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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第十二話「セキュリティ」

その日、深手を負った。




「夏休みっていつからだ?」


「来週の金曜日が終業式よ」


「つまり実質来週の土曜日から夏休みね」


時晴のこの質問に嫌な予感センサーが反応する。

当たりだ。


「夏休みの間、週六日くらい来られるか?」


「「過労死するわ!」」


学生をなんと思っているのか。

夏休みの宿題だってたんまりあるだろう。


「頼む!犠牲者が増える前に出来るだけ早く回収したいんだ。、、、バイト代は弾むから」


「「仕方ないなー!」」


お金をくれるのなら抗えない。

おかねだいすき。


「ちょろいねぇキミら」


上手く使われている感じがしないでもないがお金のためだ。


「じゃ今日は早めに帰っていいぞ」


さー帰ろー!

既に配られた夏休みの宿題をさっさと終わらせよう。

正面玄関のロックを開けて外に出ようとする。

しかし、異常が。


「ロックが」


「開いてる!」


機密情報も多く扱っているこの研究所ではセキュリティもかなり厳重だ。

閉め忘れが無い事はちゃんと確認した。

他のラボの人は?

なくは無いけど。

とにかく!

戻ろう!


「はぁ、はぁ、正面玄関のロックが!」


「開いてた!」


時晴は顔色を変える。

事の重大さにすぐ気が付いたようだ。


「な!?四重のロックだぞ!?」


「他のラボの人って事は?」


「第三ラボ以外は認証すら出来ないようになってる。他のラボの人じゃねぇ」


「侵入者を探すぞ」


睦規さんと伊寄さんと時晴が走って消えていく。

私達は海乃さんと逆方向へ。




「侵入方法は分かりませんが、目的はおそらく機密情報。ならまずは!」


三人、制御室に到着。


「機密情報を盗み出すつもりならここにいるはずです」


時晴、ドアを開けようとする。


「な、は!?パスワードが変えられてる!」


「一足遅かったよぉだね」


「だが、ここにいる、もしくはいた事は確実だ」


ドア、唐突に開く。


「急に開いた!?」


誰か、ドアの向こうに立っている。


「楽勝だな。お前達は遅すぎた」


「誰だ!」


男、腕輪をした右腕を三人に向ける。


「名前聞かれて素直に答える訳無いだろ。そういう所が甘いって分からないのか?」


男の掌、突風を吹き出し、三人を襲う。

三人、廊下の壁に叩きつけられる。


「がっ!?」


「くっ、幻術か」


「さっき少しだけ覗かせてもらったが、断片って呼んでいるらしいな」


「、、、断片が狙いなのか!?」


「意外って顔だな。視線が揺れているぞ」


時晴、立ち上がり、大きく踏み出す。

睦規、白衣の内ポケットからゴム製のボールを取り出す。

伊寄、同じく白衣の内ポケットから封筒を取り出す。


「お前達も幻術を使えるのか。、、、だが、俺は別に戦いに来た訳じゃない」


睦規、ゴムボールを男の足元に投げる。

ゴムボール、バウンドせず炸裂し、床が凍りつく。


「バレバレだ」


男、コンピュータが置かれている机の上に飛び乗り、回避する。

伊寄、封筒の口を開け、男に向ける。


「これなら!」


封筒、大量の紙を連続で飛ばし、男を狙う。

男、風を使って、走ってくる時晴に紙をぶつける。


「そう来ると思った!」


時晴、向かってくる紙を拳で殴る。

時晴の拳、燃え上がり、紙を燃やす。

炎、紙を伝って男に向かっていく。


「ちっ」


男、風の放出を中断し、後ろへ倒れ込むようにして回避、受け身を取って机から落ちる。


「言っただろ、戦いに来た訳じゃない」


男、倒れたまま呟く。


「目的は果たしたし帰るぞ」


男、床に吸い込まれるように消える。


「消えた!?」


「逃がした!まだ近くにいるかもしれない!探しましょう!」


「いや、追うのは駄目だ。相手は幻術を使う。俺達では捕まえられない」


時晴、歯を食いしばる。


「、、、分かりました。海乃さんたちと合流しましょう」


「向こうは何も無ければいいんだけど」

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