惑星の声
私は日々、自分が何をしているのかさえ分からない
何に向かい、何処に向かってゆくのか
ただ生まれ、日々をまっとうするだけの人生である
他者を想い、分かちあう
それでも良かったとさえ想う
私とは何だろう
やりたいように生きる
生きたいように生きる
そこに残るのは
何だろう
誰かの中の想い出の中に生きて
その誰かさえもいつか死ぬ
残したものさえ消えていく
まるでそんなことは気にせずに
すべてのものは生まれ
すべてのものが消えていく
とても不思議な世界
皮肉を込めて言うならば
いったい何がしたいのかさえも分からない
遥か次元の彼方の天井世界の出来事は
見ることさえも知らされることさえもかなわない
この世界の意図──
ただ存在していて
始まりも終わりもなく
繰り返されているにしても
例えるならば我々は、この惑星に広がる砂漠の砂粒のひとつ
旅人は気にも留めることもなく去るだろう
それよりも大きな空と海とに抱かれて
我々は、この惑星を創る土くれの一粒になろうとしている
ただ恋しくて
我々は、惹かれ合う引力とでも言える感情とか想いとか
自我を獲得して──
まるで磁力でも帯びたかのように引かれ合い別れる
この惑星さえも何かに惹かれて生まれたんだろうか
世界と離れ離れになって孤独に回転しているんだろうか
寂しくて我々を生み出したんだろうか
ならば、幾ばくかのこの命ある短い時間のうちに
この惑星の声を聴く
つまりは、この惑星に生まれた君の声を聴く
永遠を忘れるくらい、今
君に言葉を投げかける