第二十四話「盛大に」
浮遊しているイズ。
その頭上の光球は光の弾丸を発射して全方位に自動攻撃を行っている。
「横の肆」
浮遊を解除し、地面に降り立つ。
周りにいた構成員は倒れているので着地点には困らない。
「これ以上時間はかけない」
イズはコンテナが積み上げられている方に向かって走る。
ライターが同じ場所に留まっているとは限らないが、相手が攻撃してくるのを待って位置を割り出すのも面倒だからだ。
電気を纏った木刀でコンテナを叩く。
金属製のコンテナに電気が駆け巡る。
「がっ!?」
ライターではなく、ただの構成員だった。
イズの攻撃から逃げるため、コンテナの中に隠れていたらしい。
「下の伍」
振り返って雷電を放つ。
建物の陰からライターの顔が引っ込む。
イズは僅かな物音や空気の流れなど、気配と呼ばれる物を察知して相手の先手を取ったのだ。
「下の肆」
足元に泥沼を作り出し、沈み込んでいく。
一度相手から見えない場所に移動するのだ。
「逃がさないっ!」
倒れていた何人かが起き上がってイズに掴みかかろうとするが、雷刀であっけなく振り払われた。
「お前達では足止めにすらなり得ない」
イズは田島姉妹に、海乃達の様子を見るように頼まれた。
こんな所で時間を潰していてはならない。
「下の弐」
炎を発生させ、人を遠ざける。
田島姉妹と暮らすようになってから炎の温度は下げてあるので少しくらい当たっても死にはしない。
泥沼に完全に沈み込み、別の場所に転移した。
近くの建物の中だ。
戦闘が起こっている事は知れ渡っているため、中には誰もいないと考えたのだ。
予想は的中。
更衣室のようだ。
「横の伍」
身体から微弱な電磁波を放出し、相手の位置を探る。
建物の中であっても、外界に繋がる部分から迂回するような指向性を持たせれば検知は可能となる。
「動き続ける点が一つ。それがお前だ」
イズはライターがいる方向を向き、躊躇無く右手の人差し指を下に伸ばした。
「下の壱」
巨大な氷の花束は建物の壁を盛大に破壊した。




