第二十二話「交差」
「こ」
「こ」
「は」
真っ白な世界。
倒れている俺、秋野翔也。
「こんにちは。はじめまして。突然話しかけて申し訳ない」
誰、だ?
「私は歴史の目と呼ばれるものです。さて、今回はあなたに見事に一杯食わされてしまいました」
声だけで姿は無い。
本当に歴史の目なら、ここは消えたやつが行く世界的な所か?
「まさか自分で前世を殺すとはね。結果、秋野翔也は存在しなかった事になり、来世である周防頼我の存在も無くなりました」
、、、やはりな。
俺は合っていた。
俺の喜びも無視するように続ける。
「まぁ、あなた達はいなくても歴史は動きますが、あなたの頑張りに免じて、皆さんが都合良く幸せになる歴史に修正しましょう。まさに、誰も悲しませないバッドエンドですね。悲しむ暇さえ与えない」
歴史は変わったのか。
これで、救える。
「それでは、彼を呼びましょう」
彼?
「な、いつの間に!?」
急に誰かが現れた。
しかも、その人影は。
「周防、頼我ァッ、、、」
「、、、死んだか。ここは死後の世界か何かか?天国でも地獄でもなさそうだが。あ?オマエは誰だ?」
「、、、俺は秋野翔也。お前の、前世だ。お前のテロを無かった事にした。お前と、俺の存在ごとな」
周防頼我は少し考える。
「オイオイ、まさかな、、、」
少し息を吸ったようだ。
「何してくれてんだよォォォォォォッ!」
拳を握り、突き進んでくる。
俺も拳を握る。
「がッ!?」
鈍い音が交差する。
痛くはないが痛い。
そして何も言わずまた進む。
何度も何度も。
殴る度に周防頼我という人物が分かってきた。
こいつは、誰にも助けてもらえなかった。
助けてもらえなかった場合の俺だ。
「オマエは人間の愚かさが何も分かってねぇ!人間ってのはなぁ!平気で人を傷付けられるんだよ!オレがされたように!オレがしたように!オマエがしたようになぁ!」
「お前が何を経験したのかは知らねぇ。けどなぁ、、、お前は分かってるはずだ。人が死んで、後に残された人達の苦しみが!」
こいつも両親を幼い頃に失っている。
苦しんだはずだ。
だが。
「だよなぁ、、、」
「何笑ってやがる」
「オマエはぶん殴ってやる」
「そういう事か、、、俺も同じ事思ったぜ」
最後の一発を放つ。
互いにこれが最後だと分かっている。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
決着した。




