第三十九話「維持」
元断片を特別部署とやらに引き渡す。
この部署にも名前があったりするのかな。
拘束はしていないが断片は回収したので大丈夫だろう。
ただ、この人は完全な無罪ではないと思う。
完全に暴走状態になるまでは意識もはっきりしていただろうし、人々の安全を脅かしたのは事実だ。
「じゃ、この人はお願いするね」
海乃さんと睦規さんが警察署の人と話をした後、元断片を引き渡した。
意識はあるが、やはり自分の行動はよく覚えていないようだ。
「俺と海乃はダッシュスクーターを取りに行ってくる」
「じゃあ私達はショッピングモールの駐輪場に行ってくるので、空港で待っておいて下さい」
「出発だ時晴っ!」
ヘッドロックされたまま歩き出す。
「お前らこの状態で運転出来んの?」
あー、、、。
「「あああああああーっ!」」
「どうすんだよぉぉぉぉぉぉっ!」
い、いや、運転くらい出来るかも。
座って手を動かすだけよ簡単よ。
「今危ない事考えたな」
「「じゃあどうすんじゃーっ!」」
「一つ方法がある」
あるのか、この極限の状況を打破出来る方法がっ!
時晴は歩みを止めずに言う。
「幻術で身体能力を強化するんだよ」
ふむふむ。
「これで運転に必要な最低限の身体能力を確保出来る」
「「おおっ!」」
「ただ、筋肉痛は結構来るぞ」
今でさえ脚がふにゃふにゃなのだ。
姿勢の維持だけとはいえかなり疲れるだろう。
いいや!
「頑張るっ!」
「明日から休養に入るっ!」
「そう言ってくれると思ったぜ!」
「随分疲れてそうだな」
「はい、、、」
「今も立っているだけで体力を大量消費中です」
やっと休める。
やっと力を抜ける。
飛行機に乗ったらコーヒーでも飲んで休もうかな。
「離陸致します」
力がどんどん抜けていく。
疲れたね。
「あー疲れ、は」
「眠っちゃったね」
「まぁ、今日も大活躍でしたし、仕方ないですね。すぐ着くけど」




