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 11話 ○ートと崩れる誓い。

 


はー。

今日は大冒険だった。


昼間からお風呂につかりながら俺はゆっくり息を吐く。


いやー、ゴブリン達に殺されるかと思った。


今では笑い話に思えるんだから生きてるって凄いな。


エルクさんには大分怒られた、それだけ心配させたんだよな。


最後泣きそうな顔をされた時はドキッとしたな。


当分危険な事は避けよう。


いや、っていうかモンスターと戦うとかもうしたくないな。


でも、そんな事言ってたらまた引きこもりか・・・はー。


他の転生者の人達はどうやって生きてるんだろ。


そういえば凄い力貰ってるんだっけ。羨ましい・・・かな?


どうなんだろ?

凄い力なんてあったら今の自分とは違う人になっちゃいそうだしな。


とりあえず別にいらないかな。


強くなってゴブリンとかをいっぱい倒していく俺か・・・変なの。


「とわくん!てぃうもおふろはいる。」


声を上げながらティウちゃんがお風呂場に飛び込んでくる。


「うん。ティウちゃんおいでー、一人で身体洗える?」


突然の美少女の裸乱入にも慌てない俺、かっこいいなー。


最初に一緒にお風呂入った時は反応してしまうんじゃないかと、内心ひやひやだったよ。


だが!俺は反応しなかった!!


いやー、変な性癖なくて安心したよ。


という訳で、俺は裸美少女を余裕で受け入れる。


「だいじょぶ!ままにあらってもらう!」


ふーん・・・ままに・・・?


「とわくん、傷染みないですか?」


裸の美女が現れた!!


・・・

・・・

・・・


三秒くらいだろうか、俺の頭は完全に沈黙していた。


沈黙のあと、俺の頭が動き出したときには既に、お湯の中にいるあいつはもう全力全開だった。


逃げなくては!

これを!

働きモノのこいつを見られる訳にはいかない!


働きモノなのに職歴なしという悲しい息子だけど。


「し、失礼します!」


すぐさま離脱を試みる俺。


「逃がしません!」


なぜか、捕まえようとしてくる両腕を屈んでかわす俺。

横目で見ると体勢が低くなった為にすぐそこには普段はパンツに隠された秘密の花園が・・・そのままそこに飛び込みたい衝動をなんとか抑え俺は風呂場を脱出した。


「はー。」


俺は今にも暴れ出しそうな禍々しいそれをムリヤリパンツにねじ込んだ。


無意味な戦いだった。

っていうか、負けておけば良かった。

なんで逃げ出すのに成功しちゃったんだろ。


俺は泣きそうだった。


だって、もしあの時エルクさんの両腕に捕まってたら、俺はそのままあのむき出しのお、おっぱ・・・むき出しのあの胸に包まれていたんじゃ・・・


「あーーーっ!!」


俺は男泣きの声を上げる。


なんて、なんてバカな事をしてしまったんだ。


くそーっ!!


もっと見たかった!

あの美しすぎる裸体、初めて見る裸があんな芸術品だなんて俺は幸せすぎるんじゃ・・・くそー。


もしかしたら、

「とわくんは、怪我してるんだからじっとしててください。私が洗ってあげますから。」


そんな!そんな幸せイベントが俺に待っていたのではなかろうか。


はー、悔やんでも悔やみきれない。


「俺はもう逃げないと誓う!次は絶対に逃げたりしない!」


俺は拳を握り確固たる決意を自分の胸に、いや魂に刻み込んだ。



「とわくん!私達は家族でしょ!お風呂一緒に入ってもいいじゃない。」


お風呂から上がってTシャツ姿のエルクさんがなんか主張してくる。


「とわくん、いいじゃない。」


なんかティウちゃんも便乗してくる。


「ダメです!!」


俺は広げた手をエルクさんの前に突き出し拒否した。


心の中では号泣した。

俺は自分に立てた誓いをこんなにも早く裏切ってしまった。


心の中の俺は果たせなかった約束に、広い荒野で両手を地面につき悔し涙を流し続ける。


泣くな、泣くなよ俺。



具だくさんのスープが美味しい。


お風呂の後は皆でご飯だ。


あれ、エルクさん、さっき家族とか言ってなかった?


ティウちゃんは娘、じゃあ俺は?


もしかして、ティウちゃんのパパ?

エルクさんの・・・


いやいやそれは早いよ。


まだ俺無職だし。

くそー働かなきゃ俺。


うおーーーっ!


「とわくん、スープ好きだよね?」


「えっ?はい。」


温かなスープは凄い幸せだ。

もしかして、だから今日スープなのかな?


「ふふん。そうだと思った。息子の好みくらいは知っておかなかゃね。」


エルクさんが満面の笑みで言っている。


息子?・・・むすこ・・・ムスコ?

下ネタじゃないよね?


息子かー。


またも心の中の俺が荒野で泣き崩れる。


「とわにいさん、ごはんおいしいね。」


「うん、美味しいね。」


あー、かわいい妹幸せだ。


それでも心の中の俺は泣き止まなかった。


およよよよ。

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