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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第五十五話「疑問」

「なるほどねー。つまり、そのアポトーシスより先に断片を回収しなくちゃならないって事だよね」


「となると、、、ロシアに断片が?」


断片の話をした。

理解が早い。


「まぁーあ、ここに来たのはある意味ついでみたいなものかねぇ」


本人達の前で言わないで下さいよ。


「信号が弱いからまだ余裕はありますが、アポトーシスの事があるから早いに越した事は無いですね」


「もうロシアに来ているかもしれないですけど」


私達と同じようなレーダーを持っているとしたら、当然断片回収の際に出会う事になる。

毎回幻視者と戦っていたら命がいくつあっても足りるか分からない。

別に負けるつもりも死ぬつもりも無いけどね。


「ボクたちも手伝うよ。最近強い相手ってのに出会えなくて燻ってたんだー」


「これほど面白そうな研究を前に退く事は出来ませんね。やはり僕も研究者だったようです」


ここは素直に手伝ってもらおう。

ミーセは私達に匹敵する戦力だ。

、、、よく考えてみれば。

私達はいつからアポトーシスを敵として認識している?

研究所に侵入された時、上野途作が殴りかかって来た時、若草利得が私達が幻想科学研究所の者だと知った上で口封じしようとした時、負傷した時晴を背負って病院に向かっている時。

そもそも。

私達はなぜ戦っている?

私達は高校生で、一般人で、女の子で、たまたま自殺を止めただけで、バイトをする事になっただけで、人を傷付ける組織を許せなかっただけで、幻視者で、幻術が使える頭脳を持つ者で、やっぱり高校生だ。

疑問。

疑問。

疑問。

ぎも。


「ねー聞いてるー?」


「あ、えっと」


「ちょっとぼーっとしちゃってた」


これを考えるのは後にしよう。


「では、明日の朝五時。断片に接触しましょう」


いつの間にか早朝に行く事になってる、、、。

作戦会議を聞いていないと迷惑をかけてしまう。

ミーセが私達の間に入って小声で言う。


「断片は今海の上にいるから、漁業関係者かもしれないって。この時間に漁に出た船は大体五時くらいに戻って来るんだよ」


頷く。


「ここから漁港まで一時間程かかりますので、四時前に出発する事になりますね」


「じゃー今のうちにたっぷり寝ておかないとねそうだ近くに泊まれる所ある?」


「この研究所内にも客人用のお部屋がございますので、是非ご利用下さい」


「やたー」


「でも部屋は二つしか無いんでしょ?五人に二部屋で良いの?」


「だいじょーぶ。ワタシら三人は一緒に暮らしてるし、アワアワコンビともお泊まりしたからねぇ」


「「何か勝手にコンビ名決まってる!?」」


ミーセは何を思ったのか私達の肩に手を回す。


「じゃあボクはこの二人と一緒に泊まるーっ!」

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