第五十話「許可」
楽しむ断片を回収してから二日、時晴は明後日退院する予定だ。
しかし、断片は待っていてくれない。
「次の断片はまた海外だよぉーう」
「今度はどこなんですか?」
スマホ越しに聞こえてくる伊寄さんの声は適当に告げる。
「ロシア」
「なるほど」
もう慣れた。
いきなり海外に行けと言われるのも。
断片を回収するのが大変だって事も。
「それとぉ、ロシアの幻想科学の研究機関がねぇ、面白い話を教えてくれたんだよねぇ」
「断片についてですか?」
「いーや。直接関係はしてないけど、キミらは興味あるかもって思ってさぁ」
私達が興味ある事?
「ロシアの幻視者と会ってみたくないかぁい?」
幻視者。
私達以外には、アポトーシスの上野と若草と名前も分からない侵入者しか確認していない。
「出発はいつですか?」
「おおっ、乗り気だねぇ。明日で良いかい?」
「「分かりました」」
「またどっか行くの?」
お母さんにはどう言い訳しよう。
「うん、明日から一泊二日」
そうだ。
こうしよう。
「友達の家でお泊まり会」
「男の友達?」
「えーっと、、、どっちも」
間違ってはいないよね。
「そっかー、、、じゃあまだ安心だね。ご飯は何とかするよ」
危なかった、、、これは男って答えたらだめなやつだったらしい。
一応お泊まりの許可も貰えた。
ご飯以外の心配は特に無いの?
さぁ、早速準備しよ。




