、好きだぜ。」って言えば良いんだな? 分かった、それなら俺にも出来る。うん。」
ミナの言葉をラックは真面目に受け取ったらしく、深い意味を考えず、サクに会ったら本当に言おうとしてる。
ラック。それ言ったら、多分、大変な事になると思うぞ。良い方か悪い方かは分からないけど。
そんな話をしていると、少し歩いた森の先で
「あ、居た! おーい、サクー!」
サクが立っていた。サクはある一本の木の幹を撫で、目を瞑っていた。
僕達が声を掛けると、サクはこっちの方を向いて、歩いて来た。少し、顔が曇ってるように見えるが。
「サク? どうしたの? そんな浮かない顔して。」
ミナが小走りで近寄って、心配そうに話しかけた。
「いや……なんでも……。」
顔を見ると、曇って見えたのは気のせいだったようで、表情は明るかった。
その顔を見て安心したらしく、ミナはラックの肩を肘でどついた。あれを言えということだろう。
どつかれたラックは最初、何か分からなかったようだが、少し考えて気が付いたようだ。
サクの方へ近づき、サクの目をしっかりと見て言った。
いきなり近づいてきたラックにミナは戸惑っている。
ガシッ、ラックは両手でミナの肩を掴んだ。
「へっ……? ちょ、いきなり、どうしたのラック? そんな近づいて……。」
肩を掴まれたサクの頬は桜色の染まった。
「サク、お前の事、好きだぜ。」
「なっ……//」
サクの目はカッと開かれ、頬は真っ赤に。急な言葉に返事は出来ず、誰から見ても動揺していた。
「え……え、ちょ、へ? ら、ラック……私も……。」
ラックとサクの周りの雰囲気は青春としか言いようがなく、カップルにしか見えない。
ラックは何のことだか分かんないんだろうけど。
そんなイチャイチャの雰囲気(仮)が嫌だったのかミナが止めに入った。
「もう! 二人共、こんな所でイチャイチャしないで! 迷惑でしょ!?」
「なっ! わ、私たちはイチャイチャなんかしてない! ねえ? ラック!」
「あ、お、おう。そうだな。」
ミナは相当ご立腹のようだ。
……お前のせいでこうなったんだけどな。まあ、分かるよ。その気持ち。最初は応援したけど、イチャイチャの雰囲気はムカつく時ってあるよね。
「って、着いたよ!」
ミナが指した方向を見ると、そこには大きな池があった。
それもただの池じゃない。池の所々に渦が巻いていて、池の色自体も紫色なのだ。
「うわぁ! なんだ、これ!」
僕が驚くと、ミナが教えてくれた。
「あぁ、これは、ここの森にある特別な池よ。すごい色でしょ? それにここの池には凶暴な魔物がいるらしいわよ。」
ミナの顔はいたって真面目だ。……ホントに出るのかも、魔物。
「まあ、そう言ったって誰もここの池の魔物は見た事ないんだけどね。」
そうなのか、なら安心……なのか? まあ、大丈夫か。
「おっしゃあー! みんな何して遊ぶ!?」
いきなりラックが叫んだ。不思議な池の前に来てテンションが上がってるのだろう。
「うーん、かくれんぼとかは?」
僕が適当に思いついた遊びを言った。
しかしみんなの反応は……
「え、かくれんぼ?」
「なにそれ……聞いたことない。」
「かくれんぼ!? なんだそれ!」
誰も知らないらしい。 この世界にはないのか。
仕方ない、一から説明するか。
「えーっとね、まず、探す人を一人決めて、それ以外の人が指定の範囲内に隠れて、探す人に見つかったら負けっていう遊び。……分かった?」
僕が説明を終えるとラックはキラキラした目でこちらを見てきた。
「おぉー! めっちゃ面白そうじゃん! おし、やろう! 」
「うん、良いわ。私もかくれんぼをやってみたいわ。」
「うん、私も……。」
「じゃあ、探す人を決めようか。」
「探す人はリンマで!」
ラックはそう言った直後、ミナに目配せをした。
それを受け取ったミナは小さく頷いた。
「ええ、そうね。リンマが探して。」
そして、ミナはサクに目配せをした。
「うん。私も賛成。」
3人は何やらアイコンタクトで会話をしているようだ。
「へ? え、ちょ、ちょっと……。」
「いいから、いいから。じゃあ、ミナ、サク、隠れるぞ!」
そう言って3人は僕を置いて、四方八方に走ってた。
ポツン。僕だけが静かな森に一人。
なんか、寂しいけど……しょうがない。
でも、なんだったんだろう、あの、ラックがミナとサクの目を見るときの、悪巧みしてるような顔は。
なんていうか、ラックとミナとサクが僕だけを仲間はずれにして、何かをしようとしていた目だった。
……考えてもしょうがない。大体五分後ぐらいに探そう。
この時、僕は気づいてなかった。目の前の池から何やら泡がブクブクと出ていると言うことに。
そして、これに気づいていれば、あんなことは起こらなかったのかもしれない。