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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第十五話「お母さんとお父さん」

「色々あったけど、今日のバイト終わりな」


今度はちゃんと帰れるだろうか。

ロックは大丈夫。

怪しい人物も無し。

ダッシュスクーターに乗り、ヘルメットを装着。

もう土日が終わってしまう。

夏休みが来るとこれ以上忙しくなるのか。

ダッシュスクーター専用道路をスイスイと進みながらそんな事を考える。


「「ただいまー!」」


疲れを見せないように元気よくドアを開ける。

昨日今日とお昼はちゃんと食べられたか大人達よ。


「おっかえりぃぃぃっ!」


「寂しかったぞーかわゆい娘たちーっ!」


お母さんとお父さんが躍り出てくる。

元気で何より、、、。


「バイト始めたせいで全然家にいないじゃないの」


「お父さんお母さん、寂しくて弟かいもう」


「「もう言わなくていいです」」


バイトはコンピュータ関連と言ってある。

幻覚自体を知っているわけではないし、知れば心配するだろうと思ったからだ。

特に、今日なんか首絞められかけたしね。

さすがに痕はついていないだろうが。


「あのねあのね、今日はお父さんと一緒にお買い物したのよ」


「美味しいもんもいっぱい食べたぞ。安心しろ二人のためにプリン買ってきたから」


子供のようにはしゃぐ。

この両親、田島数沙と田島淡二は仲が良すぎる。

もちろん私達とも仲良しだ。


「ん?二人ともそのリストバンドどうしたんだ?」


「あ、いや、も、貰ったの!」


「ば、バイトの先輩にね」


一応間違ってはいない。

このリストバンドが幻術を使うための信号を身体に送っている事は言っていないが。


「、、、先輩は男の人か?それとも女の人か?」


お父さんが震えている。


「貰ったのは女の人からだけど、、、」


「え!?何で男の人じゃないの!」


「こんなに麗しい二人を男が放っておいて良い訳が無い!次のバイトはいつだ?お父さんが物申してやる!」


男と言うのが正解だったか。

大体こういう場合男って言うと、うちの娘はやらん、的な事になると思ったんだけど。


「来なくていいよ」


「怖がられるでしょ」


ガクッとしながら二人はソファに座って身を寄せる。


「ついに二人も反抗期に突入してしまったとは、、、」


「いつか来るとは思ってたんだけど、、、ワタシ悲しい」


めんどくさい状態になった。

別に反抗期とかそういうのは来ていないのだが。

親というのは反抗期をよほど恐れているらしい。


「はぁ、、、大丈夫よ」


「私達は二人の事愛してるから」


二人の頭を撫でる。

伊寄さんにお母さんって言われたのが現実味を帯びてきてしまった。


「「アワリぃぃ、アワナぁぁぁぁぁん」」


本当に四十歳男性と三十九歳女性なのだろうか。

結局、機密情報が流出とか色々あったけど、日常は変わらないものよね。

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