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世界の 法則が 乱れる!  作者: JR
第05話 桃源郷の誓い
66/169

ねんがんの ハーレムをてにいれたぞ!


「3人が好きです。選択できませんでした」

「最悪」と雲雀。

「それは契約可能?」と伊織。

「……ふぅ」とヴラド。

三者三様の反応だった。



「……」

「……」

「……」

「……」



「それで?」

「うん?」

「告白を返事して、ヤシロはどうするつもり?

 何をしたい?私達にアンタは何を望むの?」

睨むように雲雀が聞いてくる。


「うん……えぇと」

僕は告げる。


「雲雀、伊織、ヴラド……3人が好きです。

 つきあって下さい。

 いや、つきあって欲しい。

 僕はハーレムを作りたい、入って欲しい」



雲雀は苦虫を噛み潰した様な顔をしている。

伊織は、驚愕しているみたい。

ヴラドは、チャシャ猫の様にニマニマと笑っている。




ああ、やっぱり、微妙な雰囲気に……。






「ヤシロ……」はぁ

「はい」

「私の名前を最初に呼んでくれた事は、褒めてあげる……」

「あ、ありがと」

「だから……殴っていい?」

「ぼ、僕を好きで居続けて、ハーレムに入ってくれるなら……

 これから、い、いくらでも、いいけど……。

 こ、殺さないでね?」

いや、実際、雲雀が本気出したら僕の首なんてもげるんじゃない?

……ってぐらい、力があるよね。

「殺さないわよ。

 一緒にチート転生してくれないんなら意味ないじゃない」



雲雀の動きは早かった。

「だから、殴るのは止めといてあげる」

「あ、ありg」

伊織からひったくる様に、僕の顔を押さえ込んで、啄ばむように、唇を奪う。

「んんっ」

「その代わり、ワガママを聞いて貰うから。

 殴られた方がマシだったってぐらいの」

「あ、はいぃ。お手柔らかに……」


「あと、それともう1つ!!」

立ち上がってビシィッと僕を指さす。


「な、なんでしょう……」びくっ

「あとで、1人1人にもう一度キチンと好きだって言って。

 幾らなんでも、3人ひとまとめでやるのは最悪」

「え?」

「あによ?」

「あ、うん。判った」

「もう……」


実は、僕はもっと雲雀が大暴れするんじゃないかと思っていたんだけど……違ったみたいだ。

やっぱり僕は、雲雀の事を何も知らない。

もっと、もっと知りたいな。


「雲雀……僕は、雲雀が大好きだよ、何があっても。

 これだけは、変わらないから」

「な、何を言ってるのよ。

 か、変わらない愛より、匍匐前進する愛よ!」

匍匐前進(ほふくぜんしん)

 にじり寄る、這いよって急襲……確実に仕留める愛?」

「い、いいの!」

顔を真っ赤にして雲雀は台所に向かう。

花見の用意をするつもりだろう。


「あ、雲雀」

僕も唐突に1つ、用事を思い出す。

どうしても今、言わないといけない事。

「ん?」

「あ、あの」

「?」

「ご、御主人様と……呼んでくれると……う、嬉しいなぁ……って」


「……」


「……」


まずった!

このタイミングはダメだったか!

綺麗な碧玉の双眸が、だんだんと怖い目つきになる。

「ふぅん」

「う」

「では、ご主人様、僭越ながら、今しばらく、準備のお時間を下さいませ?」

「え?うん……」

「その間、御主人様におかれましては、犬の練習をするのが得策かと、愚考する次第です」

「は?イヌ?」

「先程、御主人様は自分用の首輪を御所望との事。

 さすが御主人様、アブノーマルなプレイがお好きですね?」

「エエッ!違うよ!!」


「あとで私と町内デートして下さいね?

 では、私はコレで」べー。


「ちょ、ちょっと待って、雲雀!

 調子に乗ったのは謝るよぅ!機嫌直して!」

僕は雲雀を追いける為に、立ち上g

キュッ

首を絞められる。

「うぇ?」

僕は、首を絞めている張本人、伊織を見る。





「時雨」

伊織が、僕を呼ぶ。

今、伊織の手は、僕の首まで伸ばされ、咽喉元を絞めている。

今の僕の生命線だ。

伊織が居ないと喋る事ができず、他人と話すのには、ノートPCが必要になる。


「は、はい」

雲雀を追うのを諦め、返事を返す。





「時雨の返事、承った。

 私が告白したのは、雲雀の後。

 だから、順番には、納得できる」

「あ、うん」

「妻妾同衾とか、一夫多妻という言葉があるから、その様な文化はあるだろうとは思っていた。

 実際、優秀な遺伝子を囲うと言う考え方は、理に適っている。

 自然の摂理だ」

「は、はぁ」

相変わらずエキセントリックな考えだ。

それとも、これが皇國代理天の常識なのか。

……皇國代理天の世界法則[リアリティ]からすると、やっぱり“常識”なんだろうなぁ。


「結婚と言う制度についても、ある程度は把握している。

 優秀な遺伝子を独り占めしたいという女の欲だ」

「え~と……」


「皇國代理天の様に、遺伝子売買を直接禁止した法律が無いので、制度としては稚拙だ。

 だが、1人の女が1人の男の遺伝子を独占所得する事を容認し、自由に売買する事で遺伝子市場の活性化を狙っているのは評価に値する」

「……」


「それに対し、男は複数の人物と関係を持とうとする。

 優秀な遺伝子は高値で取引できるからな。

 当然、複数に売りたいだろう」

「……」

「自身の遺伝子に対し、複数譲渡をしても許可されるという自信……

 時雨が、自らの価値を見出した事は素直に嬉しい。

 いつも笑って誤魔化すから……」

「……」




いや、何も言うまい。


いつに無く饒舌な伊織。

気が高ぶっている証拠だ。



「今度の事で、私は契約の重要性を再認識した」

「え、と、その節は、真に申し訳なく……」

「だから、雲雀と話した」

「?」


「2人の内、どちらを時雨が選んでも恨まない」

「……」

「懲りずに、諦めずに、堕とす努力をする」

「は?」

「時雨がハーレムを作ると言うなら、構わない。

 それだけの遺伝子的価値がある事も理解している」

「え?いい……の?

 そんな、あっさり……」


「雲雀の3番目の予想があたった。それだけの事。

 ……私は恋人のままでいいのか?」

「うん。僕の方からお願い」

「それは、妻の座を狙わないと言う、敗北宣言ではないぞ?

 下克上は世の常だ」

「あ、はい」



「ならば、誓約する。

 戸隠伊織は、八代時雨が私を恋人として扱う限り、裏切らない。

 八代時雨のハーレムメンバーを除く人物への浮気は裏切りとみなす。

 この誓約を裏切った場合の報復は、双方とも復讐を行う」


緊張の為、ごくっと咽喉がなった。



「……この誓約、受けるか?」

「もちろん」


「判った」

伊織が、僕の首から手を離すと、声が出す事ができなくなった。


「ならば、これをもって誓約完了とする」

伊織は、僕の眼鏡を外し、明後日の方向に向けると、覆い被さってくる。


少し震えているけど、僕の唇に自分の唇を重ねてきた。

今度のキスは毒は塗ってなかった。

ほのかな甘い香りがする。

「んっ」

唇を割り、舌を入れてくる。

僕は、舌を受け入れ、唾液をすすると、伊織の舌は別の生物の様に、熱く僕の舌を求めてくる。

いつもの無表情さを覆す情熱を秘めた、扇情的な口付け。

蠱惑的にチロチロと舌を動かし、僕の口の中を蹂躙しつくすと、唐突に身体を離す。





そうして、頬を染め、火照った身体をもてあまし気味に、伊織は、部屋を出て行った。

首輪を作りにいったのだろう。

「後で、雲雀味のしないチューを貰う」と宣言して。




い、いつの間に、あんな口付けを?


いや、もしかしたら皇國代理天の毒娘の研修にあるのだろうか?

情熱的なキスの仕方とか。


も、もしかして、誰かが実地で!?

まさか、108!?

あいつ、ゆるせn


(いやいや、お主様、あれはお主様の口付けじゃろう?)


え?

あれ?

どこかで教えたっけ?

(見て覚えたのじゃな。

 学習能力が高いのも、あの女子の特徴じゃのぅ)




「上手くまとまった様じゃな」

少し愁いを秘めた顔つきでヴラドが、話しかけてくる。

どうしたんだろう、ヴラド。

やっぱり元気が無い……。


「実はの、お主様が寝ている間に、雲雀より八代家のあらましを聞いたのじゃ」

む。

なんで、雲雀が知ってるんだろう。

僕も知らないのに……!


「それは、判らんのぅ。

 ただ、お主様の祖父は、雲雀を気にかけておったようじゃな」

あ、まさか、ジーちゃん。

僕から雲雀を奪おうなんて考えてるんじゃ……。

「いや、それはなかろう」


ジーちゃんなら、ありうる!

「……」





「のう、お主様」

ん?


「お主様は、本気で妾をハーレムの一員に加えるつもりかや?」

ええ~?だ、ダメ?

それは、ショックだ。


ヴラドが後押ししてくれたから……

最初に、ヴラドが乗り気になってくれたから、気持ちを楽にして告白できたんだけど。


しかも、ヴラド、自分で2人を堕とせって僕に言ったのにぃ。

はぁ~、ここで最難関かぁ。


うう、仕方ない。

ヴラド、どうすれば、三股でも付き合ってくれる?

いや……僕と契約して愛人になってよ!

「ハーレムに入らない……、そういう意味で言ったワケではないんじゃ……」

「?」

「妾はまだ、男でも女でもない、中途半端な身体、まだ子供じゃ。

 2人に比べ、その、いささか見劣りするじゃろう?

 器量と寝屋での睦言ならば負けはせぬのじゃが……」

そんな事は無いと思うよ?

だいたい、ヴラドの匂いを嗅いだだけで……くんくん。

あ、今回はバニラじゃないね。

柔らかないい匂い……何だろう?

「ん?んむ……セリッサという小さくて白い花じゃ」


やっぱり覇気が無い。

僕はヴラドの元に行くと、抱きしめる。



どうしたの?

珍しく、元気が無いし……。

僕の告白と関係ある?


「いや、別件じゃ……しかし、お主様、妾は服を着るべきと思うんじゃが……」

「?」

ヴラドは、僕のそそり立ったままの物を根元から上へと、愛しそうにそっと撫でる。


わわっ。

少し調子が出てきたか?

立ったまま抱き合ってるのは疲れるので、ベッドに座ってヴラドを後ろから抱きしめる。


耳を甘噛みしながら、僕は伊織や雲雀と同じ様に、ヴラドにも訊ねる。


一応、ヴラドからも返事を聞きたいんだけど。

ハーレムに入って欲しい。

僕の愛人になって?


「1つだけ条件じゃ」

うん。


「必ず、平等に見える様に愛すのじゃ」

見える様に?


「お主様に求められるのは、妾達3人を平等に愛する事。

 同時に、妾達1人1人の“私だけは特別”という優越感を満たす事じゃ」

えっと……

平等に愛して、1人1人を特別に扱う?

矛盾してない?


「ふふ、それができぬのなら、ハーレムは長引かんぞ。

 お主様には、金も無ければ権力も無い。

 ついでに、女を惹きつける魅力もないし、話術も無い」

うわぁ、駄目出しですか。

でも、まぁ、やれる事はやるつもりなんだ。

えぇと……。


……。

ああ、そういう事ね。


平等に見える様に愛して、それぞれを特別に扱うよ。




「ふふ、ならば、お主様、妾も皆と同じ様に()でてもらおうかや?」

ヴラドは、振り返り、首に腕を回す。

舌を出してきたので、絡める。


特別に扱う……かぁ。

身体が臨戦態勢に入ってしまっているが、これから一戦は、流石に拙い。

雲雀や伊織が……と考えた所で、ヴラドの表情が険しくなっているのに気づく。

そうだ。

またやってしまうところでした。

はい、今はヴラド以外の女性の事は考えません。

ヴラドの事だけに集中します。


伊織と雲雀は口付けだけだったけど、ヴラドは……。

僕はヴラドと、特別をする事にした。

拙いけど、構うもんか。

いや、実際、もう我慢が聴きそうに無い状況でもあったんだけど。


キスしたまま、押し倒す。

首筋を舐め、服を脱がし、胸の突起物を甘噛みする。

ヴラドは既に出来上がっていた。

前戯なんてまどろっこしいとばかりに、そのまま入れようとして、部屋の隅に、良い物があったので使う事にする。

僕は、部屋の隅にいた赤スライムの一部を千切ると、ローション代わりに塗りたくり、ヴラドの中に入る。

声を漏らさせない為に、深くキスをする。


そういえば、お尻が溶けちゃうかなと思ったけど、赤スライムはヴラドの従属魔だから、攻撃が効かないらしい。

便利な物だ。スライムって。



ねぇ、ヴラド。

ヴラドは、僕と出合った時に言ってくれたよね。

(なにをじゃ?)

愚痴や弱音をヴラドに言えって。

だから、僕も、愚痴や弱音、悲しみや苦しみを分けて欲しいよ。

力になりたいんだ。

今、僕に何かできる事はある?ヴラド。


(ならば、お主様……愛しの君、今は何も考えずに妾を抱いて欲しいのじゃ。

 強く、荒々しく、今はそれだけで良いのじゃ)


……。

忘れたい事、考えたくない事があるんだね?

(そうじゃ、後生じゃ。

 今は妾を高ぶらせてくれぬかや?)

本当はヴラドの顔を見ながら、抱き合いたかったけど、僕は、後ろから覆い被さり、いつも以上に自分勝手に動く。

ヴラドの不安を、今、この瞬間だけ打ち消す為に。

ヴラドの弱い所は、何処かはもう判っているので、其処だけを重点的に攻め落とす。


ヴラドと僕が達するのにそう時間はかからなかった。





荒々しく息を吐く。

室内には、行為の後の残り香が漂い、未だ熱気から醒めない僕は、ヴラドに軽いキスをする。

気だるい余韻に浸りながら、僕はヴラドにした行為の後始末をしていた。


ウェットティッシュを数枚取って、ヴラドの肌についた体液を拭いていく。


……。


あ。

もしかして、雲雀が言っていた“時雨の部屋で捨ててあったティッシュペーパーの数だけ、ヤッていいよ、23回”ってコレの事か!?

僕の部屋でゴミ箱を漁る程の、雲雀の好意にゾッとした。

もしかしてストーk、いや、よそう。

嫉妬されてんだ。ここは喜ぶべきだ。

はぁぁぁ~。





「のぅ、お主様……」

ヴラドが少し躊躇いがちに話しかけてくる。


「妾には目的がある」

うん。

知ってる。

多分……復讐?

「気づいていたのかや……」

何となくだけど。




「妾の目的、いや、存在理由じゃな……は守護と復讐じゃ」

「……」

「守護は、ラパ・ヌイの侵略から故郷イプセプスを守る事じゃ。

 復讐は……復讐の相手はイプセプスのスルターン。

 名前をヴォータンと言ってのぅ、あらゆる魔術を極めた……我が最愛の主だった人物じゃ」


ああ、やっぱり。

以前、性魔術【恋人達の抱擁】で、ヴラドの感情が流れ込んで来た事があった。

その時に僕は、質問したかった事がある。

ヴラドのたった一人の人物に対する、複雑な思い。

絶望、依存、愛情、憎悪、それらが渾然一体となったマグマのように熱いドロッとした感情……。



既に存在意義とまで言ってしまう程の復讐の念……僕は、その人に勝たないといけない。

本当の意味で、ヴラドに僕の方を振り向いてもらうには、スルターン、いや、ヴォータンの事を払拭してもらわないといけない。



僕の提案した“ハーレムしたい!!”は、皆が、とりあえず受け入れてくれた。


皆は僕に好意を持ってくれている。

歪な想いを内包したまま、だけど。



例え、雲雀の想いが、依存や執着に近いものでも。


例え、伊織の想いが、勘違いから発生したものでも。


例え、ヴラドの想いが、別の人に向けられていたとしても。



僕は、雲雀、伊織、ヴラドの3人が好きだ。

3人と一緒に居たい。

それが、子供じみた感情でも、友達のいない寂しさからでた暴走でも、皆と一緒に居る為なら、何でもやってみせる。



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