473話~476話
最後の話は例のあの人たちです。
「…」
「12時間前ぶりですね…あ、今は6時でしたか。13時間ぶりですね…ずっとあなたのことを考えていました」
「そうね。もうあなたのことに慣れてきたわ」
「考えすぎて気が付けば…こんな粗末なものを書いてしまった」
「…」
「僕の思いを綴った手紙です…僕の気持ちとともに受け取ってください!」
「断るわ」
「…ならばここで手紙の内容を音読させてもらおう!君が振り向くまで!読むのを!やめない!」
「…」
「拝啓、この手紙。読んでいるあなたに…?」
「…」
「いなくなってる…手紙作戦失敗か」
「だが俺はめげない!」
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「…本当にしつこいわね」
「今日はあなたと僕が運命の出会いから1週間…片時もあなたのことを忘れたことはありません」
「…」
「僕はあなたのことが好きだ…愛してる」
「私の目の前で跪くのはやめてちょうだい。周りの視線が痛いわ」
「…隣に座っていいわよ」
「本当かいな!?」
「…なぜ訛って答えたのかは知らないけど。許可するわ。ただし一目を引く行為はやめてもらえるかしら」
(やべぇついうれしすぎて訛っちまった…)
「ありがとうございます!では早速お隣に座らさせてもらいます」
「気持ち悪いから私から1mは離れてちょうだい」
「はい!あぁ…美しいあなたの隣に座って眺めることができるとは…はぁーうっとりしてしまう…」
「…慣れって怖いわね」
―
「どの角度から見ても美しい…あ、写真とらせてもらってもいいですか?」
「どうぞご自由に。どちらかと言えば私もそうしてほしいわ」
「マジでっか!?ひゃっほう!!」
「ただ写真撮った瞬間に私へのストーカー行為としての決定的な証拠ができ、あなたを刑務所送りにできる」
「…」
「これほど喜ばしいことはないわね」
「…」
「…ジョークよ。そんなにかたまるということはあなた、よっぽど警察が怖いのね」
「警察が怖いんじゃない。君に会えなくなる、見ることができなくなる、しゃべることができなくなるのが怖いんだ。なんたって僕は君が大好きだからさ…」
「…帰るわ」
「…」
「…くぅ~!ちょっと照れた顔がかわいいじゃないかぁぁぁぃぃ!!」
「こういういじめられてからの不意打ちで攻めるのがいいんだな!わかってきたぞあの人のこと!」
「…」
―
「小説の新作書いたんだが見てくれ」
「ん」
「おう」
「…」
「どう?」
「…」
「…」
「…いいと思う」
「どこがよかった?」
「プリンって書いてあるところ」
「おかしいな俺の小説プリン出てきてないんだが」
「あとプリンうまい」
「それもはや関係ないよね」
「プ」
「ついに一文字だけになった」
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