第二十八話「短距離」
建物の一階部分を丸ごと吹き飛ばす大爆発。
巻き込まれればまず助からない。
「「危なかった!」」
爆発の直前、咄嗟に転移の式で逃げなければ私達のキュートな身体が焼け焦げていただろう。
これを仕掛けたのはパワードスーツの女。
自分が巻き込まれないためには遠隔操作をし、かつ私達が降りてくるタイミングを知る必要がある。
時間的にそこまで遠くに行けない。
ならばすぐに探し出す。
「「てなっ!?」」
転移の式で逃げた先はさっきまでいた建物から少し離れた場所。
深く考える間も無く転移したため、こうなる。
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
「「バブルウォール!」」
掌からシャボン玉を発射する。
シャボン玉は一メートル飛んだ後破裂して丸い盾となった。
盾は電気で出来た細長い弾丸の連射から一秒だけ守ってくれた。
その一瞬で横に跳んで転がり、転移の式で開けた穴に再び飛び込む。
これも深く考えられなかったため、短距離の転移となった。
「ただの子供じゃないのは見て分かったよ。こっちが終わったらすぐに」
言い終わる前にミーセの触手が真っ直ぐ飛んだ。
幻視者は半透明の壁でガードしつつ、右の掌から光弾を乱射した。
注意がミーセに向いている間に、急いで建物の陰に隠れる。
「さっきから状況に」
「流されっぱなしな気がする!」
行動しているのではなく、行動させられている。
きっかけはパワードスーツによる奇襲。
「パワードスーツを見失った」
「相手の幻視者にも気付かれた」
状況はかなり悪化してしまった。
何か起死回生の一手は無いのか。
誰にも予想出来ない、イレギュラーな一手は。
そこで、ふと思い当たった。
「、、、あった」
「起死回生の一手」




