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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第二十三話「三連撃」

こいつと戦っていて分かった事がある。

対象。

脚や頭は生やせない。

腕二本分だけ。

出力。

普通の腕と同じ動きで、同じ力しか無い。

ただ、損傷しても身体の中に戻せば傷は治る。

おそらく痛覚などは無いか、感じにくい。

生やす時のルール。

生やす位置を変える時には一度身体の中に戻してから出ないと生やせない。

つまり、生やしたまま身体の上を動き回る事は出来ない。

腕の特殊な能力。

服を貫通して生えている事を考えると、把握出来ているものなら、透過出来るのかもしれない。

海乃さんの指揮棒を即座に透過させることは出来ていなかった。


「結構ヒントだらけじゃん!」


「対策はいくらでも考えられる!」


敢えて相手に聞こえるように声に出す。

この程度で動揺するとは思えないが、こういうのは積み重ねだ。


「お前たちの対策も思いついた」


突き出していた拳を右にすっと避けられる。

なら私がもう一発!


「つかまえたぁっ!」


顔から出た左手が右手を。

右手で左手を掴まれた。


「「はあっ!」」


左手で殴りにかかる。

右手で殴りにかかる。

が、左手を左手で。

右手を肩から出た右手でまた掴まれた。

まずいっ!

ぎりぎりと力を入れられて痛い。


「おらよっ!」


がっ!?

お互いの身体をぶつけられて、よろける。

そこに。

腹から生やし直した腕で腹を。

踏み込んで腕で同じように腹を。

やや交差した腕、掌を向け、右から左、左から右を打たれる。

まともに三連撃を食らってしまった。

痛、、、。

確実に肝臓を狙って来てるよ。


「ごほっ」


「がふっ」


「まだまだ行くぜぇ!時間稼ぎされてんのは面倒だからなぁ!」


くっ。

やはり戦闘の経験が違う。

むしろこの時代に戦闘経験が豊富なこいつの方がおかしいが。

こっちは頭を使おう。

合わせて常人の約一、五倍の頭脳を。


「おりゃっ!」


公園の砂を投げつけていく。


「インビジブルポケット!」


かなり電力を使うが仕方ない。

拡張バッテリーもあるし、何とか。


「なっ!?」


砂に気を取られていた上野に重量が襲いかかる。

穴を大きくすると電力をより多く使ってしまう。


「オレよりも外道じゃねえかおいっ!」


取り寄せたのは木製のベンチテーブルだ。

地面から独立していて助かった。

さすがに骨折まではしてないだろうが、しばらくは動けまい。

結局、ヒントとか全部無視しちゃったよ。


「重っ!馬鹿じゃねぇのかっ!下手すりゃ死んでたぞ!」


「「ギリギリの殺し合いが好きなんでしょ?」」


ベンチと上野は後でどうにかするとして、今は急ごう。

断片が暴走してたらダメだもんね。

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