第五話「消滅」
朝食はきちんと食べるのが健康と美容の秘訣だ。
「みそしるお待ち!」
「おさかなお待ち!」
基本的に食事は私達で作るようにしている。
以前お母さんが作ったら、先に食べたお父さんが消滅しかけた。
お父さんは忙しくて作れないしね。
「いただきます!」
お母さんはハンドメイド作家なので家にいる事が多いのに、急いで食べようとする。
お母さんがもぐもぐと食べていると、二つのスマホが同時に鳴った。
メッセージね。
スマホを開けようとすると。
「先にご飯食べなよぉ」
「「お母さんは食べ始めるの早すぎ」」
とりあえず先に食べよう。
「「ごちそうさま!」」
時計の針は七時四十五分を指している。
とりあえずメッセージを見てみる。
「今日はここに八時半な」
「時晴からね」
下に地図のリンクが貼られている。
一括送信なのか、二人に同じ文章を同じ時間に送ってきた。
地図を見る。
理解する。
「「家から四十分はかかる」」
つまりあと五分で出発しないと間に合わない。
お揃いのパジャマ。
ピンチだよー。
ピンチだねー。
「「お母さん!片付けは任せた!」」
「えー行っちゃうのアワリー、アワナー!」
二人で違う作業を同時に行えば最速で支度が出来る。
服持ってくるよ。
髪とかすね。
髪はあまり長くないから楽だ。
「七時五十分!」
「セーフ!」
「「行ってきまーす!」」
「お、こんな早くから出かけんのか?」
「「お父さんおはよう行ってきます」」
今はお父さんに構っている暇は無い。
ヘルメットを装着し、ダッシュスクーターに乗る。
風の如く進む。
「時晴もなんでこんな直前に言うのよー!」
「これだから無神経は!」




