FATE
レビュー執筆日:2022/6/4
●ポップミュージシャンとしての実力は感じられるが、やや個性が見え辛いか。
【収録曲】
1.Lack - Intro
2.夢醒めSunset
3.蒼天のヴァンパイア
4.Death Dance
5.FATE
6.ミラージュ
7.Divided
8.Little Summer - Standalone
9.オオカミなら
10.ポニーテイル
11.天
12.Luck - Outro
人気上昇中のアーティスト・ビッケブランカのアルバム。短いインストナンバーを経て実質的な1曲目である『夢醒めSunset』で穏やかなアコースティックサウンドを聴かせてくれたかと思えば、続く『蒼天のヴァンパイア』や『Death Dance』では一気にEDMサウンドへと移行しますし、その他にも、感傷的なメロディや歌詞が特徴的な『ミラージュ』や全英語詞のバラードの『Divided』と様々な表情を見せてくれます。全体的にリズムの取り方や歌い方等からやや洋楽色が強い感じがしますが、アルバムの後半には『オオカミなら』や『ポニーテイル』といった明確に「J-POP」を意識したような曲もあり、ポップミュージシャンとしての「器用さ」を分かりやすく感じ取ることができるのでないでしょうか。また、ただ曲調の幅が広いだけではなく、曲ごとにそれに見合った耳に残りやすいメロディをしっかりと作り出せている点も個人的には好印象でした。
ただ、その「器用さ」ゆえに彼ならではの個性が見え辛い点もあり、もっと飛び抜けた点が欲しいかな、と感じられるところもあります。まあ、陳腐にならない程度に分かりやすくまとめ上げられているので、ポップで幅広い曲調の楽曲を求めている方ならば聴いて損は無いでしょう。
評価:★★★★




