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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第六十九話「写真」

そこかしこにいた荒くれ者はいつの間にかいなくなっていた。

断片の周りに集まっていった事であまり一般人に被害は無かったのかもしれない。

その分断片は危険だった事になる。


「おーい!幻視者ちゃんたちーっ!」


海乃さんがまた一人ぶん殴る。

バブルオブザーバーを解除。


「ボク達も手伝った方が良いー?」


ロシア人の断末魔が聞こえた気がするが気にしない。


「いえ、三人は休んでいて下さい」


「あと十人もいないからウミノとシャナノフさんに任せてよぉ」


自分は含めないのかよ!?

あ、パイルアップ・ドキュメントもフローズンスフィアも消費するタイプだから長期戦には向かないんだ。


「シャナノフさんはどうやって戦ってるの?」


近くに積まれたカゴに腰掛けながらミーセに尋ねる。


「あー、あれはイリュージョンエアガンって言って空気を打ち出す銃。殺傷能力は無いけど、銃弾を使わずに電気だけで撃てるから便利だよ。幻術とかを一切使わない純粋な科学だからシャナノフも使えるし。あと空気を押すだけだから銃の規制もすり抜けられるしね」


「「へー」」


かなりグレーな武器らしい、、、。

よく考えたら私達も傷害罪に当たるか、、、コードイマジンの力で揉み消しておくれ。

外道で犯罪者の双子が爆誕してしまう。


「じゃあ海乃さんの腕のは何?」


「私達も知らない」


「殴るのに使うみたいだけど」


海乃さんの方を見てみると、普通に殴っているように思える。

ただ、拳は触れていない。

ピアノみたいな音が鳴るだけだ。


「そう言えば、指揮棒とかピアノとか、音楽系の幻術が多い気がする」


「ピアノ?あれはオルガンの音でしょ?」


パイプオルガン、海外では単にオルガンと呼ぶ事が多い。

音楽も出来るのかミーセ。


「ま、まぁ、それで、海乃さんって音楽が得意なのかなって思ったのよ」


「聞いてみたら?」


「いや、海乃さんに何かを聞いたら止まらない気がして怖い」


以前、料理はするのかと尋ねたらピーナッツバターの素晴らしさを約三十分説かれた。


「はは。日本の幻想科学研究所も楽しそうだねー」


「確かに、一緒に暮らしてる時晴は大変そうだけど楽しそうだね」


「時晴ってどんな人なの?」


時晴に興味を持っても、ただの気の利かない長身の研究員だよ。

そうだ、伊寄さんが勝手に送ってきた時晴の写真があったんだ。


「こんな人よ」


「これ?ふふ、すごくかわいいよ」


私達のフリフリエプロン写真。


「「ばやーっ!?」」


急いでスマホを裏向ける。

画像を表示させる時に指が当たって次の画像を表示させてしまったのかっ!?

すごい量一斉送信されたから全部チェックしてなかったけど、まさかこんな爆弾が混ざっていたとは。

と言うかこの角度、隠し撮りか!?


「今のは忘れて下さいお願いします」


エプロン画像を削除し、改めて時晴の画像を見せる。


「こ、今度は合ってるから!」


「これが能登時晴ね!」


ミーセが時晴が写った画像を見る。

しばらく反応が無い。


「、、、この人が、時晴?」


「う、うん」


ど、どうしたの?

時晴の品の無い笑顔が気に障ったか。


「ボク、、、」


ごくり。


「一目惚れしちゃったよ」

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