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テンセーズ 〜転生しても記憶無いなら意味ないじゃん〜  作者: 豆腐メンタルの上に立つしそ
第一章 (一回目) ルーク村
7/8

森探検?(2)

主人公のリンマは心の中での口調と会話の時の口調は違いますが、それはそういうキャラなのでご了承ください。


至らぬ点があるかと思いますが、アドバイスなど、くれると有難いです。

 

 森の中にはいると、光は一層鮮明に見え、森の神秘さが増した。

 

 木の一本一本見てみると、幹が青だったり黄色と、見たことの無い色の木があり、枝にも変わった色や、羽が三枚もある鳥などがいた。


「ねえねえ! ミナ! すごくない!? この森!!」


「え、そう? てか、リンマ、テンション高くない?」


  ミナが若干引いたトーンで言った。僕のテンションが高いらしい。


  ……そうかな? だって、こんな森だよ? なんか、沢山も色に光ったフワフワした物が飛んでるんだよ? これ見たら、このテンションは普通だと思うけどな……この世界の人からしたら普通なのかな。


「ほら、ラックも! すごいよね! ……ってラック!?」


  ラックの方を見ると、ラックは顔をうつむかせ、落ち込んでいた。


「どうしたの? そんなテンション低くて。」


「はぁ……なんでサクは怒ったんだろう……俺、なんかしちゃったかなぁ。」


  まだ、サクに怒られた事を気にしてるらしい。


  ラックって意外と打たれ弱いんだな。ここは、慰めてあげよう。


「大丈夫だよ、ラック。サクをみっけたら、ちゃんと謝ろう? 許してくれるって。」


「そうよ、ラック。サクは優しいから許してくれるわよ。見つけたら真っ先に「サク、お前の事、好きだぜ。」って言うのよ。」


  ミナの顔を見てみると、すごくニヤニヤしていた。


  楽しそーだなー。


「あぁ、分かったよ。「サク、お前の事、好きだぜ。」って言えば良いんだな? 分かった、それなら俺にも出来る。うん。」


  ミナの言葉をラックは真面目に受け取ったらしく、深い意味を考えず、サクに会ったら本当に言おうとしてる。


  ラック。それ言ったら、多分、大変な事になると思うぞ。良い方か悪い方かは分からないけど。


 そんな話をしていると、少し歩いた森の先で


「あ、居た! おーい、サクー!」


  サクが立っていた。サクはある一本の木の幹を撫で、目を瞑っていた。


  僕達が声を掛けると、サクはこっちの方を向いて、歩いて来た。少し、顔が曇ってるように見えるが。


「サク? どうしたの? そんな浮かない顔して。」


  ミナが小走りで近寄って、心配そうに話しかけた。


「いや……なんでも……。」


  顔を見ると、曇って見えたのは気のせいだったようで、表情は明るかった。


  その顔を見て安心したらしく、ミナはラックの肩を肘でどついた。あれを言えということだろう。


  どつかれたラックは最初、何か分からなかったようだが、少し考えて気が付いたようだ。


  サクの方へ近づき、サクの目をしっかりと見て言った。


  いきなり近づいてきたラックにミナは戸惑っている。


  ガシッ、ラックは両手でミナの肩を掴んだ。


「へっ……? ちょ、いきなり、どうしたのラック? そんな近づいて……。」


  肩を掴まれたサクの頬は桜色の染まった。


「サク、お前の事、好きだぜ。」


「なっ……//」


  サクの目はカッと開かれ、頬は真っ赤に。急な言葉に返事は出来ず、誰から見ても動揺していた。


「え……え、ちょ、へ? ら、ラック……私も……。」


  ラックとサクの周りの雰囲気は青春としか言いようがなく、カップルにしか見えない。


  ラックは何のことだか分かんないんだろうけど。


  そんなイチャイチャの雰囲気(仮)が嫌だったのかミナが止めに入った。


「もう! 二人共、こんな所でイチャイチャしないで! 迷惑でしょ!?」


「なっ! わ、私たちはイチャイチャなんかしてない! ねえ? ラック!」


「あ、お、おう。そうだな。」


  ミナは相当ご立腹のようだ。

 

  ……お前のせいでこうなったんだけどな。まあ、分かるよ。その気持ち。最初は応援したけど、イチャイチャの雰囲気はムカつく時ってあるよね。


「って、着いたよ!」


  ミナが指した方向を見ると、そこには大きな池があった。


  それもただの池じゃない。池の所々に渦が巻いていて、池の色自体も紫色なのだ。


「うわぁ! なんだ、これ!」


  僕が驚くと、ミナが教えてくれた。


「あぁ、これは、ここの森にある特別な池よ。すごい色でしょ? それにここの池には凶暴な魔物がいるらしいわよ。」


  ミナの顔はいたって真面目だ。……ホントに出るのかも、魔物。


「まあ、そう言ったって誰もここの池の魔物は見た事ないんだけどね。」


  そうなのか、なら安心……なのか? まあ、大丈夫か。


「おっしゃあー! みんな何して遊ぶ!?」


  いきなりラックが叫んだ。不思議な池の前に来てテンションが上がってるのだろう。


「うーん、かくれんぼとかは?」


  僕が適当に思いついた遊びを言った。


  しかしみんなの反応は……


「え、かくれんぼ?」


「なにそれ……聞いたことない。」


「かくれんぼ!? なんだそれ!」


  誰も知らないらしい。 この世界にはないのか。


  仕方ない、一から説明するか。


「えーっとね、まず、探す人を一人決めて、それ以外の人が指定の範囲内に隠れて、探す人に見つかったら負けっていう遊び。……分かった?」


  僕が説明を終えるとラックはキラキラした目でこちらを見てきた。


「おぉー! めっちゃ面白そうじゃん! おし、やろう! 」


  「うん、良いわ。私もかくれんぼをやってみたいわ。」


「うん、私も……。」


「じゃあ、探す人を決めようか。」


「探す人はリンマで!」

 

  ラックはそう言った直後、ミナに目配せをした。


  それを受け取ったミナは小さく頷いた。


「ええ、そうね。リンマが探して。」


  そして、ミナはサクに目配せをした。


「うん。私も賛成。」


  3人は何やらアイコンタクトで会話をしているようだ。

 

「へ? え、ちょ、ちょっと……。」


  「いいから、いいから。じゃあ、ミナ、サク、隠れるぞ!」


  そう言って3人は僕を置いて、四方八方に走ってた。


  ポツン。僕だけが静かな森に一人。

 

  なんか、寂しいけど……しょうがない。


  でも、なんだったんだろう、あの、ラックがミナとサクの目を見るときの、悪巧みしてるような顔は。

 

  なんていうか、ラックとミナとサクが僕だけを仲間はずれにして、何かをしようとしていた目だった。


  ……考えてもしょうがない。大体五分後ぐらいに探そう。



  この時、僕は気づいてなかった。目の前の池から何やら泡がブクブクと出ていると言うことに。


  そして、これに気づいていれば、あんなことは起こらなかったのかもしれない。

 




 









 

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