第三話「糸」
「ありました!ミーセの搭乗記録!予定通り飛行機に乗ってました!」
時晴が駆け寄ってくる。
「そうか、、、つまり」
「飛行機に乗っている途中に」
「連れ去られたって事!?」
睦規さんの言葉の続きを奪って言う。
飛行機の乗客や乗務員は気付かなかったというのか。
そもそも、そんな事が出来るのは。
「転移の式、幻術を使ったって事だね」
海乃さんとも同じ意見のようだ。
「飛行機の航路や座席の位置を一切の誤差無く座標として取得するのは不可能だ」
「機内からなら出来るんじゃない?というかそれしか無いぜい」
伊寄さんは推測を確証に変えた。
「だとしたらかなり計画的な犯行ですね。誘拐犯が同じ飛行機に偶然乗っていた、なんて事は無いでしょうし」
「しかも単独犯では無さそうだ。パワードスーツで飛行機に乗れば目立つし、転移の式を使えるならミーセを確実に捕まえられたはずだ」
白いパワードスーツがミーセを追っている。
飛行機には一般人のふりをした幻術使いが少なくとも一人。
組織的な犯行となるとかなり厄介だ。
「、、、そもそも、パワードスーツってどんな感じの物なんですかね?」
「実物なんて見た事無いですけど」
技術的に作る事は可能らしいが、コストがかかるため量産も出来ず、それなりに訓練も必要となるためほとんど普及しなかった。
それをミーセを誘拐した犯人が使っている?
「全身をパワードスーツで覆ってるらしいしぃ、かなり高性能な物かもねぇ。ほら、重量を支える運動能力があるってーぇ事でしょ?」
「真っ白だとカレーこぼしたら大変だね」
「ヘルメットを被っているなら何も食べられないんじゃないんですか?」
脱線するな。
「とにかく、ミーセがどこにいるか探しましょう」
「手がかりだけでも見つけないと」
手遅れにだけはしたくない。
とは言え、場所の手がかりが無いとどうにも出来ない。
「そうだ、電話!」
「電話の発信源を辿れば場所が分かるんじゃないですか!」
四人は一時停止する。
「それだ!」
「何で思いつかなかったんだろうねぇ」
「知らず知らずの内に俺達まで冷静さを失っていたのかもしれないな」
「早速逆探知しよーっ!」
何とか次に繋がった。
そう、繋がったのだ。
希望の糸はまだこんなにも太く繋がっている。




