第四十四話「思い出した」
今、何て言った?
私達にはこう聞こえた。
元断片の死体、と。
「どういう事だ!お前が殺したのか!」
「アタシは手を貸しただけだ。最終的にはアイツの判断だし、強制もしてねェ」
つまり、自殺。
思い出した。
アポトーシス。
異常のある細胞に自死を促す作用。
そう名乗るからには何か理由があると思っていたが、まさか本当に自殺を促す組織だったとは。
「自殺幇助だって犯罪だ!、、、そもそも、何で自殺させるんだよ!それでお前らに何の得が!」
時晴は激昂する。
対して若草は特に何とも思っていないかのように、いや、楽しむように。
「その調子だと知らねェのか。なら教えてやるよ」
「ぐっ!?」
空間打撃で一度時晴を殴って、時晴が倒れているのを確認してから言う。
「断片が自殺した時に一番近くにいるヤツに断片は引き継がれる。他殺だと世界中からランダムに選ばれたヤツに引き継がれる。人間以外には引き継がれない。断片は感情を増幅させて、精神バランスを崩す」
箇条書きのように説明していく。
「そして、アタシが今の断片。実感はあんまねェけど、とにかく楽しいんだな今ァ!」
時晴は拳を固く握る。
「人を殺しておいて何が、楽しい、だ。お前はそこまでして何してぇんだ!」
また一発殴る。
「解理が言ったんだよ。精神のリミッターが外れれば強くなれるってなァ。強くなるのは楽しいじゃんか!」
だめだ、まともじゃないよ。
こいつはここで捕まえなければいけない凶悪犯だ。
、、、突破口を見つける方法を見つけた。
出来るかどうかは分からない。
だが、やってみるしかない。
「「若草利得!」」
「どうした、まだ殴られ足りねェのか?」
二人の手から一つずつシャボン玉を生み出す。
ふわふわと若草の方へ向かう。
「このシャボン玉を割った人は爆発する!触れただけでも爆発する!そういう幻術だ!」
「これでお前を半殺しにする!私達の切り札、受けてみろ!」




