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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
and truth

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282/307

第二十話「触手」

イズの下の肆、泥沼によって転移し、建物の屋上に降り立った。

四階建てくらいの高さで、ミーセと幻視者の戦いの全体像が見える。


「バブルオブザーバー」


感覚を持ったシャボン玉を掌から一つ生み出す。

より詳細な情報が欲しいため、偵察させるのだ。

シャボン玉が見た物、聞いた物は私達にも共有される。

相手は私達がここにいるという事を知らない。

そのアドバンテージを最大限に活かすため、来たるべき奇襲の時に使う情報が必要だ。


「、、、を潰し損ねたのも予想の内なの?」


「まぁね。予想と言うより可能かどうか試しただけって感じだけど」


余裕を見せる金髪の幻視者。

空中で立っているように見えるが、半透明な足場がうっすら見える。

シャボン玉とは言え、近付きすぎれば気付かれてしまう。

建物などの陰に隠れながら様子を窺う。


「これからボクがどんな事をするかも予想してみる?ボクに勝てるか試すって言い方でも良いけどね」


ミーセはそう言うと長い銀髪を細い電気のロープで縛った。


「ヒント。この幻術の名前を教えてあげる」


ミーセは右脚に巻いた演算装置に小さなバッテリーを差し込みながら言う。


「クレバーテンタクル」


頭、背中、腰、腕、裏腿、脛から電気のロープがうねうねと伸びていく。

ロープの先はナイフになっていて、ガラガラヘビの尻尾のように揺れている。


「へぇ、幻術ってそんな事まで出来るんだ」


金髪の男は床にしていた半透明の板を降下させ、地上に降り立つ。


「予想だと、その触手が自由自在に伸び縮みして攻撃する。合ってるか?」


「ちょっとは当たってるよ。ちょっとだけね」


それだけ言うとミーセは姿勢を低くして、触手のようなロープをなびかせる。


「でも本質は別にある」


強化された脚力で駆け出した。

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