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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第四十一話「覗く」

フィリピンから帰った次の日の丸一日家でゆっくり休んだ。

もう身体も全回復した。

そして、今日。


「じゃあ次の断片回収行くか」


「驚異の回転率!」


「そんなにぴょこぴょこ出現するの?」


現段階では断片の出現する時期や場所は予測出来ない。

レーダーに反応するくらい信号が強くなってからでなければ動けないのだ。


「場所は国内だから今日行けるな。ダッシュスクーターで二時間くらいだ」


「この前の移動に比べたら短い方かー」


「で、今度は何の断片なの?」


どの感情を増幅させるかで、その断片の性格もかなり変わってくる。

悲しむ、安らぐ、驚く、って来て次は何だろうね。


「楽しむ断片って所だな。信号はそこそこ強いからすぐに見つかると思う。あと先輩ら三人は忙しいから来られないって」


「「ちゃんと仕事あったんだ」」



移動中、ヘルメットの通信機で話す。


「一昨日回収した驚く断片の解析終わったぞ。断片はこのペースで行くとあと六個、合計九個存在するっぽい」


「消えた存在の事は何か分かった?」


断片はその、消えた存在とやらが元となっているらしい。

断片の歪み方のデータを集めれば消えた存在についても何か分かる、というのが現時点での考察だ。


「歪み方から感情の大きさの傾向みたいなのがちょっとずつ分かってきた。今の所、悲しみとか驚きの歪みは小さくて安らぎはやや大きめだな」


「消えた存在の性格とかかな?」




ベージュやグレーが続く地味な工業地帯。

そこで働く従業員が断片なのだろうか。


「駐輪場見つけたよ!」


「まぁ、ここで良いか」


ダッシュスクーターを止め、時晴はミウ・トートのレーダーを見る。


「ん?信号が無い」


「どういう事?」


「いなくなっちゃったの?」


出発する時には信号があったのを私達も確認している。


「断片は異常なほど感情が高まる。その結果自殺とか犯罪に走る事がある、、、手遅れだったのかも、、、」


「もう一回探してみてよ」


時晴が何度か探知し直してみる。


「だめだ、、、少なくとも日本にはいないみたいだ」


何も出来ないまま再び断片が出現するのを待てという事なのか。


「とりあえず、今まで反応があった場所に行こうよ」


「、、、もし、手後れだったとしたら、遺体発見と通報だけでも」


「そうだな」




最後に信号を確認出来たのはこの辺りだ。

近くは工場ばかりで、重機や資材が動かされる音が時々響く。


「不審な人物とかを見つけたりした時も教えてくれ」


三人で手分けして探す。

出来る限り工場の中も覗いてみたりする。

ここにはいない。

こっちにもいない。

やはりここではないのだろうか。

二人同時に着信。

時晴からだね。


「「はいはい?」」


「何かよく分からんが弱い信号が出始めたぞ。ミウ・トートが壊れてたって事は多分無いけど、まぁ、とにかく行ってみよう」


「場所は?」


「すぐ近くだ。スマホに送っとくぞ。じゃまた後で」


考えられるのは、信号がレーダーに反応しなくなるくらいまで弱くなってから今になって少し強くなった。

もしくは楽しむ断片は死亡し、その近くに新たな楽しむ断片が出現したか。

この辺り、、、いた!


「「時晴」」


「おー来たか」


倉庫の中にいるのか。

休みなのか倉庫の周りに人はいないようだ。


「ちょっと中覗いてみるか」


不審者の如く、重い扉を静かに開く。

三人で隙間から覗くと、広いが物は少ない倉庫内で二十代くらいの女の人が電話をしている。

こちらには気づいていないようだ。

声が倉庫内に響いているので会話が聞こえた。


「断片はアタシに入ったぜ。、、、自分じゃまだよく分かんねぇけどなァ」


今断片って言った!?

レーダーに反応したのはこの人だ。

どういう事?


「今断片って言ったぞ!」


「「バカ!声が大き」」


「あァ?不運にも消される事になったヤツらがいるみてェだな、、、一旦切るぞ」


気づかれた!

どうする逃げる!?


「もしかして、アポトーシスか?」


時晴は扉を開けながら凶暴そうな女性に尋ねる。


「はァ、そこまで分かってるって事はオマエら幻想科学研究所のヤツらだな。アポトーシスの事まで喋ったのは途作か?」


やはりアポトーシスの一員か。

まさかまた出くわしてしまうとは。


「この若草利得サマがきっちり口封じしておいてやるよ!」

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