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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第三十四話「追いかけっこ」

空調で冷えたショッピングモールを駆ける。

人々は熱源となり、断片という異常な存在をサーモグラフィーから隠しているように感じられる。


「どこ行った断片!」


「手分けしようよわたしこっち行くね」


じゃあ私達はこっちに。

飲食店が並んでいて、昼前という事もあり人が多い。

フィリピン料理。

イタリア料理。

ラーメン店。

これは中国?

日本?

ハンバーガーチェーン。

ポテトを口に運ぶ断片。


「「逃げないのかよ!」」


「あー、予想通りの返しだったな。驚けねぇよこんくらいじゃ」


ツッコミにケチを付けるな断片のクセに。

ハンバーガー店に入ろうとするが、商品受け取りの列の向こう側にいたのですぐにどこかへ消えてしまった。


「断片を発見しました!ハンバーガー店の辺りです!」


断片を探しながら複数人同時通話で報告する。


「うぉっ!?こっちにいます!」


スマホの向こう側から笑い声が聞こえてくる。


「はは、ひ、か、、、な!さ、きのは、せものだ!、、、ってのも、うっそーっ!」


「あ!おい!東口から外に出ました!ポテト食ってます!」


このままじゃいつまで経っても追いつけない。

暴走が始まる前に回収しないと。

そうだ信号!


「時晴!信号は?」


「交差点の方に行った!」


「違うそうじゃなくて」


「強さよ強さ!」


時間経過や、感情に刺激を受ける事でどんどん症状は悪化していく。

レーダーは断片の出す歪みを検知するが、その際、断片から出る信号は悪化と共に強くなる。


「さっきより強いような気がする。ショッピングモールに入った時から、十五分。このペースだと前みたいに暴走するまであと一時間くらいだと思う」


追いかけっこをしている程の余裕は無い。

早く捕まえないとね。


「おい赤だぞ!」


さっき、時晴は交差点の方に行ったと言っていた。

つまり、赤信号の交差点に突っ込むつもりなのか。

東口は近い。

だが、人が多くて全速力で走る事は出来ないので予想以上に時間がかかってしまった。

交差点、、、あれよ!

走りながら目撃する。


「とうっ!はっ!おっ危ね」


色々な方向から来る自動車を当たるスレスレでかわす。

自動運転にも限界はある。

急に進路を変更する事は出来ない。


「時晴ー!どうするのー!」


「青になるまで待つしかねぇ!ったく、何やってんだよあいつ!」


もうそろそろ犯罪になると思う。

警察に捕まったりすると厄介だ。

別にやましい事がある訳ではないが、すぐに断片や幻術を理解してもらえるとは思えない。


「驚きはそこそこだな。もっと、やった事無い事やんねぇと驚けねぇ!」


歩行者用信号が青になると、断片は街の中心部方面へ。


「おいおい!今度は何するつもりなんだ!?」

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