第四十二話「空間」
もう戦闘は避けられない。
時晴もわざわざ話しかけなくても良いのに、、、。
「あいつと断片の関係は分かんねぇけど、手がかりがあるのは間違いない!戦うぞ!お前らが!」
「「結局他力本願かいっ!」」
扉から飛び出す。
先手を取る!
「「ナックルエレキ!」」
ワカクサカガエは右手にハンマーを持っている。
木製のハンマーを横薙ぎに振るおうとする。
投げられる!
「がっ!?」
「アワナッ!?大丈夫かっ!?」
痛い痛い痛い。
ハンマーは届かなかったはずだ。
投げられてもいない。
嫌な予感がしてとっさに腕を出さなければ頭を打たれていた。
何が起こったの!?
「アタシお喋りだから教えちまうけどさァ。アタシ幻視者なんだよねェ。空間打撃って言うんだアタシの幻覚」
アポトーシスの一員なら幻視者かもしれないとは思っていた。
空間打撃。
その名の通りなら私をあのハンマーで空間ごと殴った事になる。
痛い。
一度下がるよ。
「一撃で終わりかよ双子ォ。解理は、オマエらは幻視者だって言ってたぞ。さっさと攻撃してみろよ」
引きずるように、引きずられるようにして下がりながら若草の挑発の言葉を耳に入れる。
「時晴!あのハンマーの動きをよく見て!空間ごと殴ってくる!」
「とにかくそこを離れろ!もう一回殴られるぞ!」
「つまりもう一回殴って欲しいって事で良いよなァ!」
距離を詰めようとはしてこない。
また空間ごと殴られる!
実際にどのくらいの範囲を殴る事が出来て、どのくらいの威力まで出せるのか不明だ。
だが、あのハンマーの動きが無関係なんて事は無いだろう。
ナックルエレキで上手く受け流せたりするかもしれない。
来る!
「左!」
タイミングを合わせて顔の横に来るだろう打撃を拳で迎え撃つ。
「むごっ!?」
今度は腹を狙われた。
倉庫の冷たい床を転がる。
方向は分かるが、どこを狙っているかまでは完全には予想出来ない。
どうする?
突破口を。
突破口を見つけなければ。




