田仕事哀歌
掲載日:2026/05/22
水もかからぬ小満の朝
代を搔く手もヂーゼルも
照り風の中によんどころなく
阿呆のように畔に座しては
要らぬ土嚢も二、三こしらえ
重みに軋む肩のしびれを
歯を食いしばり押し通す
父も老いたる令和の御代に
先の暗さは雨雲の如し
田畑にざんざと降る雨の、だれかの急き立てる言葉に似て 我が弱い神経に障る、障る
完了はまだまだはるかに遠く
長すぎる明日にこの脚がすくむ
ドライブハローのガラガラと
土塊を叩き刻むのを
も少し余裕のある心でなら
愛おしめるかもわからない
納屋の埃を箒で払い
今年の出番と田植え機の
主機にようよう火を入れる
育苗ハウスから積み出した 苗とともに我も揺らる、揺らる
遅れて代掻きした田の水面に
雨上がりの厚い雲が陰鬱にうつる
濃い色のゴーグルを今年もつけるのは 疲れた目元を悟られぬように
みっちり積んだ苗をば今 少しずつ田へ植えていこう
小満、つまり5月の21日くらいから田植えが始まる。言うまでもなく1年でいちばんの農繁期だ。
おおよそ出植え前後の暇庭の心のなかはこんなかんじである。コメは本当に必要な手順がたくさんあって、それを先まで見据えていると気が遠くなりそうだ。
でもここの繁忙期の終わりには、世間よりはもう少し後ろにずれた連休が待っている。さあひと息、もう少しひとがんばりだ




