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第十五話「後ろから」
カズサと合流すると、陽三は何を話していたのかを聞かれる前に尋ねた。
「その、周防頼我はどんなやつなんだ?」
さんちゃんを見ながら答える。
「両親は幼い頃に他界。引き取られた親戚の家でもあまりかわいがってもらえなかったみたい。高校を卒業した後、人間の愚かさを悟った、って書いてあるよ」
「なんか、かわいそうだな、、、」
カズサに後ろから近付きながら言う。
俺は父さんを幼くして失った。
こいつは、二人か。
「、、、人間ってのは簡単に命を奪える生き物だからな。嫌になるのも分からないでもない」
歴史は、というか勉強は苦手なので、良くは分からないが戦争も経験しているのかもしれない。
「だからこそ、あいつはいなかった事にしなくちゃいけない。憎しみは憎しみを生むだけだからな」
誰にも聞こえないように呟く。




