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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
and truth

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第二十六話「頬」

相手は私達の存在を知らない。

不意打ちの大チャンスはここしか無い。

建物の屋上から飛び降りて、転移の式で穴を開けて、落下の勢いを使って蹴りを入れよう。

行くよ。

三、二、い。


「ぶぁっ!?」


な、何が、、、。

突然頬に大きな衝撃を受けた。

私達が精神を共有した双子でなければ痛みで状況判断もままならなかっただろう。


「ぱ、パワードスーツ、、、」


転がったまま襲撃犯を見据える。

ずっとマークされていたのか、たまたま今ここを見つけただけなのか。

どちらにしろ気付けなかったのはこちらの不覚だ。

痛みがこっちまで伝わってきている。

痛い、、、。

こいつがミーセを拐ったパワードスーツ。

特殊な素材で出来ているであろう白い装甲はひび割れ、配線が丸見えになっている部分が何ヶ所もある。


「運動機能もかなり落ちてしまっている。意識も落とせないとは」


声は女性のもののように聞こえる。

中身は女だったのか。

手加減するつもりは無いけどね。


「、、、いったいのよ」


「おかげで不意打ちのチャンスを逃しちゃったじゃん」


何とか立ち上がる。

左手で右の頬を覆い、治癒の式で治す。

骨は折れていないようだ。

こいつが言っていたように運動機能は万全ではないのかもしれない。


「フィルターの邪魔はさせん。夢の実現のためにはミーセ・ラブゼアンが必要だ」


「邪魔?」


「それ、私達の得意分野だよ」


治療をさっさと終わらせ、拳を握る。


「「ナックルエレキ」」


拳から電撃のバリアを発生させる。

拳の殴る面だけを硬くして、電力消費の効率化を図った幻術だ。


「子供であろうと容赦はしない」


強化の式百三十パーセント!

普段の一、三倍の速度で突き進む。

双子ならではの二方向同時攻撃。


「「はあぁぁぁぁっ!」」


左の拳は頭を横に振る事で回避され。

右の拳は手首を押し上げられ、軌道をねじ曲げられる。

一瞬のタイミングのズレを利用され、腕を掴まれて投げ飛ばされる。


「わっ!?」


怯まず投げの隙を突いて回し蹴りを放つが、咄嗟に屈まれて空振りに終わる。

インビジブルポケット。

空中で転移の式による穴を空間に生成し、穴を通って安全に着地する。

この屋上から落ちればまず助からないだろう。


「よっと」


深追いはせず一度下がる。

相手はパワードスーツに身を包み、攻防共に高い能力を持っていると言える。

接近戦は不利だ。

そして、わざわざ相手の有利な距離で戦う必要は無い。

合流し、腰を落として構える。


「エレクトロバブル、吸収範囲五倍、破壊の式」


「ここからは遠距離戦よ」

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