第四十八話「隠す」
「どうしてこうなったんですか?」
「ちょっとした喧嘩に巻き込まれました」
私達と時晴は医者に診てもらっている。
時晴はすぐに別室に運ばれたが。
「結構ボコボコにされましたね、、、まぁ、あなた達は軽傷ですが」
実際に殴られたのは五、六発だったし、電撃の後遺症も特に無い。
後は強化の式による疲労くらいか。
「もう一人は全治五日くらいですかね。これからは喧嘩は程々にして下さいよ」
「「はい、、、頑張ります」」
さて、診察も終わったし、時晴は入院する事になったが大事にはならなくて良かったし、やっと仕事終了だ。
しかし、もう一つ仕事が残っている。
怪我をどうやって誤魔化すか。
お母さんとお父さんは娘大好き人間だ。
その娘が怪我をしたと知ればきっと騒ぎ立てるだろう。
怪我をしたという事よりも、その理由をどう説明するかが一番の問題だ。
「「ただいま」」
「おかえる」
顔のガーゼはお互いの頭や、家具で隠す。
芸術的な角度で隠し抜く。
出来るだけ早く治ってくれ!
「お父さんは?」
「また仕事?」
「最近よく会社に行ってるみたい。方針が変わったのかも」
基本家で仕事しているお父さんが最近は出社している。
超重要なプログラムを作成中とか?
自分達の部屋にサッと入ってミウ・トートを起動させる。
治癒の式を作る。
そして今日中に治す!
「さぁ、頭を使うよ」
「たくさんね」
六次式で文字は四つ。
式は、、、三つかな。
電力の出力方式と神経系に伝達する時の電気信号の調整も。
治癒箇所の自動調整機能も付けようよ。
こっちの式は四次式で文字は三つ。
「アワリ、アワナ、ごはんー」
「はいはい分かってますよー」
「下拵えはもう終わってるからー」
ついに式が完成した。
疲労ではなく、傷を治す事に重点を置いた式だ。
始めるよ。
うん。
「「インビジブルポケット」」
拡張バッテリーをセットする。
顔のガーゼの裏側がじわじわと温かくなってきた気がする。
かがみかがみー。
ガーゼを外して壁にかかっている鏡を見てみる。
「「治っちまった!」」
この調子で全部治そう。
大した傷じゃないので、時間はかからなかった。
「今日のご飯はハヤシライスよ」
深みのある良い匂いがしてきた。
「お父さんの分はちゃんと残しておいてね」
「はいはーい!いただきまーす!」
どっちが子供なんだか、、、。




