詩：　クチュール

☆クロスステッチ～　broderie　～☆

うわべだけのきれいさだけを求められ

内側のほころびに気づいてもらえず

カラフルな色で紡がれた完成予想図通りの絵

その影にある努力こそほめられたいのに

誰も見てはくれない

裏の醜悪さに目をそむけ

額縁に飾られる

創られた笑みではなく

内側を見て

☆針と糸と布と～　aiguille　et　fil　et tissu　～☆

針、一本

糸、一束

布、一メーター

どれも一つだけでは何もできない

何も生み出せない

ただ一本の針

ただ一束の糸

ただ一メーターの布

それだけでしかない

だけど、手を取り合えば変われる

一人では見ることのできなかった世界を

手を取り合うことで紡ぐことができる

☆クッション☆

辛くて痛くて　

どこかがほころびてしまったんだ

内側から漏れだすふわふわとして優しいもの

取り戻そうと必死になればなるほど

逆効果しか生み出さず

悲嘆にくれたボクにキミが気が付いて

暖かい手でボクに触れ

赤い糸で縫い合わせてくれたから

前よりも少し不恰好だけど

前よりもなんだか自然体でいられる気がした

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。　手芸に関係すると思われる詩を３つほど連ねてみました。

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