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真実の目  作者: Granderx
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それが君で、これが僕。

用語集:


メロ(Mero) — 信頼できて、心を打ち明けられるほど親しい人。友達や弟子など、深い個人的な絆を持つ相手を指すことがある。


ジュレ(Jure) — 自己評価が低く、生きる価値がないと感じている人。物事の原因を自分にあると考え、存在意義を見いだせない。


ゲシ(Geshi) — 他人の感情を敏感に察知し、共感できる人。優しく、思いやりがあり、繊細な心を持つ。「ジュレ」とは正反対の性格。


ジェノ(Jeno) — 通信機器であり、スマートフォンとノートパソコンの機能を兼ね備える道具。通話、メッセージ送信、基本的な操作が可能。主に魔族の世代などが使用する。


アリズの誕生日から数日が経ち、すべてはいつも通りだった。オソレ姉妹が再び現れたことで、もうすぐ彼女たちにまた会うことになると理解していた。


しかし、何かが私を不安にさせていた。この学園では毎日が最後の日になり得るが、それでも今のところ何も起こっていない。


突然、私のジェノが振動した。それは誰かが私と連絡を取りたいというサインだ。予想通りだった。私はジェノを取り、応答した。


[ケンジ]「もしもし、こんにちは、ミチカちゃん。元気?何か新しいことあった?」


いつものように、明るく元気な声が聞こえてきた。


[???]「こんにちは、ケンジさん!お元気ですか?何をしていますか?最近はどうですか?気分はいいですか?体調は?」


予想通り、質問の嵐が降りかかってきた。


[ケンジ]「大丈夫だよ。心配しないで。それより、どうしたの?普段はあまり電話してこないのに。もしかして、お金が必要?」


私は笑いながら言った。すると、照れたような声が返ってきた。


[???]「ケンジさん!そんなこと言わないでください!私は元気いっぱいの女の子ですよ!それに、あなたのことが大好きなのに、お金だけのために電話なんてしません!」


この子は私のメロなので、どんな話題でも話せる。でも、やはり気になるのは電話の理由だ。


[ケンジ]「それで、本当の理由は?」


[???]「もう、ケンジさんってば。たまには元気かどうか聞いちゃいけないの?あなたって相変わらずジュレね〜」


ミチコちゃんやアリズのような女の子たちは、私にとって「ゲシ」と呼べるタイプだった。だからこそ、気が合ったのだろう。


[???]「実はね、大事なお知らせがあるの。来年、『ケトキシミ』学院に入学することになったの。今あなたがそこにいること、もう知ってるから、また会えるのが楽しみ!」


もうすぐアリズが私のところに来る時間だった。今日、一緒に散歩に行く約束をしていたからだ。でも、私は授業をサボっていたので、彼女が迎えに来ることになっていた。


そして、ノックの音が聞こえた。私は急いで通話を終えた。


[ケンジ]「じゃあね、ミチコちゃん。ちょっとやることがあるから。」


[???]「は〜い、またね、ケンジさん!」


私はジェノを切った。そして、ドアを開けた。思った通り、そこにはアリズがいた。


[アリズ]「ケンジ、何してたの?美人を待たせるなんて〜」


[ケンジ]「ごめんアリズ、大事な話だったから、無視できなかったんだ。」


アリズは笑顔を見せた。


[アリズ]「じゃあ、今回は許す!で、誰と話してたの?」


[ケンジ]「それは秘密。」


[アリズ]「ふーん、まあいいけど!」


彼女はちょっと拗ねたけど、興味津々なのは明らかだった。私たちは話しながら一緒に歩いた。


校舎に入ったとき、アリズが聞いた。


[アリズ]「ケンジ、前みたいに戻れるかな?」


[ケンジ]「ああ、アリズ。前よりもっと良くなるよ。」


私は笑って、彼女に手を差し出した。


[ケンジ]「じゃあ、行こうか?」


アリズは微笑みながら答えた。


[アリズ]「行きましょう。」


その後、私たちは学院の敷地内を散歩し、さらにその外へも出かけた。


本来なら、生徒が教師やアリズ自身の許可なしに校外へ出ることは許されていない。だが、アリズが学院全体を恐怖で支配しているため、それも当然だが、私も好きなときに好きな場所へ出られる。


ただ、アリズが私の動きを常に見ていることに気づいていた。

私たちは町の公園に着き、そこでとても可愛らしい出来事が起こった。


[アリズ]「ケンジ、もう二度と私を置いていかないって、約束してくれる?」


[ケンジ]「え?どうしたの?」


彼女の方を振り向こうとした瞬間、アリズは私の背中から抱きついてきて、振り向くことを許さなかった。


[アリズ]「約束して!今すぐに!もう二度と勝手にどこかへ行かないって!」


[ケンジ]「約束するよ。」


[アリズ]「それだけじゃ足りないわ。証明して。」


アリズは手のひらを下にして差し出した。


[アリズ]「キスして!」


私はひざまずき、彼女の手にキスをしながら言った。


[ケンジ]「仰せのままに、お嬢様。」


アリズは私が手にキスした瞬間、幸せそうに輝いていたが、何も言わなかった。私は彼女を部屋まで送り届け、自分の部屋へ戻った。やはり、アリズと私はいつも一緒だ。こんなにも長い時間が経っても……

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