JIVE MY REVOLVER/TOKYO No.1 SOUL SET
「あれ? マツノさんと住職って知り合いだったんですか?」
サクラよ、ホント余計なコトに巻き込んでくれたな。
「スエ……だよな? 何で偽名なんて使ってんの?」
「え? アミオさん偽名なの? アタシら騙してたってコト?」
いや、ミチヨさん……貴女の読み間違いで今日までそのまま来てるんですよ。うん。
とりあえず第2話の後半から読み返してみてくれないだろうか。
「あぁ……もう、面倒臭ぇ。そうだよ。久しぶりだな」
もう限界だった。完治したハズの若かりし日々というかさぶたを、無理矢理に引き剥がされた気分である。
傷口から血が滲むように、奥底へ封じ込めたハズの思い出が溢れてきた。
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「スエってさ……アキのコト好きでしょ?」
同じ小学校から中学に進学した、所謂幼馴染みの井ノ辺が、唐突に核心を突いてきた。
「は、はぁ? 急に何言ってんの?!」
下校中、住宅街に響き渡るほどの大声を出してしまった。
『アキ』とは、同じく小学校から一緒の芳田亜紀のコトである。
「そんなの近くで見てればわかるってば」
流石に四六時中一緒にいたら、恋心など簡単にバレるモノなのだろうか?
「いや、アキは……ほら、今居のコト好きだから。それこそ近くで見てればわかるでしょ?」
長身で美形、中1の時からサッカー部のレギュラーである、今居佐知夫は隣町の小学校出身で、中学から仲良くなった一人だ。
「あー、うん。まぁ、そうだよなぁ……そうっぽいよねぇ」
当然ながらイノベも気付いている様子だ。
「でもさ、スエはそんなんでイイの?」
「うん……そりゃ好きになったコには幸せになって欲しいでしょ? 普通」
やれやれ顔で俺を見るイノベに、精一杯強がって笑う。
「だから、俺はイマイとアキの仲を取り持ってやる!」
夕暮れ時の道端で、イノベに対して拳を握り、キューピッド宣言をしてやった。
そうでもしないと、自分の決意が揺らぎそうだったからだ。
「かぁ~博愛主義者だねぇ。もうそれ、献身的な愛って言うより自虐だわ。一生幸せになれないよ?」
当時の俺は、自分の身勝手な気持ちで、友達の関係性を壊すコトの方が怖かったんだと思う。
「ってコトで、イノベにも協力してもらうからな!」
右手でガシッとイノベの左肩を掴み、ウインクしながら左手の親指を立てる。
「あーはいはい。お得意の綿密な計画でも立ててちょーだい」
小学校の頃は、クラスの中心というワケではなかったが、レクリエーションや出し物を決める時には、みんなを楽しませる為に色々と考えるのが得意だった。
……けれど、このハツラツとした少年が、後にこんな消極的を絵に描いたような大人になるなんて、この頃は思いもしなかったんだよなぁ。




