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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
on truth

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第三話「一安心」

「「幻覚?」」


思わず聞き返してしまう。


「無いものをあるように思い込む事。本来はそういう意味だが、まぁ俺らは先天的な異能の事をそう呼んでる」


「で、私達の幻覚がその、精神共有って事?」


今まで謎だった私達の能力。

納得がいく。


「そういう事だ。、、、ここで長話もなんだし、場所移すか」


「そんな事言ってどこかに連れ込むつもりなんじゃないのー?」


「話の流れで分かるだろ!大体、俺はロリコンじゃなぶっ!?」


こんな男はほっといてカバンでも拾って来ようよ。

そうね。


「いっつぅ、悪かった!俺が悪かったから行かないでくれ!幻視者は貴重なんだよーっ!」


幻視者とは幻覚を持っている人の事だろう。

どこまでもイタい研究所だ。


「ついて来ないでくれる?」


「不審者ーって叫ぶよ」


「な、なんか食うか?パフェとかなら奢るぞ」


ぱ。

ふぇ?


「「話だけなら聞きましょう」」




カバンは無事だったので一安心だ。

パフェも美味しくて一安心だ。


「それで、あの人は結局なんだったの?」


明らかに正常ではない。

とりあえず近くのベンチに寝かせておいたが結局大丈夫なのだろうか。


「あいつは断片に憑かれてたんだよ」


またイタい専門用語が出てきた。


「断片の話は長くなるからひとまず置いといて、断片に憑かれると、感情のうちどれかが馬鹿みたいに爆発する。それで、コントロール不能になったやつは大体死のうとする」


となると、さっきの男は悲しみか何かが爆発していたって事ね。


「で、これの出番って訳だ」


そう言ってリュックにガサゴソ手を突っ込んでさっきの円盤を取り出す。

吸い込む前は白かった真ん中が、吸い込んだ後は赤く光っている。


「これは枠円。憑いてる断片を吸い込む装置だ。俺が開発したんだぜ」


自慢げに見せつける。


「ふーん、幻想科学研究所は時晴しかいないんじゃないの?」


皮肉混じりに言う。


「んな訳あるか!断片を発見したのが俺だったから俺が全部やってるだけだ。一番若い俺には助手も賛同者もいないんでね」


「若いって、何歳なの?」


二十八歳よ!

いいや、三十歳ね。


「二十三」


「「思ったより若かったー!」」


「お前ら今老けて見えるって思ったのか?」


なんでだろうね。

目が細いから?

話題を戻すように切り出す。


「幻想科学研究所って結局何してるとこなの?」


「そもそも、何百年も前から、科学が思ったより進歩しなかったのは幻想科学が発達したからだ。明治時代、島美香子が幻想科学を発見してから、秘密裏に研究されてきた。しかし、約二百十年前に公にしてからは世界はその技術にぞっこんだ」


現代において幻想科学はどこにでも使われている。

以前は幻想のように思われていた新しい科学だから幻想科学だ。

生まれ変わりとかタイムトラベルとか、オカルティックな事もサイエンスフィクションも証明、完成されてしまった。


「俺らは幻想科学のまだ一部分しか見ていない。幻想を全て解き明かすのが研究所の目標だ」


ふーん。

幻想科学って深いのね。


「これからお前らの研究もしたいし、連絡先聞いておいていいか?」


「お前らの研究?」


「連絡先?」


「「やらしぃー」」


「だから俺はロリコンじゃばごっ!?」

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