かけおち悪女、見知らぬ部屋にワープする
気が付くと、わたくしは見知らぬ場所で立っていました。
無事に異世界へのワープが終わったようです。
それにしても、ここは……どこなのでしょうか?
ぐるぐると周りを見渡しますが、装飾も置いてある物も、現実で初めて見るものばかりです。
ただ、シンプルで小さいベッドがあることから、かろうじてここが、狭いけれどどこかの部屋であると認識できました。
誰かの部屋なのでしょうか。
異世界ワープの影響で、ここへ勝手に入ってしまったのなら、怒られたりはしないのでしょうか……と考えていて、ふと、エルネストの言葉を思い出しました。
『向こうで素っ裸だったらごめんね!』
…そういえば、わたくしは今どんな格好を……。
恐る恐る自分の体を見ると……やはり、何も着ていません!
「き、きゃあっ!」
思わず悲鳴を上げてしゃがみ込んだ後、何処からか足音が聞こえることに気付きました。
「…誰かいるの?」
そして、わたくしの声に答えるように、扉から誰かが入ってきたのです。
「きゃあああ!!」
「……!?きゃあっっ!!!」
…わたくし、今日は、悲鳴ばかり上げている気がします。
お互いに悲鳴を上げた後、わたくし達は黙り、ただ見つめ合いました。
しばらく空白の時間が続きます。
部屋にいるわたくしを見て悲鳴を上げたのは、とても可愛らしい女の子でした。
その可愛らしい女の子が、怪訝そうな表情をします。
そして、見た目に合わない意外と中性的な声で、こう言いました。
「……貴方、女性ですか?」
………。
「…はい?」
質問を投げられた私は、思わず自分の体を見ます。
「え、えーと……。」
……この方、わたくしのどこをどう見て、女性かと尋ねているのかしら?
自分で言うのも恥ずかしいけれど、顔や体型は女性らしいつもりだし、……そ、それに、今は何も着ていないのに…。
そこまで考えて、はっとしました。
…そうでしたわ!わたくし、今裸じゃないの!
なんてこと!同じ女性同士と言えども、他人に裸など見せるものではありません!
慌てて、自分の手でわたくしの大事なところを隠します。
けれど、自分の腕と手なんかでは隠しきれなかったのが、大きく実った……。
「いやどこからどう見ても女性ですわよ!?ほら!この溢れ出るような胸を見なさい!!」
思わず、そんなはしたないことを言ってしまいます。
私の言葉に、女性は「そ、そうですね!すみません!」と、小さく頭を下げました。
そして、頭を上げて、もう一度怪訝そうな顔を浮かべます。
「…そういえば、何故私の部屋でいるんですか?しかも裸で。」
わたくし、焦りながらもこう思わずにはいられませんでした。
部屋に入ってる私が言うことではないけれど…。
…それ、1番最初に尋ねることなのでは……?