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世界の 法則が 乱れる!  作者: JR
第03話 駅前りゅうがくる
32/169

渇望の朝


ぷるるるるるる――――



ぷるるるるるる――――



ぷるるるるるる――――



電話が鳴っている。


この音は携帯ではない。

全て着信音は、ゲームミュージックにしてある。


寝室に備え付けてある、親子電話だ。

遠くでは、僕を起こそうと黒電話の攻撃音が鳴り響いている。






僕は今、ベッドでヴラドと寝ている。

人肌の温かさと、ヴラドの匂いに包まれて、とても気持ちの良い眠りだ。



まだ、まどろんでいたい。



あ、暖房が起きたみたいだ。

「うるさいのぅ」

といって、裸で電話口へと向かっている。




がちゃ

「もしもし、ヤシロじゃ」

「……」

「あー。そうか、しもうた。

 これでは会話できん。

 ……あい、きゃんと、すぴ−く、じゃっぱにーず。

 で、良かったかの?」


「……」

「しつこいのぅ……。

 ふぅ。

 じゃすと、あ、もーめんと」


「……」

「魔法【スピ−チ】発動。

 ライブラリは、我が愛しの君で設定」

僕に何か魔法を使ったみたいだ。

「もしもし、待たしてすまなんだな。ヤシロじゃ」

「……」

「うん?何故にその様な事を聞く?

 まぁ、よかろ。

 妾は八代時雨の愛人ヴラド・ドラコエドじゃ。

 妾の愛しの君は、今は寝ておる。

 昨日は、夜遅くまで起きていたのでな。

 少し睡眠が必要なので、寝かしておる」


「……」

「何をしておったか……じゃと?

 ふふ、惹かれあう男女の睦言を聞きだして、どうするつもりじゃ。

 無粋な事を聞くのう……。

 教養をつけて、出直してまいれ」


「……!」

「判らん男じゃのう……良いか?

 妾は下がれ、と言ったのじゃぞ?

 汝が、シグレのタンニンであるのと同じ様に、妾は愛人であると言っておる。

 汝以上に、シグレについては詳しい。

 その妾が、睡眠が必要であると言っておる!痴れ者が!!」


「……」

「ふぅ。じゃから、今、言ったであろ?

 睡眠が必要じゃから、休ませておると。

 愛しの君を少しでも寝かしておきたいと言う、妾の考えじゃ。

 判ったら去ね!」


「……!!」

「この人間風情が……殺してくれようか?」



あははは。


地がでたね?ヴラド。

種族差別はするなって君は言っていたのに、早速だね?


そういうもんだと思うよ。

頭では判っていても、やっぱり難しいんだよ。


だからこそ、知識として知り、実践しようと努力する事だけが、種族差別問題の解決方法なんだ。

こつこつと、1人1人に話して、判ってもらう以外に手はないんだ。

君が昨日言っていた、戦争の道具として使用しようという考えはあまり好きじゃないよ。

奇麗事だってのは判っているけど、ね。




ああ、なんだか少しずつ、自分が目を覚ましてきつつある……。




そーいえば、地図の事もそうだ。

自分の世界イプセプスには、地図は無いって言っていたけど、どうしてイプセプスが他の世界と地形が違うのを知っているんだい?ヴラド。

いつか、その理由を話して欲しいよ。

たった1日で、こんなにも仲が深くなった人なんていないから、少し戸惑い気味だけど。




君が欲しいよ。ヴラド。



……いや、それを言ったら……。



戸隠さんが欲しい。



月見里さんも欲しい。




そうか。



うわ、僕ってやっぱり、サイテーだ。

まさか、自分がこんな人間だったとは……。


月見里さん、戸隠さん、ヴラド。


3人が欲しい。

手放したくない。


1人に絞るなんて嫌だ。

できるわけがない。

残った2人を他の男なんかに取られたくない。

渡したくない。

自分で言うのもなんだけど、凄い独占欲だ。




3人から愛されたい。

3人を愛したい。




ああ、僕は狂ってる。

外道だ。

鬼畜だ。

常識なんてクソくらえ、だ。



でも…………

3人を幸せにしてみせる。

いつも、笑っていられるように。

喧嘩をする時もあるかもしれないけど、僕を嫌いなってしまうかもしれないけども。



でも、3人に笑っていて欲しいというのは、未来永劫、変わらない想いだ。



僕を、好きと言ってくれる人がいる。


僕を、共犯者に選んでくれた人がいる。


僕に、嫉妬してくれる人がいる。


皆の幸せを、想いを、ぼくの穢れた欲望を、無理と判っていても、叶えたい。





ああ、そうか。


あるじゃん。


やっぱ、僕はサイテーなんだ。


こんな考えに至るなんて……。



でも。


それでも。


だからこそ。






「僕は、ハーレムを作る!!」






おや?

どこかで、誰かがずっこけるような……

ああ、ヴラドか。

さては、心を覗いていたな?

お返しだ。覗いてやる。


ああー。

やっぱり、怒っている。


いや、その怒りを、電話の相手に向けるのは止めようよ?

僕で、いーじゃん。


はて……。


電話?


誰から?




「……!!」

「そこ、動くでないぞ!

 妾の呪術で呪い殺してくれようぞ!タンニン!!」


タンニン?何だっけ……?


お茶に含まれる物質だ。

渋いの。


この場合は違うな。


えーと。


唐突に浮かび上がる3つの単語。




学校、金曜日、時間―――――――!!!




がばぁっ




「うわあああああああ」

ヴラドから電話をひったくる。

時間は9時30分。


「すいません!先生!

 今日は休みます!!」



「休みますじゃないだろう!!

 八代!その子は何だ!?

 いいかね?君は、一昨日、ふざけた理由で早退しているだろう。

 問題行為だぞ。

 それにね、君達が問題行為を起こす度に、私が色々と言われるんだ?

 判るかい!?安月給で、面倒事は嫌なんだよ!

 まぁ、退学するんなら、早くしてくれたまえよ!?全く迷惑だ!」


うわぁ。

怒り心頭、ぶっちゃけすぎです。先生。

でも、今日は学校に行くような暇は無いんです!


「あー、すいません、先生。

 えと、じゃあ、今日は風邪です。ごほんごほん」

「そうか、風邪か。なら良い。お大事にな?」



――――ちょっと、火元先生、今のは、教職者として聞き捨てなりませんよ!


「あ、秋月主事」


――――高校1年の今頃から、受験の重みも抜け、非行に走る生徒も出るんです!

    いいですか?貴方には教育者としての自覚がt



おや、電話の向こうで何か問題が起きてるみたいだ。

さっさと切ってしまおう。


プツン。



「おはよう、ヴラド」

「うむ。おはようじゃ」


十年来の夫婦のように口付けを交わす。

ムラムラッと来たが、抑える事に成功する。

今日から、本格的な活動をする。

自分の家の一部が戦場となっているなんて、笑うしかないが、笑っていても仕方が無い。

冗談でもなければ、夢でもない。






「さてと、お主様?

 ハーレムの件は、まぁ良しとしておいてじゃな。

 ラパ・ヌイに向かうに当たって、最低限の装備だけは整えておきたいのじゃ。

 すまぬが少々、時間をもらうぞ」

「構わないけど、なに?」


「うむ。お主様には、魔法か魔術を1つ、覚えてもらう。

 使えないと、人と認識してもらえないのでな」

「そこまで酷いのかぁ……」

「なに、地球とたいしては変わらんよ。

 少し酷いだけじゃ」

「えー?」


「ううむ。そこら辺の認識を教えといた方が良いかの?」

「どんな?」


「……あー。

 お主様の世界には、擬人化萌え~というのがあるじゃろ」

「ああ、うん。

 動物に始まり、OS、電車、ゴキブリ、国家、鉄砲とか」


「お主様の住む、この国は、アニミズムとか汎神論、原始宗教的な側面を持つ宗教が根強く残っているが、擬人化と言う行為は、モノに霊的なものが宿っている、意思があるという思想と、とって良いかや?」

「そうだね……良いと思う」


「唯一神はその思想を否定するのでな。

 でじゃ、お主様の国の、その宗教は特殊なので横において置くとしてじゃ。

 魂と命と意思と言う面倒な思想に、今から踏み込むわけじゃ」

「魂と命は一緒じゃないの?」

「途中で、ズレが出てくるはずじゃ」


「人間には、魂と命と意思がある。

 ―――これは良いな?」

ヴラドは、今から質問するモノに、魂と命と意思の3つの内、宿っていると思うものを上げていけと言う。


「犬はどうじゃ?

 ―――全て持っているで良いな」

うん。


「蟻や蝶、蜻蛉はどうじゃ?

 ―――そろそろ、意思の有無が難しいのでないか?

 フェロモンによる行動を自我と見るか否かじゃ」

意思か……確かに。


「では次に、オズの魔法使いというラノベがあるじゃろ。

 それに出てくる、脳みその無いかかし、心の無いブリキ人形、この2つをどう判断する?」

話としては、えーと、命は無い。魂、意思はある……かな?


「では、えっと、ろ、ロボットで良かったかの?

 學天則とか、アッガイとか、異世界ラブラドルの魔導機みたいなのじゃ。

 ―――これは、すべて無い、で、よかろ。

 これで……え?なに?命は無いが、意思と魂はある?

 言ったじゃろう?

 お主の国の宗教を持ち出すな、と」


「ふむ、では、お主様から昨日頂いた、子種はどうじゃ?」

「うぇ?」

「お主様が、昨日、妾の喉奥に飲ませたものじゃ。あれは?」

え、えーと、命はある。魂はない?意思はない……。

て、いうか、何の羞恥プレイ?


「様々な事例を挙げていくのが、一番判り易い方法なのでな」


「ゴーストは、意思のみじゃ。

 まぁ、実際アンデットは、不浄な命という、もう一手順があるんじゃがな。今はよかろ」


「ゾンビは、難しかろ。判るかや?」

うーん。命と魂?


「正解。不浄な命と魂じゃ。よく判ったのぅ」


「喋る武器[インテリジェンスデバイス]は、意思じゃ」


「何となくじゃが、違いは判ってもらえたかや?」

うん。

何となくだけど、命と魂のニュアンスの違いが判ってきた。


「魂を霊魂と捉えれば、イメージしやすいかの?

 意思は自我。やはり言葉というのは難しいのう」

「文化的な背景も違うから、しょうがないんじゃない?」

「そうじゃな」





「さて、先程やって貰った変な謎解き、命、魂、意思と、人として認識してもらうのに必要な物の関連性じゃが……」

「うん」

「簡潔に説明するとじゃ。

 人、即ち、人間としての在り方の問題じゃ」

「在り方?」

「うむ。少し想像して欲しいんじゃがの。

 魔法によって、命、魂、意思をモノに宿らせる事が可能となった。

 故に、人が人の形をしている必要性が無いんじゃ。

 これでは、問題が起こる。

 そこで、ラパ・ヌイでは、人間を定義づけしたんじゃ。

 “命、魂、意思の3つが揃い、一定以上の教養を身につけ、手を持っている者”が人間じゃ」



意思の有無は、魔法が使えれば良い。

魂の有無は、魔法で判定すればよい。

命の有無は、身体の主成分が、有機物であれば良い。


「ん?有機物?と言う事は、蝋やウッドゴーレムに魂と意思を載せると……」

「人間じゃ、まぁ、正確には命も必要じゃが。

 元より死んでいるからの」

「あ、じゃあ、もしかして、リビング~~っていう魔法生物って……」

「飲み込み早いのぅ。

 そこら辺の魂を捕まえて、封印するだけじゃ。

 ワザワザ、魔法で最初から魂を創っていたらメンドクサイじゃろ?

 スライムなども基本は同じじゃ」



「そういえば、その概念はないかも……?

 だから、説明が必要だったんじゃ……。

 んー。オカルトの分野は武居に聞いたほうが良いかも……」

「そうか。珍しいのぅ。

 まぁ、たまたま、お主様が知らなかっただけ、という落ちがありそうじゃな」

あー。ありそうだ。



「少しばかり、語弊があるやもしれぬので、補足をしておくぞ。

 ここで、重要なのは、人間と人類はイコールではない、と言う事じゃ」

「?」

「人類と言うのは、自然発生的に生まれた種族。

 人間とは、先程、言った様な区分で別けられた存在じゃ」


「コレに従うと、獣人[テリアントローペ]は人類ではない。

 しかし、他世界には自然発生的に生まれた獣人[テリアントローペ]がいる……

 法律上、非常に難しい問題となっていてな」

「え?法律?」

「この前なんぞ、真夜中に、真祖の吸血鬼[ヴァンパイアロード]や死霊王[リッチ]が徒党を組んで“我々も人間だ”と、デモ行進してな。

 あの時ほど、アンデットとやらを、憎んだ事は無い。

 人の安眠を妨害して、何が……」

ああ、確かに人類ではなくなったけど、人間の定義には当て嵌まるな……。


でも、迷宮の奥地でラスボスが、不法侵入について、冒険者に語りだす……

なんて世知辛いファンタジー。


「いや、お主様?

 あれは、あれで、苦労しとるのじゃぞ?

 正体がばれると、当然、町には住めぬようになる。

 安住の地を求めてさまよい、雨露を凌ごうとすれば、結局、迷宮に住むしかなくての……。

 そうすると、冒険者が来て、身包みを剥いで行く訳じゃ」

「うわぁ」

「何と言うかの……。

 乞食と追剥ぎの関係じゃ」

「羅生門だ……」






「さて、ココまでが前振りじゃ。

 判っておるかと思うが、魔法には意思が何より必要とされる」

「うん」

「何をしたいかを明確にするのじゃ」

「うん」

「では使え」

「うぇ?」


「何でも良いぞ。

 ただし、攻撃は止めておけ。

 被害甚大に成るやもしれぬ」

「いや、そー言われても……」

「何でも良い。イメージせよ」

あー。そうだね。じゃあ、魔法ものっぽいアニメから色々と。





魔砲少女りりかれ!なのはから、イメージする。

確か、数式に近いとかいう設定だったな。自分の周りに、3次元式の魔方陣が展開し、魔杖が変形する……あ、魔杖ないや。


鎖の錬金術師から、イメージする。

手を叩いて魔方陣を形成。無から有は作れない。変成魔法しか使えないけど、槍を地面から!……いや、部屋だし!


サウザント・メビウスから、台詞を。

我が前方にラファエル、 我が後方にガブリエル、我が右手にミカエル、我が左手にウリエル、我が四囲に五芒星炎あげたり 光柱に六芒星輝きたり アテー・マルクト……えーっと……。


運命/長き夜から、英語は無理なので日本語で。

体は剣でできている。血潮は鉄で、心は硝子。幾たびの戦場を越えて不敗。ただ一度の敗走も無く、ただ一度の勝利もなし。担いtっ……舌噛んだ。


りある魔術の禁書目録から、そげぷする。

いいぜ。てめえが何でも思い通りに出切るってなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!……ヴラドの胸を触る。もみ。すらできない。

「お主様?」

「うん。御免、ちょっとした茶目っ気で……」

やっぱり男の娘なんだなぁ



影伎から、肉体強化のイメージで武伎言語でも。

我は無敵なり、我が影伎にかなうものなし、我が一撃はm……怒気をはらんだヴラドの拳を左手でさばく!

無理!

ヴラドの拳にあえねく撃沈。




色々とやって見ました。



ああ、段々、ヴラドの顔が怖くなってる!



えーと、えーと、えーとえーと。何かイメージ……。


あ。

一昨日の、レーザーブレード。

なんて言ってたっけ?エンゲル・パトリオット……いや、判りやすい映像の方でいこう。

宇宙警察ギャバンから、新聞紙を丸めて剣とする。

右手の人差し指と中指を剣の刀身の根元から刃先へと滑らせ、輝きが増し、白熱化するイメージと脳内で鳴り響く処刑用BGM。

「レーザーブレード」



ぷすっ



「お」



その後、約1時間ほど色々と試してみましたが、無理でした。

思ったより魔法、なめてました。

ラパ・ヌイでデキの悪い子供以下だそうです。



でも、まぁ、実は、教師が悪かった。

本来、魔法には構造式というのがあって、それに従って、イメージを流す?当てはめる?みたいな事をするんだそうで……。



ヴラドがやりたかったのは、実は、地球の魔法概念を調査したかったみたい。


実際、新発見も。

こちらの概念にはあるけど、ラパ・ヌイにはない、もしかしたら、ラパ・ヌイの世界法則[リアリティ]に受け入れられる可能性の高い、交渉材料になりそうな魔法知識。

向こうで試してみる価値はありそうです。



まぁ、そういったのが判ったのも、ヴラドとの知識共有の結果で。

双方の文化の差異というのが判れば、発見も容易いとの事。


確かに、知識共有はありがたいです。

創造、変成、移送、感知という4種の魔法を知らないのに、何故かその違いが判っているし、魔法に必要なのは意思とイメージだけで、呪文などといった特別な物は必要ない事も知っている。

魔法の発動にMPなんて使わないし、回数制限なんて無い。

思えば思うだけ、何でも出来る!


うわぁ、チート。


「くふふふふ、まぁのぅ。必要な精神の力は、全て万物構成物質[マナ]が肩代わりしておるからの」


でも、あまりに大きい魔法は、やはり負担があるそうで。

よくある精神的に疲れるって奴ね。

なんでも自然の理[ベースリアリティ]からのバックラッシュだという話。

通常は軽い貧血レベルで、最悪だと死亡らしい。

それでも、戦闘中の貧血は、かなり手痛いなぁ。




そのバックラッシュを回避するために、色々と手段を講じているのが現状の魔法らしい。

良くヴラドが使っている、結印[シンボル]や真言[パワーワード]もそうだし、詠唱[チャント]、圧縮封印[メモリー]、儀式[リチュアル]も元々はそういった技術だそうで。

もちろん、ラパ・ヌイではという話。



例えば、僕達、地球の人が思い浮かべる呪文という物。

あれは、ラパ・ヌイ人に言わせると、真言[パワーワード]、詠唱[チャント]、舞踏[ダンス]、結印[シンボル]の組み合わさった物で、非常に効率的なバックラッシュを回避する技術だとか。


考え方が、逆なんだ。

地球では、いかにして発動させるかの為の技術で、ラパ・ヌイでは発動した後のペナルティ回避の技術と考えれば良いのかな?

「魔術は一概にはそうは言えんのじゃがの。

 魔法はその通りじゃ」



「まぁ、そう簡単に魔法を唱えられるとも思えんしの。

 おいおいやるしかないじゃろ。

 それまでは、あまり1人での行動は慎んでもらわねばの?お主様」

そうだね。

後は実践して、魔法を覚えるしかないよね。


ヴラドは僕に、ラパ・ヌイに向かう前に、物理防御の魔法【プロテクト】を5回分、圧縮封印[メモリー]した。

これは、もっとも安全に魔法を使う方法で、魔法発動遅滞化技術の産物らしい。

魔法を、発動寸前で凍結、発動タイミングを任意として、いつでも使えるようにしてある。

バックラッシュはすでに魔法使用者のヴラドが受けている。


つまり、戦闘中に使用すると、程度の低いバックラッシュでも命取りになる。

そこで、バックラッシュのみを最初に受けて、発動は遅滞するという方法だ。

これを、僕の身体を媒体として、懸けてあるらしい。


普通は、回数制限つき魔法具[マジックアイテム]を作る技術だとか。

発動は、僕の任意で、発動するまでに必要な時間は瞬間、効果は、僕を覆うように不可視の幕ができるらしい。

発動している時間は、かなり短いらしく、秒単位で終わるらしい。

使い勝手が難しそうだなぁ。






一応、準備は整った!

時間は11時。

お昼御飯を作って、さ、向かおうか、ラパ・ヌイへ!!




「いや。そうしたいのは山々じゃがの。お主様。

 実は地球で幾らか使えそうなアイテムがあるので、それも入手しときたいんじゃが……、」

「ん?何?」


「うむ。取り合えず市場か、商店へと向かうのじゃ!」



「おう……」

早速、出鼻をくじかれました。


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