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第七話「反比例」
学校からの帰り道、里奈は俺の少し前に出て振り向く。
「ねぇ翔也。お母さん出張なんでしょ?ずっと一人でいると不安じゃない?」
強がるように胸を張る。
「そんな事ないけど?行ってらっしゃいが無くてもちゃんと生きていけるけど?」
「はいはい。強がらなくてもいいから。そうだ!私が遊びに行ってあげようか!」
悪戯っぽく笑う。
しかし。
家にはカズサがいる!
絶対めんどくさい事になるから来ちゃダメだ里奈ぁ!
しかし。
俺の慌てる内心と反比例するかのように言葉が勝手に出てしまう。
「だから不安でもさみしくもないって。別に来なくてもいいから。」
「じゃ後で行くねー!」
そう言って別れる。
もう家の中だ。
「おいっ!なんでそうなんだよ!?、、、ったく、里奈はこういう時絶対自分の意見曲げねぇしなー、あぁー!なんとかしねぇと!」
俺と里奈の家は超近所だ。
早く帰ってカズサを隠さないと。
里奈に、オンナノコトドウセイって事がばれるとまずい。
カズサと出会ってから俺と里奈の動きがあまり噛み合ってない気がする。




