第四話「ヒーロー」
「見つけた。日本国内のようだ」
睦規さんは超高性能コンピュータ、ミウ・トートで発信源を探知した。
ミーセは少なくともスマホが壊れるまでは日本にいた。
転移の式でわざわざ日本に飛ばしたという事は、犯人の拠点は日本にあるのか?
「じゃあ早速行きましょう!一刻も早く助けないと!」
時晴は逸る気持ちを抑えきれないようだ。
「いや、先に研究所に戻って準備しようよ」
「相手には幻術を使うのもいるみたいだし。きちんと準備を整えていかないと返り討ちに会うだけからね」
「アワアワコンビの言う通りだね。じゃ、さっさと準備しようじゃーあないの」
「、、、はい」
時晴は頭を冷やせたらしい。
頭は悪くないが、熱くなりやすいのが時晴の悪い所でもあり、、、良い所でもある、かも。
「拡張バッテリー、リストバンド、ミウ・トート、拘束バンド、盾」
「このくらいかな」
インビジブルポケットで取り寄せるアイテムに漏れは無い。
「そろそろ出発する。問題無いか」
「「はい!」」
「転移したとこがどんな場所かは分からないよ気をつけてね」
「はい。じゃあ、お願いします」
空間に穴が開き、目的の座標と繋がった。
「「突入!」」
時晴を先頭に、穴に飛び込んだ。
「ここは、、、」
繋がっていたのはただの住宅街だ。
こんな所でパワードスーツはミーセを追いかけていたのか。
「この近くに最初に捕まった場所があると思うな探してみようよ」
「怪しい建物とかあったら連絡するんだよぅ」
それぞれバラバラに散らばって手がかりを探す。
「おーい、ミーセー」
「いるなら返事してー」
声を出しながらも正直期待はしていない。
ここでするっと出てくるような余裕ある感じではなさそうだった。
「おーい」
「ミーセー」
特に怪しい物や何かの痕跡がある訳でもない。
誰かが見つけているかのうせ。
「あ、あの!おねえさん!」
後ろから声が。
小さな八、九歳くらいの男の子が話しかけてきた。
「私達?」
「何か用?」
「ひっ」
ちょっと威圧感を与えてしまったかもしれない。
こんなに小さい子供に、こちらが急いでいる事情なんて関係ない。
優しく、にっこり。
「こほん」
「どうしたの?」
男の子は勇気を振り絞るように声を発した。
「あの、さっきね、女の人がヒーローにおいかけられてて。あの、もしかしてヒーローか女の人のどっちかを探してるのかなって、、、」
私達が誰かを探しているのを知って話しかけてきた。
そして、女の人とヒーロー。
「もしかして、見たの?」
「その、女の人とヒーローがどこいったか分かる?」
男の子はキョロキョロと周りを見渡した。
「この道に入っていって、、、」
細い路地は灰色に染まり、埃を被っている。
しかし、一筋の光が煌めいた。
「この辺り、、、」
「あった!」
見つけた、手がかり。
「スマホの画面の破片。ミーセのかも」
「ミーセのなら、ここで通話が途切れたって事になるね」
男の子はよく分かっていないようだ。
「ねぇ、そのヒーロー達がどこに行ったか見てない?」
「えっと、み」
「おい、君達。こんな所で何をしている?ここで遊ぶと危ないぞ」
四十代くらいの男が路地の入口付近に立っていた。
「あ、すみま」
見えたのは一瞬。
だが、確実にそうだった。
男の左腕。
刺青で式陣が彫られていた。
「犯人は現場に戻るって」
「よく言うよね」
式陣は一部の者しか読めない。
という事はこいつは幻術を使えるっ!
強化の式、百三十パーセント!
「チッ、関係者かよ」
男の子を抱え、路地の中に跳躍すると同時、男の左腕に触れた建物の壁に大きな穴が開いた。




