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 13話 ○ート成長。



「フレア!」


俺の手のひらに生まれた火の玉が九つの小さな矢に別れて木に向かって飛ぶ。


リズミカルな音を立て地面に落ちる九つのリンゴ、元の世界の物より酸味が強い感じで俺はこっちの方が好きだ。


その落ちたリンゴを我先にと拾うゴブリン達。


「とわくんは本当魔法使うの上手いよね。天才かも!」


草の上に座ってのんびり言うエルクさん。

本当の親じゃないけど、この人親バカなんじゃと少し思う。


エルクさんの言うとおり俺は魔法に結構才能あるみたい、イメージと集中が上手いらしい。

ただ、威力はない。

今のも正直リンゴを落とすのがやっとの威力、枝とリンゴの繋がってる場所をピンポイントで当てなきゃ落とせないんだからかなり弱い。


まー、親バカエルクさんに言わせればそれを全部当てるのが凄いらしいんだけど。


そんなエルクさんの後ろではエルクマさん親子がくつろいでる。


ティウちゃんはというとゴブリンに混じってリンゴを食べている。


「もう一回行くよ。」


俺は言ってゴブリンとティウちゃんを少し下がらせ、もう一度同じ魔法を使う。


またも落ちてくる九つのリンゴ。


そしてそれを拾う五体のゴブリンとティウちゃん。


ここは森の中にある少し開けた広場。


そこにいるのは俺、エルクさんティウちゃんに、エルクマさんティクマ親子、そして五体のゴブリン。


まさか、こんな日が来るとは。


ゴブリンとの初対決から二週間が経った頃、俺はまたこの森に来たんだ。


今度は剣ではなくて木刀を持って、エルクさんとの練習で多少は強くなれたと思ったから腕試しに。


木刀でゴブリンと戦い、見事に倒した。

倒したんだけど、申し訳なくなってリンゴを取ってきてあげた。


それを一週間続けたらなんかゴブリンと仲良くなって、今ではゴブリンにも木刀を持たせて戦っている。


そして、戦い終わったら今みたいに休憩。


すっかりなれた今ではこれがゴブリンなのか、小さなおじさんなのか俺には分からなくなっていた。


そのゴブリンが拾ったリンゴを俺の所にも持ってきてくれた。


「ありがと。」


リンゴを服で拭いてかじる。


「ギィー。」


笑顔を見せたゴブリンは今度はエルクさんエルクマ親子の所にもリンゴを持って行く。


変な光景。


思わず笑ってしまう。


お礼にとエルクさんは大きなバスケットを開いてサンドイッチを出す。


濁った目を輝かせ喜んで食べるゴブリン達、その食べっぷりにエルクさんは苦笑いするがイヤそうではない。


エルクマさんにもサンドイッチを渡し、ティクマには皿にミルクを入れてあげる。


ゴブリンに混じってサンドイッチを食べるティウちゃんが野生児化してる気がするけど気のせいであってほしい・・・。



ステータスはかなり上がった。


文広 永遠

攻撃力 1245

防御力 986

体力  1420

魔力  1692

素早さ 1489


これでもまだ、少し鍛えた一般人くらいらしい。


先は長いぜ。





「ままー、あしたももりいく?」


夕食後お皿洗いをしてるエルクさんにティウちゃんが嬉しそうに聞いてる。


「ティウは本当に森が好きになったね。」


「もりすき!ちいさいおじさんおもしろい!てぃくまともあそぶ!」


「そう、友達なのね。・・・とわくん、どうする?」


笑顔でティウちゃんの頭を撫でてエルクさんが俺を見る。


「俺は全然いいですよ。エルクさんが良かったら明日も行きましょ。」


俺は椅子に座って魔法の練習中、手のひらの上で中指くらいの大きさの炎で出来た龍をくるくると飛ばしている。

もう炎の魔法結晶がなくても炎の魔法は使えるようになった。


ちなみにこれにも威力はほぼ無い。


「そう。じゃあ、明日も行こっか。」


「わーい!とわくん、ありがとー。」


ティウちゃんが飛び込んで来たから俺は慌てて魔法を消した。


「いいよ。俺も森に行くと楽しいしね。」


膝の上に来たティウちゃんの頭を撫でる。


「2人とも、明日も畑仕事してから行くんだからね。」


「はーい。」

「はーい。」


ティウちゃんと二人で返事をした。





「・・・?」


大きな音が聞こえた気がして目が覚めた。


身体を起こすと、さっきの爆発音みたいなのとは違う、鐘の音が響いていた。


「なんだこれ?」


呟きながらも胸の中では嫌な予感がいっぱいだった。


エルクさん達の所に行かなきゃ、そう思い立ち上がった時勢い良く扉が開いた。


「とわくん!・・・良かった、起きてた。」


眠そうに目をこするティウちゃんを抱いたエルクさんだった。

エルクさんは寝起きだから下着の上にTシャツを来ているだけの姿だった。


ありがとうございます。


「エルクさん、この音は?」


「何かに村が襲われてるみたい、最初の爆発は恐らく門が壊された音・・・。多分人間、盗賊。」


強張った表情で言うエルクさん。


俺にもようやく今が緊迫した状況らしい事が理解出来た。

ごくりと息をのむ。

「とにかく、一度外に出ないと。とわくんも着替えて準備を。」


「は、はい。」


俺は壁に立てかけた剣と木刀に目を向けて奥歯を噛んだ。


・・・戦いになるのか?

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