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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
and truth

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272/307

第十話「どうでも良い」

「ミーセ、助けに来たよ」


「久しぶり」


「ありがとう、待ってたよ。久しぶり」


ミーセは囚われの身のくせに余裕綽々のようだ。


「一応聞いておくけど、見張りはどうしたの?」


拘束具を外しながら答える。


「たった三人だよ?」


「五秒もあれば片付くよ」


とは言え、増援が来ないとは限らない。

さっさと脱出しなければ。


「パワードスーツに連れ去られた後ってどうなったの?」


「何か乱暴されてないよね?」


「ううん、大丈夫。スマホを壊された後、追いつかれて眠らされちゃったんだー。催眠作用のあるガスを出したみたい。それで目覚めたらここにいたの。主犯格の男と少し話をして」


「ちょっと待った」


「主犯格と話をしたの?」


あまりにもすらすら言うので出来事の重要性が薄れてしまう。


「うん。タイムマシンの改造をボクに頼みたいんだってさ。何に使うかは教えてくれなかったけど」


「タイムマシン、ね」


タイムマシン。

過去や未来の可能性をシミュレーションする事が出来る機械。

確かにすごい物だが、実際に過去や未来に行ける訳でも無いのにどうしてそんな物が欲しいのか。


「ま、ミーセさえ助け出せたらどうでも良いよ」


「何か陰謀があったとしても結局潰すんだし」


拘束を解除し、ミーセは立ち上がらせる。


「あ、はいこれ。新しいの」


ミーセに手渡したのは演算装置。

これが無いと幻術は使えない。

ミーセが捕まったのは演算装置を失った事が主な原因だ。


「データはバックアップを入れておいたから」


「ありがとう!流石だね!」


ミーセは受け取った演算装置を右の太腿に巻く。

戦闘服に着替える暇は無さそうなのでそのままの格好で戦ってもらう事にする。


「じゃあ行くよ」


ミーセを連れ、狭い部屋から出る。


「ミーセを誘拐しておいて」


「歓迎パーティーの予定を狂わせておいて」


陰謀があろうと関係ない。

どうでも良い。

私達はただ友達を出迎えたかっただけ。

ただ友達を助けたかっただけ。


「「タダで済むと思うなよ!」」

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