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世界の 法則が 乱れる!  作者: JR
第02話 忘れられない夜になる
26/169

開幕カウントダウン-焼死体こんがりウェルダン-


僕のあずかり知らぬ所で、噂は広まっていたらしい。


家が、ヤクザで、その1人息子だから、若頭。

狙った獲物は、どんな汚い手を使ってでも堕とす鬼畜。

強面ブサメンだけど、老若男女を囲ったハーレム持ち。


根も葉もない噂だ。


「あー。取りあえず、2人とも、今日の帰りは何か奢れ」

元凶の武居と新田の2人に帰り道にジュースでも奢ってもらおう。






朝方降り出した雨は、昼を過ぎても、止む気配が無い。

6時間目が終了しても、雨は止まず、僕は、戸隠さんのいない図書室へと向かう気にもなれず……。

今日は、武居、新田と一緒にHRが終了し、放課後となっても教室にいる。


僕は、部屋の隅に陣取り、武居に事件の全容を語る。




「あー。何だ。五十鈴さん、そっちに行ってたのか」

「ん?知り合いなの?武居。

 あ、もしかして昨日、最初に訪ねようとしていた人って……」


「まぁ、コゴローとのからみで、昔、世話になってな。

 あの人も多才だろ?

 街角占い師から探偵業まで、色々と手を出しているからなー」

「河豚の調理師免許……」はぁはぁ


「悶えるなよ。キモいな。キモーフにするぞ」

「うーん。キモクンかー。

 ゴロ悪いねー……あ、じゃあ、キモガシラってのはどう?」


「あー。どっちも嫌です。鬼畜も嫌です」

「鬼畜は、真実なんだから、しょうがないだろー」

「鬼畜は、事実を端的に表していると思うよー。あはは。」





「で、結局、戸隠さんは、家どうするんだ?

 流石に爆破とは、ビックリだぜ」

「師匠も今回は、ノリまくってたからねぇ」


「うん。戸隠さんは、僕の家にk……――――!!」


そういえば、戸隠さんは、五十鈴さんは、敵だって、勘だけは良いって言ってた。

共犯者[コイビト]であるという事を、悟られないよう、クラスメートとして振舞う事って。

あれ?

でも下手をすると、新田達から、情報がダダ漏れなんじゃ……?

いや、それでも、予防線は張っておくべきだ。


「……僕の家で、昨日、話していたら、アテがあるって言っていたよ」

友達に嘘をついてしまった……。

すまん。




「そうか。じゃあ、もう1人の、何だっけ?

 幼馴染みの方は、どーなったんだ?」

「んー。幼馴染みという程の、長い付き合いじゃないんだけど、あれから連絡なし」

「そっかー。で、キチクンは、どーするの?

 あの娘、結構、本気っぽかったけど?」


「どーするって?」


「うお。鬼畜の貫禄ですなー。先生」

「やるねー。本気で、二股続投?

 いやはや、鬼畜ですねー」

「え?え?」

「「ナイスボート」」

やめてー。死んじゃうからヤメテー。



「あの子は、かなりのヤンデレでしたねー。あはは」

「何だ。そんなに凄かったのかよ」

「それを、抑えちゃうキチクンが凄いって事で……」

あー。微妙に言いづらそうだな。

確かに、”エンゲル・パトリオット変身”の所は、武居には言ってない。

僕も、新田にも説明できないからだ。


「クーデレの次は、ヤンデレかよ。次は本命のツンデレか?」

「いやいや、何でそーなるの?」


「鬼畜戦士を目指すしかないな。キチーフは」

何で、武居がそのゲーム知ってるの?面白いけどさ。


「そー言えば、ナイスボートの裏設定って結構、面白いね。血が濃くて」

「流石に、妹12人は……どーよ?」

「サイコーだよ。君もそう思うだろ?イッサ」

「お前が言うと洒落にならんぞ。コゴロー」

あー。

多分、僕の家もそうだよなー。

血が濃そうだよ。

いや、確か外国だと従妹同士でもタブーみたいな所が多かったような……。

それを考えると充分、血が濃いんじゃね?うちは。

もしかしたら、マジで近親相姦とか、ありそうな気がする……。



「でも、新田も武居も、良く知ってるね?

 アニメとかゲームのそんな話。

 正直2人がそこまで、突っ込んだ話をしてくるとは思わなかったよ」


「あははは、僕の場合は近場に詳しい人がいたんだよ」

「俺の場合もそうだが、エロゲは、五十鈴さん方面だな」

「何で、五十鈴さん?」

「いや、あの人、結構、守銭奴でな。

 売れるとみると何でも調査して、金儲けの道具にするかどうか、見積もるんだよ」

「あー。もしかして、エロゲ会社を立ち上げようとした?」

「調査の結果、止めた。俺も正直、助かった」

「そーだねー。僕もあの時ばかりは、師匠に勘弁してくださいーって泣いたよ。あはは、はぁ」

「?」

「まぁ、だから、時々、キチーフの話題についていく事ができる」

「漫画とか、アニメとか、エロゲとかね」

「そうなんだ。

 実際、僕の家の蔵書も親父の遺品だしなぁ。

 古い知識しか知らないんだ」

「何だ。そうだったのかよ」

「あー。そうだったんだ」

「ん?そういえば、武居も五十鈴さんの助手なのかい?」





―――――キーンコーンと、鐘が鳴る。






もう少し話しておきたいが、時間が来た。

今日は、いつもより早めに帰るとしよう。

「さて、そろそろ帰るか……」

席を立ち上がる。

「んー、じゃあ、今日は俺も帰るかぁ。

家に居るが吉って言ってたしなぁ」

「そうだねー。僕も一緒に帰るよ。

奢らないといけないしねー」






「さてと、どーっすかなー」

「あはは、どーしようかねー」


僕達は今、玄関口にいるが、外はしとしとと、雨が降り続けている。


「置き傘とかないの?」

「宵越しの傘は持たねぇ主義なんだ」

「傘もつと、小学生を尾行しづらいでしょ?」

はぁ

「君らも結構、駄目人間だよねぇ」


「それは酷いぞ。キチーフ!

 コゴローと一緒にするなんて!」

「あんまりだよ!キチクン!

 よりにもよって、イッサと!?」

ホント、息が合うコンビだ。



帰り道を3人で歩く。

「おい、少し詰めろよ。コゴロー」

「あはは。図体でかけりゃ、態度もでかいね。イッサ」

「あー。男3人は無理がある」


男3人で相々傘。

偽・委員長が鼻血を噴いてたが気にしない。


「キチーフが出れば問題ないんじゃね?

 ワーオ、ナイスアイデーア」

「ああ、キチクンの犠牲は忘れないよ!!

 僕の為に、1人濡れてくれるなんて!」

こいつら。






学校の帰り道を、押し合い圧し合い帰る。

と、駅前交差点近くに来ると、良い匂いが何処からか……。



肉の焼ける美味しそうな匂い。



ぐぎゅるるる



腹がなったのは誰かなんてドーでも良かった。



「決定だ」



「「判った」」



交差点より奥、駅前のロータリーに、移動販売車が停まっていた。

今まで見たことの無い車だ。

匂いはそこからだった。



看板には日本語がずらっと。

ええと……。

”遥かアナトリアの回転グリルから、100万ドルの輸送費かけてやって来た!そうです、私がドネルケバブです!”

あー、うん。

なんじゃ、こりゃ?

ドネルケバブと看板には書いてある。

近づいていくと、様子が少しづつ判ってきた。

匂いの元は、その移動販売車の中にある、巨大な肉の塊が焼かれて出す匂いだった。

トラックを改造して作ってある移動販売車の前は、屋台のようなシートの屋根がついており、雨宿りもできそうだ。


まさにうってつけ。


肉の塊は、芯棒が中を縦に通っており、クルクルと回転している。

その周りには、グリル機があり、肉を炙っている。

表面の焼きあがった部分を、ナイフでこそぎ落とし、食べる料理らしい。

食べ方は、薄いパンのような、ナンのような、ピザのような物で、焼いた肉とキャベツやレタス、オニオンを一緒に挟み、ケチャップやら、マスタードやらのソースをかけて食べるらしい。

ソース部分は、辛口、甘口、ヨーグルト味、そのまま、と書いてあって詳しくは判らなかった。

肉もどうやら、普通の肉ではなく、合成肉のような……。

もしかして、インド料理のシシケバブみたいな味だろうか?


「おおー。ドネルケバブかー。

 こんな田舎で良くやる気になったなぁ」


「知っているのか!?武居!」

いえ、言ってみたかっただけです……。


「うむ」

行き成り、僕に携帯で漢字を見せ、説明を始める。


「怒錬化馬武[ドネルケバブ]、聞いた事はあったが、実在していたとは……。

 その起源は、トルコの騎馬民族が使っていた武闘法にある。

 民族同士の争いが絶えなかった中近東で、騎馬兵士にとって自らの乗る馬は、友であり、妻であり、自分自身であった。

 その一時も離れる事無い生活で、心魂通わせる事で強力無比な力を振るったという。

 しかし、運悪くも志半ばで馬を失う事になった兵士が、その怒りを自らの闘気と共に練成して、地上にいながら、まるで騎馬に乗っているかのような戦いをしたという逸話が、中国に伝わって戦闘法として昇華された。

 現代でも、人馬一体とは、まさにこの有様の事をさし、使い手は皆、ある特定の料理を秘伝として食べているという」

「は?」

「民迷書房刊・トルコ舞踏大全より」


武居が延々と、説明をしていた。

えーと、民迷書房って、確か、架空の書店……。

魁!!男倶楽部だっけ。


「んー。60点だねー。イッサ」

「判定厳しいな。コゴロー」

「ケバブ屋のナイフをネタに組み込むといいかもねー。

 それに前に言ってたネタと殆ど同じだったよー」

「キチーフには初公開だから、いーだろ」

後で聞いた話だと、以前、東京に行った時に、同じ事をやったらしい。






雨宿りも兼ねて入った屋台には、30代ぐらいの男性が、1人いた。

日本人ではない。

鷲鼻に顎髭を生やしたモヒカンで、耳に翡翠?のピアスをした、中近東っぽい感じの顔つきの人だ。

「おっちゃーん。1つ、いくらー?」

武居が聞く。

武居は、こういった時、物怖じしない性格で正直うらやましい。


「1つ600円ネー」

高っ

「まけてやー」

「あはは、無理ネー。ギリギリヨー」

「ちぇー。じゃあ、3人分激辛で」

「ちょ、ま」

「あはは。キチクンって辛いの苦手じゃないでしょ?」

そりゃそうだけど、やはり、まずは“そのまま”で食べたいじゃないか。



600円と高校生には高い値段だったが、ドネルケバブ、買いました。

僕は奢ってもらったんだけどね。

昨日、力を借りたから、本当は僕が奢るはずなんだけど……。

まぁ、また今度にしよう。


「悪いね。昨日の借りはそのうちに返すよ……」


「あー。そう改まって言われてもナー。暇つぶしだし」

「あはは。こっちは途中から仕事だったしねー」


「それでも、ありがと。助かったよ。武居、新田」


「そーかそーか。そーゆー事なら……」

「あはは、おじさーん。ヨーグルト味3つ追加ねー」

「あいヨー」


「ちょ、お前らー!!」


「ご馳走様です。先生」

「流石、キチクン、驕りとは太っ腹!」




思ったより肉汁が多く出ていて、腹持ちが良い。

「お、おじさん、すいませんが、この肉は何を使っているんですか?」

好奇心に惹かれ質問する。

「企業秘密ネー。

 でも、御客さん1号だから特別ヨー。

 うちは下味つけたビーフヨー」

牛肉だけじゃないような気がするんだけど……。

まぁ、いいや。

「そーなんだ。

 有難うございます」

「ビーフなら良いんだけど、世の中には、チキンでドネルケバブという奴もいるからな」

「ん?チキンだとドネルケバブじゃないの?」

「普通は言わない」

そーなんだ。

「でも、ケバブという言葉自体は、焙り焼きの肉料理の事をさすから、

 チキンでも間違いじゃないんじゃ……」

「いーや、俺は認めねぇ!!

 ビーフと思って買ったら、チキンだった時のあの悔しさは!!」

「あはは、東京に行った時に、屋台で食べて感動しててね。

 それで、色々と食べ歩いていたんだけど、他の所に行ったら、チキンだった所があってね」

「それで、暴れてんだ」

「そうそう、あの時は、もう、参ったよ。

 イッサが怒ると手がつけられないからねー。あはは」

「待て待て。俺は何もしてないぞ。

 お前達2人が……っと……、コゴローが、文句言い始めたんだろが」

「……そうだっけ?」

「そうだ」


何だろう、今、一瞬、妙な間が……。

なんというか、気まずい雰囲気が……?


むしゃむしゃ

がつがつ


それから、一心不乱に喰い続ける。


これなら、夕飯は少し遅らしても良いなぁ。

ジーちゃん帰ってくる可能性は低いし……。

また、戸隠さんを無理矢理さそって夕飯という手も……

いや、さすがに、夜10時はきつい……。




「そー言えば、五十鈴さんのマンションなんだよね?アレ」

昨日のガス爆発のマンションを見ながら、2人に聞く。

「そーらしいな」

「みたいだねー」

「他にもマンション持っているのかな」

「いや、それは知らない」

「師匠は、あまりプライベートな事話さないしねー」


「何だ?キチーフ、次は五十鈴さんか?

 隅に置けないな。

 一応言っとくが、三十路越えてるぞ、あの人」

「老若男女、所構わず、かー。流石だね。キチクン」

「あー、いや。そうじゃなくて。

 どんな人が住んでるのかなーと思ったんだよ」

「あー。そうか、今度の事故で出てっちゃう人とかいるかもねー」

「俺の知ってる限りだと、アソコのマンション、ほとんど、人が入ってないぜ?

 キチーフ、お前、あそこに住んだらどーだ?」



「オー。その話、僕も興味ありまス」


モヒカン店員さんが、ジュースのカップを3人分持ってくる。

「注文してないよ?」

「サービス、サービス」

違う!

そこは“サービス、サービスゥ”だっ

じゃなくて!

僕はその、冷やしたチャイっぽい何か、を受け取りながら店員さんを見る。


「オー。実は、昨日、あのマンション、火災がおきたじゃなイ?」

「あー。そっすね」

「みたいだねー。あはは」

「あー、うん」


「報道カメラマンやらリポーター、いっぱい来てるじゃなイ?」

「ん」


「当然、ケバブ馬鹿売れ必須なワケじゃなイ?」

そこまで、いっきに端折るのが問題です。


「あー。もしかして、あそこのマンションの住民を目当てにしてるのかよ、おっちゃん」

「あはは、ケバブ、そこそこ元手かかるネー。

 お客さんのリサーチ、重要ヨー」

「そんなら、学生用値段にするべきだったな。

 400円ぐらいまでなら、食いつくだろ」

「この先に、僕らの学校があるからねー。

 帰り道による人、多いかも」

うーん。どちらにしろ、女性向きな食べ物ではないから、客層は限定されそうだけど……



「あの、マンションの人、金持ちネー。

 買いに来なイ?」

「いやぁ、人が少ないぜ?」

「んー。確か、半分以上が空き部屋だったはずだよー」


「オー。困ったネ。

 家族で楽しい夕食、ドネルケバブ計画台無しネー」

「いや、あそこは、独身の人が多いから、家族は無理じゃね?」

「それに、外食するなら、車を使う人が多いと思うよ?

 可能性として、だけどねー」


「そーなノー?

 マンション管理人ってどんな人―?」

「あー。それなら詳しいぜ?」

「そーだねー。少しは知っているよ」

「多芸、多趣味で超一流の占い師だ」

「何らかの格闘術を修めた、何でも屋だね」


「オー!凄い女傑ネー」

「忙しいのか、捕まらない事が多いけどな。

 そういえば、探偵の元締めみたいな事もやってたな……」

「そーだねー。あ、だけど、金曜日は、街角占い師をやってる事多いよ。

 学生の下校時間帯に合わせれば、駅前であえるかもね」


本当に何者だろう?

経歴が、肩書きが異常すぎる人だ。


そういえば……。

あの肩書き、30代で、全部揃えるのって不可能なんじゃ……?

あれ?

可能なのか?

司法書士とか薬剤師もあった気がする。

医師免許も持ってるって言ってなかったか!?

どこからか、戸隠さんの声が飛来する。


「ちょろい」


―――って、まさか……!!


止めよう。うん。

僕にとって、戸隠さんとの出会いは、やっぱりインパクトがありすぎた。

それで、そっち方面に、みんな考えちゃうんだ。

うん。五十鈴さんは、きっと真面目で一所懸命に勉強して、あの免許群を所得したんだ。

きっとそうだ。

そうに違いない。




「おーい。どしたー?キチーフ」

「恋煩いかい?キチクン」

雨が少し小降りになってきた。

「あー。帰るなら、そろそろチャンスかなと思って」

「確かにな」

「そうだね」

「僕は、そろそろ帰るよ」

「じゃあ、俺もそろそろ走るか」

「あー。僕は師匠の家に寄って行くよ」

「いると良いけどな」

「ま、いなけりゃ、事務所の傘を1本借りるだけだから」

僕達は別れを告げると、それぞれの帰路へとつく。






僕は、走って改札口へとつく。

ドネルケバブを喰っている最中に1本逃したみたいで、すでに出発して20分が過ぎていた。

あと40分、何しよう……。

近場にあるデパート内の、本屋でも見て時間をつぶそうか……。


あ。


傘。



どうしたっけ?



……。



ああ、ケバブ屋だ。

まだ、残っていると良いけど!


急いで、来た道を戻る。






ケバブ屋は、僕の予想に反して、繁盛していた。

女性は、遠慮しがちな食べ物でないかと予想したのだが、それに反して、総勢6人程2グループが、移動販売車のまわりにはいた。

年頃の娘も、肉の匂いに惹き付けられたのか、カロリーとか気にしない女性達だったのかは判らない。

取りあえず、同じ学校の女子ばかりだ。

商売繁盛なのは結構なので、幸先良いスタートだね。おっちゃん、と心でエールを送る。


―――あはは。おじさん、話、うまーい

―――上手いのは、ケバブもヨー。

―――でも、本当なのー?

―――本当ヨー。都市伝説ヨー。


話が、弾んでいるみたいだ。

さすがに僕みたいなのが、行き成り顔を出すと、それだけで、商売の邪魔をしちゃうので、コソコソと傘をとる方法を考える。


―――なになにー?


近づくに連れ、話が良く聞こえるようになる。


「昨日の火災は、ガス爆発じゃないんだって」

「えー?でも、TVで、そー言ってたよ?」

「ここら辺は、都市ガス来てないネー。

 プロパンガスだと爆発位置がおかしいネー」

「あ、そういえば……」

「身元不明の焼死体が、マンションの住人であると考えるのは早急ネー」

「くわしーねー」

「アレは、何らかの陰謀があったのネー。殺害事件ヨー」

「えー」

「プロパンガスにしては、おきた火災が小規模ネー。

 その割りに、焼死体はこんがりウェルダンよー」

「あはは。でも、肉食べてる時にする話じゃないよー。おじさーん。」

「御免ネー。お詫びに、コレ。皆でわけてネー」

お客の歓声があがる。

さっき飲んだチャイみたいな物だろう。


でも、さっきのに、引っかかる言葉があった……。




身元不明の焼死体だって……?




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