第十八話「電子化」
「おーい!俺の書類たちー!どこにい、、、」
時晴がこちらに気付いた時には、もうドキュメントがパイルアップしていた。
「俺の書類たちになんて事を!待ってろ今行くからな!」
半分くらい私達のせいだから拾ってあげるかね。
「ん?」
「これは?」
拾った書類はこう告げていた。
「「安らぐ断片」」
時晴が到着して、ぶつぶつと散乱した紙を拾い始める。
「ねぇ時晴」
「この安らぐ断片って何?」
拾いながら答える。
「ああ。そりゃ新しい断片の情報だ。明日探しに行こうと思ってたんだけどせっかくお前ら来てるんだし今日行くか」
結構急ね。
「場所は分かるの?」
「レーダーは俺のミウ・トートについてるから場所とか種類は分かる」
「断片に種類なんてあるの?」
さっきの書類には、安らぐ、と書いてあった。
「断片はいくつも散らばってるが、それぞれ何の感情を増長させるか決まってるっぽい」
「へぇなかなか奥が深いねぇ」
この前のは悲しい気持ちを増幅させる断片。
今回のは、安らぐ。
安らぐ気持ちを増幅して害なんてあるのか。
書類をまとめて、大事そうに抱える時晴。
「そういえば何で紙なんて使ってるの?不便でしょ?」
そういう不便を楽しむ事こそが趣味なのかもしれないが。
「そりゃ、科学者は歴史研究も必要だからな。昔の技術も知っておくべきだ」
確かに、学校でも完全には電子化はしていない。
教科書は電子端末にまとめられているが、資料集などは敢えて紙の物を使っていると聞いたことがある。
理由には、紙に触れる機会を持つ、というのもあるだろう。
こちらとしては、重いし家に忘れるし、メリットをあまり感じないが。
「じゃ、さっさと行くか。今のところまだ生きてるみたいだし」




