第十六話「色」
「「おはよーう!」」
グローバル化が進み、様々な髪や眼や肌の色の生徒が騒ぐ教室に踏み込んでいく。
たしか私達もお母さんのおじいちゃんがフランス人だったような。
会ったことは無いけど。
一クラスしか無いので教室には最大四十五人入る事になる。
グローバル化と共に少子化も進んでいるのだ。
「おはよータジマ姉妹ー」
彼女は仲の良い友達の端波ちゃん。
ハナミちゃんはいつも物を貸してくれる。
「あ、資料集返すねありがとう」
カバンから資料集を取り出して返す。
その時、ハナミちゃんは手首のリストバンドに気が付いたようだ。
「リストバンドなんて何で着けてるの?」
「ファッションよファッション」
「かっこいーでしょ」
自衛のために基本外に出る時は着けるようにしている。
腕時計みたいな感覚だ。
結局、平日と言うのは長いようで短い。
もう夏休みだ。
ここから研究所に入り浸る毎日。
幻視者も苦労する。
今日は終業式だけで午前終わりだから研究所で幻術の練習でもしようかな。
やっぱり私達は才能に溢れているようだから、幻術の理論はかなり理解出来てきている。
「「ただい」」
「アワリ!アワナ!もうワタシはお腹ペコペコだよ!どうして終業式の日は出る時間が遅いの!その分早く帰ってきてご飯作ってくれないと!」
あーはいはい。
お腹空かせてごめんなさいね。
「チャーハンで良いか」
「平日の昼だしね」
家にある食材で充分足りるだろう。
「あれお父さんいないの?」
お父さんはプログラマーだ。
基本家にいて仕事をしている。
「なんかの打ち合わせだって」
「ふーん。リモートで出来ない大事な打ち合わせなのね」
「そう言えば、ご飯食べたら出かけるから」
「どこに?」
ちょっとぼかして言おう。
「バイト仲間と打ち合わせ」
「大変だねー、あ、じゃあ二人の分のおやつは食べとくね」
娘達の行き先よりおやつの方が大切らしい。




