「自爆乙wwwぷげらwww」m9(^Д^)
「我々、皇國代理天の侵略目的、それは、我々と貴方がたに、富と繁栄をもたらす事です」
「え?」
「経済活動による社会の活性化、
ひいては市場の拡大に伴う投資活動……
すなわち、ビジネスです」
「は?」
ビジネス?
いや、富と繁栄は判るけど……。
「我々は、侵略ではなく、お互いの利益になる為の、貿易を望んでいるのです」
「えーと、ちょっと待って下さい」
「はい」
待て待て、これは本当なのか?
嘘である可能性が高いぞ。
しかし、仮に目的が真実だとしたら、長期的に見て侵略よりも莫大な富を築けるのも確かだ。
ふぅむ。
「皇國代理天の世界法則[リアリティ]と、地球の世界法則[リアリティ]では、貿易ができるとは思えませんが?」
「そんな事はありませんよ」
「では、どうやって世界法則[リアリティ]による、物体の変質を起こさせない様にしているんですか?」
「企業秘密です」
「あー。やっぱりそうでしたか……」
秘密も何も、ビジネスは建前か……。
「ふふっ」
「?」
「嘘ですよ」
「は?」
「秘密も何も、起きる物は取り扱わないだけですよ。簡単な話です。」
あ、
ああー、そうか。
そういう事ね。
「我々の製品は、どの世界法則[リアリティ]で受け入れられるか、入念な下調べと、独自の規格に沿って製造されます」
「はぁ」
「古代の地球にも、その様な異世界との接触があったようですね」
「えっ!?」
「私達が、独自に調査した結果ですが、異世界の世界法則[リアリティ]でもたらされた物が、数多く存在します」
「た、例えば?」
「コスタリカの石球や、バグダッド電池、始皇帝のクロムメッキの剣と呼ばれる物などがそうですね」
あー。
幾つか聞いた事があるのが混じってる……。
これは、えーと、あれだ、○○○○だな……武居に聞いた方が早い話だ。
「えーと、友人で武居というのがいるんですが、確かお知り合いでしたよね?」
「ええ、よく私の占いを聞きに来る、新田の友達の子でしょう?」
占いって……。
あいつも好きだなぁ。
「武居が、そう言った事に詳しいので、今度聞いてみては?
何でしたっけ……えーと」
「オーパーツ?オカルト?オイランドーチュ−?」
「いえ、花魁道中じゃなくてですね」
「ふふ、地球では、オーパーツと呼ばれる事の多い物品ですね」
「知っているなら、教えてくださいよ。ド忘れしていたんですから」
「私も、元々は武居君から聞いた話なので……」
「でも、よく地球の世界法則[リアリティ]が、そんな場違いな物を認めましたね」
「我々から見ると、地球の世界法則[リアリティ]は、かなり変わっています。
寛容な面と容赦ない面の、2面性を持っています」
「はぁ」
「ただ、たまたま、我々には、非常に寛容な世界法則[リアリティ]だった。
それは、受け皿が広すぎると言っても過言ではないほどの……。
だからこそ、貿易を望んでいるのです」
さて、今言っている、この言葉は真実だろうか?
戸隠さんに聞ければ良いのだが、その前に契約する事になるから、この言葉が真実かどうかだけでも見極めないと。
実際、嘘は無さそうだけど、簡単に信用するわけにはいかない。
暗殺や裏切りが日常茶飯事な、この世界で、上に這い上がっている人物だ。
それなりの修羅場をくぐり、陰謀を企て、上司を裏切り、手を汚してきているんだ。
一筋縄でいくはずがない。
「貿易……ですか」
「はい」
「それは、例えば、物ではなく、知識みたいな物も含まれますか?」
「はい。実際、私の部下で経営コンサルタントとして名を売り、侵略している者もいますよ?」くすくす
「その、戸隠さんも、そうなんですか?」
「106は違います。
彼女の仕事は、地球の言葉を、我々の言葉に変換する翻訳機の作成です」
これは、戸隠さんが言っていた事と一致する。
「翻訳機の作成……。
例えば、その翻訳機を売り出したら、電子辞書などを軒並み世代遅れにする力があります。
それは、技術的な侵略と見て良いのでは?」
「そうですね。その通りです……
が、これは売り出すつもりはありません」
「何故です?
翻訳機から、自分達の言語データを消去して売り出せば、地球人は、貴女がたの言語を知らないままです。
秘匿性は変わりませんよ?」
「理由として、地球の世界法則[リアリティ]では、我々のテクノロジーが機能しない場合がある事」
「……」
「次に、翻訳機が機能したとして、売り出した場合、ブレイクスルーが起こるのは確実です」
「はい。それによる独占も可能だと思いますが?」
「いえ、地球の世界法則[リアリティ]は、その結果として、ブレイクスルーを容認します。
結果として、地球の企業も、我々と同じ物を作る事ができる様になります」
「健全ですね」
「表面上は」
「?」
「今、時雨君が言ったではありませんか。
技術的な侵略……と」
「あ」
「最終的には、地球は我々の技術全てを受け入れるでしょう。
そして、地球の世界法則[リアリティ] は、皇國代理天の世界法則[リアリティ]に、いつの間にか変わっているんです」
確かに、侵略方法はどのような形であれ、最終的には、世界法則[リアリティ]を塗り替えてしまえば良いのだから、可能性としてはありそうな話だ。
相手の良い所を、ドンドン取り入れても、結局は相手と同化するという事か……。
まだ色々と聞いておきたい事があるが、ここは一旦引いておく。
「判りました。
侵略と言ったのを取り消させて下さい。
僕の認識不足だったようです」
「いえ、話し合う事が重要なのです。
話を戻しても構いませんか?」
「どうぞ」
うーん。
やっぱり、僕は聞き下手、話下手な人間だなぁ……。
「疑問は払拭された様ですので、話を戻しますが」
「はい」
「間借りという話でしたが、部屋を貸して頂けるという話で構いませんか?」
「はい。構いません」
さて、ここからが問題だ。
少し探りを入れる事にしよう。
「部屋はお貸ししますし、恥ずかしながら、朝食と夕食は用意します。
それで構いませんか?」
「えっ?食事っ!?」
あ、戸隠さんと同じ反応だ。
言っている僕自身も顔が紅潮しているのが判る。
まぁ、皇國代理天では普通の反応なんだが、地球とは、こういった微妙な所で、違和感を感じるのも事実だ。
「はい、腕前でしたら、御心配なく。
栄養に関しても、偏るような事はないと思います」かぁっ
皇國代理天の世界法則[リアリティ]の影響だろう。
言っている事は、地球では普通の事なのに、赤面するほど恥ずかしくて堪らない。
じゅ、熟女と密室で、はぁはぁしてるっ!
そんな感じ。
うわぁ、セクハラで訴えられそう。
セクハラってナンだっけ……?
「あ、あの時雨君……」
「は、はい、何ですか?」
「その……106は、えと、一昨日、食事をしていったの?」
「一昨日も食事に誘ったのですが、用意してあるからと断られてしまって……」
「そ、そうですか……」ほっ
今の反応は、明らかに僕と伊織が恋人同士だと判っていない反応だ。
戸隠さんが、上手く騙せているという事だろうか?
それとも、五十鈴さんのフェイクだろうか?
「しょ、食事と家賃に関しては、申し訳ありませんが、当人同士でお願いします」
「判りました」
じっと五十鈴さんは、僕を見詰める。
「え、と、何か変なことを言いましたか?」
「いえ、時雨君が体現者[ビジネスマン]のように思えたので……」
「あはは、残念ながら、違います。
そうであって欲しいとは思うんですが……」
「そうですね。世界法則体現者は生まれ持った才能ですからね……
コレばっかりは何ともならないでしょう」
あー。
そうなのか、体現者[シュトゥルム]は生まれつきか……。
「地球で出会った体現者[ビジネスマン]は、秋霖殿や、氷雨さん、夕立さんといった、地球の守護者[ガーディアン]の方々ばかりだったのですが……
地球生粋の世界法則体現者はいないのでしょうか?」
「えらく狭い範囲ですね?」
今、言ったのは、祖父に祖母に母の名前だ。
「ええ、お恥ずかしい限りです」
「そんなにお仕事が忙しいのですか?
えーと、ガクセイの身で言うのもなんですが、頑張って下さい。
新田も、探偵になりたがっているようですし」
「ふふ、善処しますね?」
うぅむ。
聞きたい事ができてしまったが、これは祖父に聞くべきだろう。
うん。
なんで、ココで八代家の人々の名が出るのか。
だいだい、地球の守護者[ガーディアン]って何だよ。
祖父は、何を隠しているんだろう?
地球生粋の世界法則体現者がいないって、どういう意味だろう……。
後できっちりと話し合わないと……。
「部屋を貸して頂けるという、その上での契約ですが、宜しいですか?」
「え?あ、はい、そうでしたね」
そうだ。
素で忘れていた。
ヴラドを助ける為に、何かも判らない契約をしてしまったんだっけ?
大丈夫だ。まだ口頭だけだ。
ヴラドを人質に取られているとはいえ、まだ挽回のしようはある。
「プライバシー?を取られるんでしたっけ」
とても重要な物だったとは覚えているんだけど……なんだったっけ?
「取ると言うわけではありません」
「?」
「貴方の身体を使用して、戸隠伊織の監視を行いたいのです。
具体的には、頭部の内耳の蝸牛に各1箇所ずつ、及び、脳内の視交叉1箇所の計3箇所にバイオチップを埋め込ませてもらいます」
「は?」
なにそれこわい。
「このバイオチップにより、八代時雨君が見聞した物を、我々も知る事ができます」
「なんで?」
「戸隠伊織の裏切りを未然に防ぐ為です」
「え?」
うわ。
行動を読まれているぞ、戸隠さん……っと、まずい、顔に出さないようにしないと。
いや、それよりも
「バイオチップを、埋め込む……のは判りましたが、僕は四六時中、彼女と居る訳ではありませんよ?」
「構いません。我々の計算では、106単体での裏切りは発生しないと見ています」
「はぁ」
「106が接触した人物の内、最も高い確率で裏切りを決意するのが貴方、八代時雨君なのです」
「それは、また……えらく買い被られましたね」
「簡単です。貴方の過去を洗う事が、出来なかった事から発生する興味です」
「えっと……僕にその様な、凄い過去があるとは思えませんが?」
「問題はそこではありません。
地球の守護者[ガーディアン]の存在を教えておかなかった、私の落ち度です」
「?」
うわぁ、こう何度も出て来ると、き、聞きたいっ!!
地球の守護者[ガーディアン]って何?
八代家と何の関係があるの?
くぅううう。
……。
仕方ない。
落ち着け、僕。
すぅ。
はぁ。
深呼吸1回。
「少々、纏めさせて下さい。
戸隠さんの裏切りを未然に知る為に、僕の脳内にバイオチップを埋め込む、と言う事で良いですか?」
「はい。もちろん、特定条件下以外で、これによって得た情報を開示する事はありませんし、それ以外に使う事もありません」
「特定条件下とは……?」
「106の裏切りが発覚した場合と、時雨君本人に何らかの不都合が起き、緊急的措置をとる必要がある場合、です」
言っている事はマトモだけど……
要は、ヴラドを助ける為に、戸隠さんを売れということか……。
ヴラドを助けて、戸隠さんを売らない方法を、捻り出さないといけない。
視覚と聴覚を敵に取られたような物だが、問題はこの技術、地球の世界法則[リアリティ]で動くのか?
「バイオチップの埋め込みの話は判りました。
地球の世界法則[リアリティ]で技術的に可能なんですか?」
「ある程度は」
ある程度……?
「えーと、要は、僕の身体は大丈夫なんでしょうね?」
「正直に言いますと、難しいでしょう。
この計画は、貴方が体現者[ビジネスマン]である事を、前提としていましたので……」
「じゃあ……」
「内耳の方についての問題はありませんが、視交叉の方ですね。
そこで、時雨君には、バイオチップの代わりに、眼鏡に映像記録用の機器を埋め込みます」
「……判りました」
流石に用意周到というか、2重3重に考えているなぁ。
しかし、この状況は、かなり拙い。
戸隠さんと本音トークが、できない。
いや、それより、
イチャイチャできない。
ラブラブできない。
ニャンニャンできない。
拙い。
何としても防ぎたい。
いや、少し冷静になれ。
「それでは、次に質問ですが、僕がこの事を戸隠さんに伝えた場合の罰則はどうなるのですか?」
「それは、鎌いません。
丁度良い牽制となります」
牽制……。
まぁ、裏切りをさせない為に埋め込むなら、その理屈はあっているが……。
む。
これは、あれか……。
戸隠さんの裏切りを防ぎ、その上で、僕からも色々と情報を得る事が出来るという一石二鳥な話か。
ヴラドのダメージが、どれほどの物か、判らない……。
契約をしていない以上、医療行為は、まだ行っていないだろう。
時間も限られているわけだ。
コレを断った場合、ヴラドは放置。
僕自身は、契約違反となる。
とはいえ、違約条項を決めていないので、実害は無い……。
だが、ヴラドを助ける為にも、現状では、断れないのが痛いな。
少しづつだが穴を開けていくか。
「では、最初の戸隠さんの裏切りに関する事を決めたいのですが……」
「?」
「どのような状態を持って、戸隠さんが企業に対する裏切りをしたと、判断するのかを決定しましょう。
それによって扱う情報が変わります」
五十鈴さんが、僕を面白そうに眺めている。
「判りました。そうですね……
106がはっきりと裏切りに関する口上を述べた時、
故意に企業にダメージを与える行動をとった時、
私の出した命令に従わなかった時、の3つでどうですか?」
「……」
引っかかる箇所は1つ。
「その命令には、戸隠さん自身と僕、及び、僕の家族、恋人、友人を害する命令の時は従わなくても良い、という条項を入れて下さい」
「友人の範囲が広すぎます」
「判りました、では、僕が友人と称して、右手で握手した人物を友人とします」
「広すぎます。30名までに留めてください」
「30名ですか……リストを作成します。変動30名で」
「変動ですか……判りました。
そのリスト内に書かれた人物を標的とした、実害を伴う命令は行わない。
リストの変動は、1日1回、12時前後1時間内に更新という事で、どうですか?」
「……友人のみ、ですか?」
「いえ、リストに書かれた人のみです。
恋人や家族の名前、キチンと書いて下さいね?」
「……判りました」
ココは引き下がろう。
まぁ、30人も友達なんていないから良いけどね。
「では、次に期間を決めましょう」
僕は五十鈴さんに提案をしたが
「バイオチップは、100年ぐらいは、作動できますよ?
保証書をつけましょうか?要ります?」
簡単に返される。
「……」
「……」
抵抗を試みる。
「流石に一生というのは、交渉として成り立ちません」
「ふふっ、そうですね」
五十鈴さんは、ちょっと考え込むと、
「判りました。では明日より1096日間、丁度3年間の契約でどうでしょう?」
「ヴラドの緊急治療の金額が、そんなに高価とは思えないのですが?」
「緊急と言う事に、意味があると思います」
五十鈴さんに言い返される。
結構、強気だ。
「ですが、それでも地球における“ぷらいばし”の値段と、皇國代理天の緊急治療の値段が、釣り合うとは思えません」
「ふむ、そうですか……」
僕の方から、代案を出す。
「明日から半年、185日でどうでしょう?」
「それでは、監視の意味がないですし……判りました、1年、365日で」
「……」
「……」
「……」ふぅ
ここは、1年にオマケつきで手を打っておこうか。
「判りました。では1年と、1ヶ月毎に50万円の報酬を頂きたいのですが?」
「む……」
少し悩む五十鈴さん。
だが、反論はさせない。
五十鈴さんの狙いは判っているぞと釘を刺す意味も込めて、あえて言う。
「戸隠さんの情報以外にも、僕の情報が得られるのです。
安い物だと思いますが?」
「……」
しばしの逡巡の後、
「そうですね……判りました。
その条件を飲むとしましょう」
おお?通ったぞ。
というか、僕の情報にそこまで価値を見出せる物があるんだ……何だろう?
ラパ・ヌイの事を知っているとは思えないし……
地球の守護者[ガーディアン]の事だろうか?
それとも、通った事自体をブラフとして、より効率的な関係に発展させる、という手法もありか……。
だが、まさか、通るとは思わなかった。
実は、少し驚いたのは、この条件が、五十鈴さんにとって、交渉上、必要のない物だからだ。
五十鈴さん自身が“特定条件下以外で、僕から得た情報を使わない”と言っている以上、僕から得るデータは、知っているだけで使用できないジャンクデータとなる。
五十鈴さんは、この矛盾に気づいているだろう。
その上で、ヴラドを助ける為に“ぷらいばし”を売った僕が、今度は、僕から得られる戸隠さん以外の情報料として、50万円よこせと言った。
この提案自体が、僕が50万貰うと言っている時点で、戸隠伊織の監視という当初の目的とは違う方に行ってるのに、気づいている……のか?
そう、僕自身の目的は、この契約を、戸隠伊織の監視という名目ではなく、他の名目に置き換え、期間を短くする事。
半年でも長すぎるくらいだ。せめて1週間。
問題は、戸隠さん以外の情報という物は、“ぷらいばし”を売った段階で、一緒に売ってしまった様な気がすると言うことだが、今は言わないでおこう。
そして、五十鈴さんは、僕からの情報に50万を払う、というのは、僕のデータにそれなりの価値があると見ている証拠だ。
だけど、そのデータは使用する事ができない、ただのジャンクだ。
意図が見えないなぁ。
本当に戸隠さんだけの監視なら、50万円払うなんて、意味はない。
では、監視以外に別の意図があるとする。
しかし、そこで得たデータを使用したくても、契約で出来ない以上、データはごみだ、50万円の価値はない。
そう、この僕の提案に乗る事自体に、意味がない。
本当なら
「1年、365日で」
と、再度、言えば終わる提案だった。
一番やり辛いタイプだ。
意図を読ませない様に、こっちの提案にのったり、かき回したり……。
正直、僕は話し下手で、こういった事には向いてない人間だ。
できれば、真意を知りたいんだけど……。
最終的に僕を、買収するとか?
あ。
最悪の想像が……。
まさか、ロボトミーとかってないよな?
「自我支配して、皇國代理天の為に働いてもらってます。お給料は50万え~ん!」
そんな感じ。
「次に、決める事は、違約した場合の罰則ですが……」
五十鈴さんが、僕の思考をそっちのけで、話を進める。
「では、最初に、五十鈴さんの側の違約行為、僕から得た情報を契約時の条項以外に使用した時について、お聞きしたいのですが?」
やばい。まずい。
敵の意図をはっきりとさせておくべきだ。
脳改造なんて洒落にならん。
意図が見えないんだから仕方ない。
敵の狙いを探る上で、切り札に近いカードをオープンにする。
「情報を契約時の条項以外に使用……?」んんぅ?
悩む五十鈴さん。
「……」
「……」
「あ!」
「え!?」
まさかっ!
気づいてなかったのかっ!!
「ふふふ。一本やられたわ」
「う」
うわわあああああああっ!!
戸隠さんを助ける為のジョーカー、無駄に切っちまったぁ!!
ココの違約の罰則事項に、契約の破棄を設定すれば、僕の勝ちだったのに!!
うわあああああ!!
血涙しかでない。
折角の勝利の鍵だった条件を無駄撃ち。
くそっ
相手の意図なんて見えないはずだよ。
だって無いんだもん!!
うああああああああ。
考えすぎで自滅だなんて!!
自暴自棄になるのを堪える。
気分をリセットしないと拙い。
まだ交渉は終わっていない。
このパターンは、完敗する場合の多いコンディションだ。
切り札は、まだある。
落ち着け、僕。
……。
すぅ。
はぁ。
今日、何度目かの深呼吸。
それだけで、僕は暗示にかかったみたいに、気分がニュートラルになる。
まだ、挽回できるチャンスはある。
名誉返上、汚名挽回だ!
あれ?
うん、きっとある。
「ふふ」
五十鈴さんが、僕を見て微笑む。
何だろう。
この笑いは……。
も、もしかして、失敗を笑ってる?
あうあうあう。
「自爆乙wwwぷげらwww」m9(^Д^)
そんな妄想までが見えてくる。
気分をリセットだ!リセット!




