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世界の 法則が 乱れる!  作者: JR
第05話 桃源郷の誓い
76/169

焼肉万歳!とつげき、おーぅいぇー!


ググる。


まずは、聖マラキの予言から。

取り合えずWikiから始める。

正式名称は全ての法王に関する大司教聖マラキの予言……長いね。

生命の木と呼ばれる書物で言及されたのが始まりらしく、100人以上の法王についてラテン語で簡素に一言二言で言い表してある。

例えば、現在の法王である265代目法王ベネディクト16世は『オリーブの栄光』と記述されている。

法王というのは襲名した時に『法王名』というハンドルネームを名乗るわけだが、今回、法王が名乗ったベネディクトは、聖人の1人である聖ベネディクトからつけられている。

この人物が創立したベネディクト会はオリーブの枝をシンボルとしている。

まさにオリーブの栄光だ。

といった具合のこじつけだ。

さて、僕の知りたいのは最後、ローマ人ペテロについてだ。

ココだけ今までとは変わり、長く予言が書かれている。


『ローマ人ペテロ、彼は様々な苦難の中、羊を司牧するだろう。

 そして7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が下る』


なんで、予言ってもっとしっかりと書かないのかなぁ?

未来が判ったんなら、もっと事細かに書いとけよって思う。

曲解させたり、言葉が少なかったり……ま、今はいいや。


「7つの丘の町って何ですか?」

「それは、ローマ市を現していると言われていますねぇ」

ロリコンが答える。

「ローマ市って言うと……」

「ヴァチカンのある所ですよ」


「羊を司牧って?」

「単純に言うと羊飼いが羊を導く事ですね」

「ああ、人間=羊って事ですか」

えらく上から目線だな。

やっぱりキリスト嫌い。

(お主様も相当、嫌悪しておるようじゃな。

 まぁ妾もあまり良い思い出はないのじゃがな)

イベントは好きだけどね。






次はファティマの予言。


(MHやA級HM動かすの?)

雲雀の質問は無視する。

(あー、酷いっ)


1917年、ポルトガルのファティマと言う町に聖母が出現し、様々な奇跡を行ったのが始まりとされる。

その中の1つに3人の子供に未来を預言した3つのメッセージを託している。

1つ目は第1次世界大戦の終結と、第2次世界大戦への道標。

2つ目は人間が死後、赴くであろう地獄という存在が実在していると言う事。

3つ目は1960年まで公開はしてはならないという秘密。

これはファティマ第3の予言と呼ばれ、後々に終末予言ではないかといわれる様になる。

と言うのも法王庁は1960年になってもこのメッセージを公開しなかったからだ。


公開したのは2000年になってからで、3つ目の内容は1981年の法王暗殺未遂事件についてだった。

しかし前の2つに比べて扱う規模が小さい事、メッセージを伝えた本人が、内容が違うと言っている事から、何らかの工作が行われたと見ている人が多い。


「実際の所どーなんですか?」

初老のロリコン、沖津さんに話を窺う。


「公開された文書ですか?

 ああ、それは一部意図的に削除して幾つか変更してあるんですよ。

 そもそも1960年の公開予定を延ばしたのは、内容が難解だったからです」

「どんな内容か聞いても?」

「構いませんが、御内密に願います」


うーん、どうしよう……


「ちょっと待って下さい。

 すいません、今はいいです」

「そうですか?」

「はい、先にヒトラーの予言の方を済ませましょう」


自分の眼鏡と耳に仕掛けられた監視装置が少し恨めしい。

これ以上は皇國代理天には教えない方が良さそうだと判断した僕は、これ以上の調査を打ち切る。

後で、誰かに聞いといてもらおう。

ヴラド辺りが適任かなぁ……。




現在の所、法王庁はニューエルサレム教団を危険視していると考えて良いだろう。

その理由は予言があったから。

そして今回、祖父から意見を聞きたくて、このロリコンを派遣してきた。

ではニューエルサレムを危険視するに至った予言は、聖マラキ、ファティマ、この2つの予言なのだろうか?

他にもあって、そちらの方が具体的に書かれてあるという可能性は?

わざわざ祖父の手を煩わせずにすむ様な、判りやすい予言があったら……?



うーん、やっぱりオカルト関連は僕じゃダメだ。

こういった時の武居は頼りになるなぁ。

まぁ、どちらにしろ、すでにニューエルサレムに先を越されている皇國代理天は、この情報を欲しがるはずだ。

交渉材料にさせてもらおう。






最後、ヒトラーの予言だが……全体像が掴みにくい。

長いな。

色々とググって調べる。

うーん、全ての出展が1999年アフターという書籍からだ。

この書籍自体は色々な所からヒトラーの言動を引っ張ってきていると言う体裁をとっているが……。



内容は、色々な所でヒトラーが語った言葉を纏めた物の様だが、予言というよりも未来予想に近い。

その内容は、自然災害から国家情勢など、多岐に渡るが、究極的には人類は支配者と被支配者に2極化し、その中から新人類が生まれてくる。


どうも、ヒトラーは“あいつ”と呼ばれる見えない存在から予知を授けられていたらしい。

上記の予言以外にも様々な予言が書かれている。

この本には。


胡散臭くないか?

ヒトラーが“語ったと言われている”という推測からなるタイプの文章だ。

偽作……?

ただの作り話?


いや、でもそれじゃあ何故、沖津さんはこんな予言を知っていたんだ?

(マニアよ、彼。オカルトの。生粋のムー民だもの)


「は?」

(以前、話した時にそれが話題になってね、秋霖さんとお酒を飲みながらずっと話していたわよ?

 幽霊、UFO、神、オーパーツ、超能力、異世界、怪奇現象、ロリータなんでもござれよ?)

「……破戒僧」

「はい?何ですか」

沖津さんが答える。


……。


自覚ありか。


新田+武居とは……恐ろしい人物もいたもんだ。


がっくりとうなだれる。



「質問です、沖津さん」

「あ、やっと名前呼んでくれましたね?

 いつまでもロリコンロリコンは辛いですよ」


「はぁ、でも事実で真実で確実ですし……」

「そうですか、手厳しいですねぇ。

 美しい者はただ愛でたい。そうは思いませんか?

 主もおっしゃっています“父と母を敬え。あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ”とも“自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい”と」

「はぁ」

自分を愛する様にって……。

自分に嫌悪しか抱かない人間は、他人も嫌悪しろって事かね?


「貴方の隣人を愛せよ、良い言葉ですね。

 これこそ教えの本質です」

「はぁ」

「ただ私の隣に(はべ)るのは美少女以外要らない。

 私は隣人の選択をするだけです」


それは曲解どころか、主の御言葉を勘違いしています。

こんな枢機卿[カーディナル]で大丈夫か?

大丈夫だ、問題ない。

……。

そう、問題はない事が判ってしまった。


秘匿された枢機卿……。




先程、ググったついでに枢機卿[カーディナル]を調べてみた。

とてもではないが目の前の人物が枢機卿[カーディナル]と呼ばれるような人格者ではない事は明らかだ。


俗物過ぎる。

ハマーン様曰く「恥を知れ!俗物!」

だったんだけど……面白い一文を見つけた。



『現在、日本国籍を持つ枢機卿はいない』


では、僕の目の前の人物は?

1、日本人にあらず。

2、枢機卿にあらず。

どっちだ?


その実、答えは3の例外項目。

は?

いや、僕も最初はナニソレって思ったんだけど……。

本人が言うんだから、それで良しとしておこう。


264代目法王ヨハネ・パウロ2世は枢機卿を何人も任命しているが、名前を明かす事の出来ない118人目の枢機卿が居るという事だ。

枢機卿自体はもっと多いのだが、この118人という人数は80歳以下の法王任命権をもつ枢機卿の数らしい。

まぁ、どちらにしろ、破戒僧なんて恥ずかしくて名前を出す事ができなかったのか、諜報部という役職のせいなのか、国籍がなかったり2重だったりする人なのか判らないが、彼はその役職を秘匿されている。


存在の秘匿。

彼が枢機卿[カーディナル]である事が事実なら、ここまでの破戒者だ、カモフラージュとしても完璧だろう。






「質問です、沖津さん」

再度、問いかける。


「ヒトラーの予言を貴方はどう思っていますか?

 出展からしても偽作臭がプンプンするんですが」

「面白いエンターティメントです。昨日までは」

「?」

「今は、すぐにでも裏をとり、情報調査にあたる必要性アリの予言として、本国に連絡を入れておきました。

 先程ね。

 というか、この後、作者に話を聞きに行けって言われてるんですよ」

「ソウデスカ」

「この作者さんの著作が僕は大好きでねぇ。

 と学会でも取り上げられる程なんですよ」

それは褒めているのか?


「じゃあ、明らかに1999年アフターというのは、作者の作り話……」

「そのはずだったんですがねぇ」


そう。

そのはずだった。


しかし……。



(でも、授業でやってるし)


雲雀からの心話。

そうなんだ。

何故、ニューエルサレムでそんな話が?

ヒトラーの予言なんて、1999年アフターを書いた日本人の作品である可能性が高いんだ。

キリストとは無関係だし、異世界とは無関係だし、ましてやヒトラー本人とも無関係な可能性が……。



「お主様」

「ん?」

僕はヴラドを見る。

「考え方を改めるのじゃな」


「地球という世界は概念に溢れておる。

 多様性が生み出した結果じゃ」

「じゃが、どこかの異世界には、その概念が実在の物として存在する世界がある」

「あ」


「今まで外れた終末予言の数だけ、予言通りに滅びた異世界があるということじゃ。

 してみれば、のぅ、地球で伝えられておる予言とは、異世界で伝わる予言の概念じゃ。

 そう思えば地球では、予言とは外れて当然のシロモノとは思わんかや?

 むしろ当たった場合は、地球の世界法則[リアリティ]に近い異世界の予言という事にならんかのぅ」


「予言の概念……」



「たまたま、ニューエルサレムではヒトラーの予言と同じ事を考えた人物が居た。

 そしてその通りになる世界法則[リアリティ]だった。

 そういう事じゃな」

「……」

(小難しい事考えていると禿るよ、御主人様?)

あー、はいはい。

雲雀の横槍を無視するが、彼女は食い下がる。

(それで、結局私は新人類[ニュータイプ]で良いの?

 御主人様と判り合えて、トキが見えて、小型浮遊兵器を使えて、隕石落下をくい止めたりできるの?)

(それは無理じゃろ。幾らなんでも)www




予言は外れるのが当たり前。

それは地球で起きる事を予言した物ではないから……。

では、地球だけの予言って言うのはあるのだろうか?

地球という世界の未来を予知した……。


(だからさぁ、その意見を聞きに来たんでしょ?沖津さんは)

あ。

なんだ。

そうなの?


(それ以外に考えられる?

 御主人様は、頭ぷーあですね~)

うぅ……。




(はい、到着ぅ~、ただいま。シャワー借りるね~)

(……)

朝のランニングから2人が帰ってきた様だ。

思ったより早いな。

どこまで走っていたんだろう?


僕は感覚共有・入力する。

逃走を図ろうとしている伊織をシャワールームに連れて行く。

その後は食事だ。

(ま、待て、時雨。私は食事は既にっ!)

ん、判ってる。

でもキチンと朝は食事をしようね。

ゼリー飲料が御飯というのはは許可できない。

(し、しかし、栄養バランスが。

 これでは、栄養過多で全てのバランスが狂ってしまう!!)

じゃあ、明日からは一緒に御飯を食べようね?

栄養バランスについては僕も考えるから。


(そ、そんな破廉恥なっ!)

大丈夫。

そんなの気にしない。

気にならない。



もう今までで散々五十鈴さんにも痴態を見せ付けているんだから、気にしない、気にしない。

キスシーンとか、食事とか、睡眠時とか。


(あああああ……なんて恥……)



皇國代理天では、どれもが特別な意味を持つシーンだ。

地球で言う性交渉しているような感覚だ。

本当に嫌な世界法則[リアリティ]だな……。


(腹を切る。こんな恥をかいて生きていくぐらいなら……)



ばかーーーっ!!


感覚共有・入力。

伊織の右手で左頬をはたく。



伊織の、世界を裏切るという想いはたったそれだけで諦めれる物なのか!?


(あ……!)


たかが恥をかいただけで、死んで逃げようというのかっ!?



食事を、睡眠時を、キスを見られただけで、伊織は死を選ぶのか?

何故、もっと見せ付けようと思わない!?


(それは変態d)

しゃらっぷ!!!


伊織、君は君の覚悟を五十鈴さんに見せ付けてやるんだ。

(あの女に……?)

そうだ。

君は監視されている。

そうする事で、五十鈴さんは君を支配したいんだ。

伊織、君が打つ手は恥を怖れる事ではない!



(ーーー!!)


五十鈴さんに、いや、世界中の全ての人にいちゃラブを見せ付けてやるんだ!!

皆と一緒に食事を食べ、僕と一緒に寝て、たくさんキスしよう!!

恥ずかしいなんていっている暇はない!

腹を切る暇があったら、食事だ!!


(し、時雨……)


ほら、朝ご飯は御飯と卵と

……昨日、伊織ががっついていた焼肉だ!!


(ううぅ、すまなかった。

 私はまた考え違いをしていたようだ……)


大丈夫。

伊織は、僕とキスして五十鈴さんに言わせてやるんだ。

“さすが伊織!私にできない事を平然とやってのけるッ、そこにシビれる!あこがれるゥ!”って。


(ーーー!!)


「……」

(か、かっこいい……

 うん、そうだ!時雨の言う通りだ!)

伊織は納得したようだ。



(やる、時雨……!!)



伊織は



(見せつける!!)



新たな地平へと旅立つ決意を胸にした。






(あの子が露出狂になったらアンタのせいだからね、ヤシロ)


僕は、伊織を皆と一緒に食事をする様にキチンと説得をした。

家族団欒には必要不可欠なのだ。

食事時というのは。



(あー。それはあるかもね)

いえ、貴女がそれを言うと……。

雲雀が自宅で食事をする回数と、僕の家で食事をする回数は、ここ3年は僕の家で食事をする回数の方が多いんじゃ……?

何となくだけど、雲雀が自分の家族と上手くいってないのは判る。



(私の家族の事なんて、ドーでも良いから!

 あえて喋るんなら、未来の家族の事よ!)

はぁ、未来?


(ヴラド、ちゃんと3人分生んでよね?)

(は?……いや、ちょっと待て御主……妾は、その……)

珍しく歯切れが悪いヴラド。

まぁ、そりゃあ、ねぇ。


(あによ?1人しか生まないつもり?)

(いや、そのじゃな、妾は……)



助け舟を出すか。

ヴラドへ秘匿心話する。


女装山岳の例もあるから、きっと男の娘でも子供生めるよ!

(いやいや、無理じゃろぅ、お主様!?

 その、そう思ってくれるのは嬉しくはあるのじゃが……)



次は雲雀。


雲雀、僕、今晩から頑張るね!!

(ちょーっとまったぁっ!!順番は守ってよね。

 今日は私、明日は女狐、銀髪ロリはその後よ。

 ちなみに、セオリー通りなら日曜日は4Pよ!)


「え?休憩日じゃ……」

(必要なし!)

「ぼ、僕はそこまで絶倫zy」

(そんな男、価値なし!)

「!!」


判った!

そこまで言われた引き下がるわけには行かないっ!!


「明日から頑張る!!」

(へたれっ!)




そして僕達は朝ご飯を揃って食べる。


食卓には、僕、雲雀、伊織、ヴラドに加え、ドラコニーと沖津さんというゲストを迎えつつも玄米の入った御飯、赤出汁の味噌汁、玉子焼き、サラダ。

そして焼肉。

これでもかとばかりに、焼肉。



「朝から重いわね……」

「昨日の食材、まだ残っておったのかや……」

「今となってはドラコニーがいてくれて助かったよ」

「……」じゅる

「いや、旨そうですな」「がう」


手を合わせる。


「では」

「「「「「頂きます」」」」」「がう」


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