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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あるヤリマ⚪。やる気満々の男たちに囲まれる

作者: ヒロモト

私にとってセックスは生き甲斐で宝で趣味で仕事で人生でした。

『⚪⚪町のヤリ⚪ンA子』なんて呼ばれ、ろくな人間ではありませんでしたが、一度も男性からのお誘いを断ったことがないのは私の誇りです。

お金なんて頂いたことありませんよ。

本来セックスとお金は最も遠い存在ですから。

私の前世は男性だったんでしょうね。射精したい。セックスがしたいという男性を見るともう愛しさと使命感でもうどうしようもなかった。

『私。あなたの気持ち分かるわよ』って。







あら?和一さん。来てくれたの?

あなたはとても優しい人でしたね。子供の時に友達の胸を小突いたらその友達が心臓震とうで亡くなったトラウマから誰にも触れられなくなったあなた。

だからセックスまで長い時間がかかりましたが、あなたの童貞を貰えたのは嬉しかったわ。もう人に触れるのは怖くない?よかったわぁ。



ケンちゃん!ケンちゃんなの!?まぁ立派になって!そっか。真面目に働いてるのね。

私とあなたが出会ったとき。あなたはホームレスだったわ。

毎日毎日あなたは私を求めた。でもセックスの度に泣いてたから心配だったのよ。

不安だったのよね?近隣住民と都のホームレス追放運動で明日どうなるかわからない毎日だったもんね。

『あの時の自分は臭くなかったか』って?私にとって男の人はみんないい匂いなのよ。



あら。覚えてる!覚えてるわ!『右手が恋人』の德ちゃん!あなたとはセックスまではしなかったわよね。

いつも「僕ばっかりごめん」って謝ってたけどいいのよ。

私。ご奉仕するの好きだもの。あなたのおかげで私。本番無しでも男の人を骨抜きにするテクニックを身につける事が出来たのよ。

今日は大丈夫?えっ?『A子さんの為なら』?嬉しいこと言ってくれるわね。



他にも懐かしい顔が一杯。ずいぶん集まってくれたのねぇ。ちゃんと約束通り独身者だけなんでしょうね?『バツイチはオーケー?』うーん。まぁ。シングルなら良しってことにしましょ!

フフフ。


ねぇねぇ。本当にみんないいの?私はもうおばちゃん。ううん。おばあちゃんよ?ガリガリだし激しい動きには耐えられない。

点滴もしてるしお薬も飲まなきゃだし……。

『のぞむところ?』『病気についてみんなで勉強してきた?』『今日は俺たちに身を委ねろ?』みんな頼もしいわね。

ホスピスを抜け出してきた甲斐があったわ。

先生は気づいてたと思うけどね。帰ったら謝りましょ。

……よっこいしょと。

ほらほら。私だけ脱いでたら恥ずかしいでしょ?

それとも脱がせてほしいの?


よしいいこ!全員やる気満々ね。


……その前に少し真面目な話をします。


私の体調的にこれが最後のセックスになると思います。

本当に。本当にみんな来てくれてありがとう。

『人はセックスで産まれる。だからセックスで死にたい』そんな私のワガママに付き合ってくれてありがとう。


辛気くさい?萎えた?全然?よーし。始めましょう。

言っておきますが死にかけだからって舐めちゃダメよ?全員足腰がたたないようにしてやるわ。







1週間後。瀬戸英子の葬儀には年齢も職業もバラバラな100人を超える男たちが集まった。










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― 新着の感想 ―
[一言] 中々素晴らしい哲学をお持ちなようで(^-^ゞ
[一言] 性病の伝導者
[良い点] 現代の聖女ですね ほっこりしました
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