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世界の 法則が 乱れる!  作者: JR
第04話 スマイル0円、タダほど高いモノは無い
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ゆっくりしていってね!!!

「あ、あの……」


坂崎さんに声をかける。


「何だね?」

眼鏡のズレを直しながら、ぞんざいに僕を見返す。

既知外に口を出されたのが、心外だ、という顔だ。


やさしさに侮蔑を入れて僕に話しかけてくる。

「何か、打開策があるとでも?」にっこり

「え?あ、はい」


「失礼だが、遺伝子的に見て劣等種な君ごとk」

「いえ、ですから」

「良いかね?

 君達、劣等遺伝子は優良遺伝子である我々、オリジナルの指示を受けて初めて機能するのだよ」

うわぁ、聞いてくれない。



らちがあかない。

五十鈴さんに話しかける。

「ココに来る前に言っていた方法をお願いします」

「ああ、飲血の事ね?」


…………。


……。


はて?

インケツってなんだろう?


いやいや。

どうも所々で、記憶に霞がかかったかの様に、おかしくなる所があるなぁ。

多分、皇國代理天の世界法則[リアリティ]のせいだと思うけど……。


まぁ、いいや。

今は、イイケツの事を考えよう。


安産型ってぽっちゃりとは違うのかな?

月見里さんのみたいなのかな?


戸隠さんは、結構しなやかな感じだった。

引き締まってる感じだ。


ヴラドは……うん、まぁ、ショウガナイヨネ。

あー、でも、肌の白さとあいまって、結構、蠱惑的な感じもする。


ん?

ああ!!いい尻でなくて、淫尻!

エロイほうか!


「良く判りませんが、淫尻で」

五十鈴さんの臀部を見ながら言う。


「おい」

「は、はひっ」

108さんに呼ばれた。


何だろう。

108さんが僕を睨んでいる、いや、哀れんでいる?

僕は空気を読んだ。

大丈夫か?こいつって思っている。


うう。


「あ、あの、な、何か?」


「用意は出来てるぞ。

 お前がワケの判らない医療方法を行うというので、さっきまで調整をしていたんだ」

「君が?」

「ああ……では、主任、これから案内してきます」

「よろしくね」

「はい」




108さんが、そう言って部屋を出ようとした時、坂崎さんが話しかけてきた。


「ああ、ミュータント、一応、契約書は書いてもらうようにな」

「……」

「聞こえなかったか?ミュータント」

「……俺は、108だ」

「そうかい、で、ミュータント、返事は?」

「……」


プシュッと音がして、扉がスライドする。

「……こっちだ。案内する」

108さんはシカトを決め込むと、その場を出て行く。


「あ、うん、ありがとう」

僕は、108さんの後ろに着いて別室へと赴く。




「部屋は隣だが、やってもらうことがある」

「なに?」

「契約書にサインと捺印、血判、網膜登録をしてもらわなければならない」

うわぁ。またか。

「コレを呼んでくれ」

歩きながら、108さんは、僕にこれから行う医療方法についての説明と、受ける為に必要な書類についての説明を話してくる。



「方法は、被験者、甲に対して……」

事務的に108さんが説明する。

内容は、僕に輸血しつつ、ヴラドに僕の血を飲ませる。

同時に僕の耳にバイオチップ作成の為のナノマシン投与と、胃の中の洗浄、要するに寄生虫駆除。

採血用チューブを僕の腕に刺して、僕は別の再生槽に入る。

問題はヴラドだった。

当初の予定と違って、食堂や喉が炭化している事が判明。

そこで、直接、胃にチュ−ブを入れ、血液を送る事となった。

それらの医療行為について、不都合が起きても、企業は全く関与しないという契約内容だ。



「お前達は企業に属していないので、本来なら、検査すら受けられない」

「はい」

「それを、主任がビジネスパートナーとしてお前を登録、ヴラド君は主任の非人として扱う事にして、検査や契約などの書類をパスしている」

「……」

あー。

それで、関係者じゃないのに、企業の病院を使わせてもらえてるんだ。

色々と面倒くさい書類があるんだなぁ。

というか、もしかして僕と五十鈴さんが、契約の会話している間に108さんがやっていたのか?

何となく秘書っぽいし。



僕は、108さんに案内された別室で、契約書にサインし、親指に針を刺して血判し、印鑑を押す。

その後、網膜データを登録し、契約内容に合意した事になる。

「これで、良いかい?」

「ああ、こっちが控だ」


「これで、お前の分は終了だ」

何気に、108さんは口調がぞんざいだ。


「更に、地球の世界法則[リアリティ]だと、ヴラド君の許可も要るらしいと聞いたが……?」

「あー。そうかもしれません。

 ぷらいばし、だったかジンケンだったか忘れましたけど」

「こちらの同意書という契約書にサインと血判、網膜登録してくれ」

「はい」


再び、同じ様な内容の書類に目を通す。

先程との違いは、ヴラドに関する責任を僕が持つと言う事だ。



先程と同じ様に、登録を完了する。

「では、確かに」

慇懃に控を渡してくる。



しかし、やっぱり、戸隠さんにそっくりだなぁ。

内面的には、全然、似て無さそうだけど、外見上はそっくりだ。


僕が108さんの顔を見てると

「何だ?」

不機嫌そうに聞いてくる。



「あ、えーと、108(イチマルハチ)さんで良いんだよね」

「そうだ」

「伊織とは、クローン同士って聞いたけど、幼馴染みたいn」

108の目付きが鋭くなる。


がっ

胸倉をつかまれて、持ち上げられる。



「今、なんて言った!?」

「???」


な、何なんだ?

いったい。


「伊織だと!?ふざけるなっ!!

 その名前は、俺だけが呼んで良いんだ!」

は、はいぃ?


更に壁に押し付けられる。

「異世界の未開人風情が俺達、皇國代理天の諜報員を出し抜こうなんて早いんだよ!!」

ごっ


腹に拳を入れられる。

ぐふっ


「な、なんで……?」

「五月蝿い未開人だ」

口の中に布を詰め込まれ、金的膝蹴り。

星が舞う。


「なに、これから、再生槽に入るんだ。

 怪我ぐらい、すぐに治してやるさ。

 ゆっくりしていけよ」


脳内で「ゆっくりしていってね!!!」なんて思っている間に、僕の身体は更なるピンチに見舞われていた。


中指を上に、人差し指と薬指を下に間にペンを通して、壁に叩きつける。

左手の指の骨を折られた。

口が塞がれているから、悲鳴も上げれない。


「自分の体質管理もできない、出来損ないめっ!」

目に狂気を宿し、108は僕をサンドバックの様に扱った。



ヴラドに治療してもらった肩の傷口が開く。

そこめがけて108は拳で殴打する。

いつの間にか、右手はメリケンサックの様な物も持っており、殴られるたびに鮮血が舞う。



何だ?

なぜ、こいつは、いきなり僕に殴りかかってきたんだ?

初対面の人に悪感情を持たれるのは、良くある話だけど、ココまで露骨に憎悪や殺意を感じさせる人はいなかった。


「もごもご」

何故?どうして?と言いたいのだが、口に入れられた布が邪魔だ。


右足が変な方向に曲がっている。

鞘付きの忍者刀は痛いです。


「ははははっ!お前みたいな奴が、伊織と呼ぶだと!?

 ふざけるなよ、くそがっ!!」

狂気の笑みを顔に張り付かせ、僕を殴り続ける。


ん?名前で呼んだのが原因か?

だけど、本名は、えーと、確か、第7種乙型特殊工作兵00106だって前に言っていた。

伊織は、ある人物につけられたコードネームだって……。

ん?

もしかして、108がつけたのかな?


…………。


……。


だったら、嫌だな。


こんな奴に……。


「なに、睨んでるんだ?」


更に、腹を忍者刀の柄で突かれる。


ごふっ

血を吹いた。


くそっ


僕は、忍者刀の柄を掴もうと、必死で無事な右手を動かす。


……。


あと少し。



忍者刀の柄を掴む。

ぐっ


よし、掴んだ!




その瞬間、108が笑った。

「かかったな、馬鹿が」


「んん――――――!!」


バジバジバジッ


身体中を、電撃が走る。

スタンガンの比ではない。


「お前みたいな、泥棒用に対策してあるのさ!」




一瞬の嵐が過ぎ去った時、僕は失禁していた。


「まだ、眠るには早いぜ」



足に力が入らない。

108は、立っていられなくなり、屑折れている僕の髪の毛を掴む。



「2度と、伊織と呼べない様にしてやる!」



最後に床に向けて、僕の顔面を叩きつける。



ぶしゃっ

辺り一面にと血が吹き出る。



あれ?

この光景……、どこかで。


ああ、そうだ。

今日、ヴラドとのデート中で……。


僕が気を失う寸前に、108は何か耳元で囁いたが、既に聞いていられる状態じゃなかった。



そして、僕の意識は闇に落ちる。



眠りへと誘われる。



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