4話 ○ートと異世界③。
文広 永遠
攻撃力 26
防御力 33
体力 18
魔力 41
素早さ 23
携帯のステータス画面を見つけ自分のステータスを読み上げていく。
なんか、モンスターを育てるゲームの初期のモンスターみたいな能力だなと考えていたら、エルクさんが目を見開いて凄い顔をしてた。
「え、エルクさん?」
恐る恐る声をかける。
ティウちゃんが寝てるからいいけど、起きてたら泣き出すレベルの顔ですよ。
「それ、本当ですか!?」
「えっと、はい。」
ビビりながら頷く。
まさか、そんな事はないと思うけど、俺って強い!?
「弱過ぎますよ!!」
・・・ですよねー。
「そのステータスだと大体武器を持ってスライムとかゴブリンと1対1でギリギリ勝てるくらいですよ!」
うわー、弱いなー。
武器を持ってギリギリって・・・。
ゴブリンとスライムってきっと最弱のモンスターだよね?
「つまり、一般人と大差ない能力!いや、むしろ低いくらいですよ!」
うわー、俺の能力が低いことにそんなにテンション上げられても困るよ。
「まるで、2、3年部屋の中で運動などをせずに過ごした人みたいな、そんな能力の低さですよ!」
お、お、お、お、俺だそれー!!
心の中で叫びました。
「私としては神のいる街に行くことを進めるつもりでしたが、そういうレベルじゃなさそうですね。一人で外に出るのは危なすぎます。」
「そ、そうなんですか?」
そんなはっきり言われてもじゃあ俺はどうしたらいいのか。
異世界に来ても引きこもればいいのだろうか?
神様とかに保護してもらって。
「色々不自由かもしれませんが、しばらくこの家に住んで経験を積みましょう。裏の森には弱いモンスターがいっぱいいますし。」
エルクさんからの優しすぎる提案。
「えっ、でも、そんな訳には・・・エルクさんの旦那さんだって・・・」
提案はありがたかったけど、甘える訳にはいかず、俺はエルクさんから目をそらす。
「大丈夫ですよ。旦那なんていません。・・・私は未婚ですし。」
俺から見たら自然な笑顔でエルクさんは言った。
「えっ、じゃあ、」
ティウちゃんは?
声に出しかけて止めた。
それは聞いちゃいけない事な気がするから。
「はい、だから気にしなくていいですよ。男手があると私も助かりますし。畑仕事とか手伝ってもらいますよ。」
俺の言いかけた言葉は違う意味にとられたみたいで、エルクさんが笑顔で話を進める。
こんな簡単に人に甘えていいのだろうか?
迷いから心が重くなるけど、俺は断る事が出来ず頷いた。
「お願いします。」
「はい、お願いします。」
ニコって笑うエルクさん。
こうして、俺と綺麗なお姉さんの一つ屋根の下生活が始まる事になった。
当たり前だけど、綺麗なお姉さんは好きです!!
「ティウもいますし、わたしにやらしい事とかしようとしたらダメですよ。」
・・・なんか、釘をさされた。
もしかして、そういう気配がもれてしまったのだろうか。
「ちなみに私は元々冒険者で、大体能力的にはとわさんの百倍くらい高いですからね。」
またエルクさんがニコって笑う。
あの、百倍っておかしくないですか?
俺、マジで弱過ぎるんじゃないですか!?




