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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第二十九話「ほっと」

着替えと予備の靴はポータブルクローゼットに入れた。

バッテリーも入れた。

スマホ、ミウ・トート、リストバンドでバッテリーは共通なのでまとまっていて楽だ。


「「行ってきます」」


「強くなって帰ってくるんだぞぉ」


「お土産よろしくねー」


はいはい分かってますよ。

今日は電車を使うので駅まで徒歩だ。

座標さえ分かればインビジブルポケットで直接行けるのに。

密入国か。


「ドアが閉まります」


おおう危なかった。

何とか乗り込む事が出来た。

乗り換えも無いので後はただ突っ立っているだけで着く。

夏休みという事もあり、それなりに人が多い。

朝八時なのに大変だね。

私達もよ。


「次は、オールステーション前、オールステーション前」


ここね。

電車の駅部分と空港部分は繋がっていて、構内を通って行く事が出来る。

待ち合わせはこの辺り、、、。


「おー来た来た」


時晴達だ!

小走りで向かう。


「おはよー」


「海乃さんと睦規さんは何で白衣なんですか?」


「幻術によって内ポケットから研究所内の格納庫内の物を取り寄せられるようになっている。念の為だ」


インビジブルじゃないポケットと言う訳ね。

時晴は貰えなかったのか。


「じゃ行きましょうか」


とぼとぼ歩き出す。


「専用のジェット機でもあれば楽なのにねーさすがにそこまでの予算出ないかー」


世の役に立つ研究をいくつもしているとは思うが、ジェット機は与えなかったようだ。

政府は正しい判断をしたと思うが。

この人達ならぶっ壊れるまで飛び回りそうだよ。


「離陸致します」


ふわりと浮き上がる感覚が不思議だ。

久しぶりの天空に思わずテンションが上がってしまう。

高ーい!

雲ーっ!

翻訳機を腰に付けた金髪のキャビンアテンダントが尋ねる。


「お飲み物はいかがですか?」


コーヒーを貰う。

砂糖とミルクを少し。

ほっと一息つく、ともう到着だ。

交通が発達した結果、地球の裏側まで行くのにも六時間もかからないのだ。


「いやーフィリピン到達ーっ!あんまり実感ねぇけどなー」


通貨の両替は空港内で済ませた。

翻訳機で言語も通じる。

街が賑わう様子も日本と対して変わらない。


「これからどこ行くの?」


「まずダッシュスクーターを借りに行こう。そっからは夕方まで移動」


リニアが近くを通っていれば良かったのに。

それかダッシュスクーター以上リニア以下の交通手段があれば。


「ダッシュスクーター五台、二日で」


「承りました。明日の午後八時までにお返し下さい」


ヘルメット良し。

充電良し。

フィリピンのどこかに、出発!

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