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誰も悲しませないバッドエンド  作者: 二重名々
for truth

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第十話「秋野翔也の前世」

「学校無いっていいなーっ!土曜日さいこー!」


金曜日を乗り越えればその日は土曜日。

次の日も休みというのは、心が楽で良い。


「部活とか入ってないの?」


未来にも部活が存在しているのだろうか。


「ああ。めんどくさいしな」


運動はあんまり得意じゃないし、科学や美術や音楽は部活でやるほど好きじゃない。

わざわざ入ろうとは思わなかった。


「めんどくさいって、、、。じゃあ何するの?」


「そりゃ、例の話だろ」


例の話、というと、カズサも理解した。

周防頼我のテロを止める方法を考えようの会だ。


「なにかいい案思いついたの?」


「まぁ、まだ出来ると決まった訳じゃねぇけどな。カズサ、オレの前世ってどんなやつだ?」


以前、ファミレスで使っていた電子機器をカバンから取り出して、調べている。


「ショウヤの前世?ちょっと待ってね、、、」


不安になるくらいの沈黙が続く。


「あ!あったあった!ほらこの人!」


画面を覗いてみる。

説明がダラダラと続いていて、写真も載っていた。


「おっ!どれどれ、、、。って、じいさんかよ。てっきり俺の前世のことだから美男か美女だと思ってたのに」


「まぁ、納得ね」


「おい今なんて言った?」


少しカチンとしたが、これ以上言っても時間の無駄だ。


「、、、ともかく、このじいさんの時代にまで行けるか?たぶん、、、明治時代くらいか?」


歴史の教科書に使われそうな写真だ。

何枚かあるが、服装はまさに明治時代。

隣に写っているのは孫娘って所だろう。

それなりに幸せに暮らしていたようだ。


「前世の時代には行けるよ。だけど、どうして前世に?」


「まぁ、行ったら分かるから。、、、そう言えば明治時代ってちゃんと日本語通じるよな?」


書き言葉は現代とやや違うし、話しているのを聴いていた人はおそらくいないだろう。


「カンペキにじゃないけど、通じると思うよ。それか、これ使ってみる?」


カズサは小さめのリモコンのような電子機器を取り出して見せた。


「なんだそれ?」


「これは未来の翻訳機。半径10メートル以内なら言語が通じるの」


「はーん。やっぱり未来の技術ってすげぇなー」


現代ですらグローバル化している。

遠い未来ならもう国境とか関係ないくらいグローバルになっているのだろうか。


「さらにこれ!」


勢いのままにもう一つ取り出す。


「おおっ!まだあるのか!」


「はいこれ!タイムマシン!」


まるで帯?巻き物?太巻き?みたいだ。


「おおっ?これがタイムマシンなのか?なんか帯みたいだな。どうやって使うんだ?」


カズサは帯を広げながら自慢げに言う。


「簡単よ。まず、タイムスリップしたい人の右手を帯に乗せて。次に、誰の前世の時代に行きたいか強く念じて」


説明通りにしてみる。


「オッケー念じてる」


秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世秋野翔也の前世。

こんなもんでいいか。


「じゃ、こっちの準備は終わり。さ!今度は私たちの準備ね」


念じている間に何かしていたようだ。

端についた緑のライトが点滅している。

というか、今すぐ行くつもりなのか?


「準備って、何か要るのか?」


「いや、言ってみたものの特に無いかも」


「無いのかよ!」


思わず崩れ落ちる。

それを無視し、続けるカズサ。


「じゃ、早速行こっか!あ、靴忘れないでね」


「おっと危ない」


玄関まで靴を取りに行く。

カズサのは未来の技術とやらで超コンパクトに畳まれているだろう。

キッチンを通り過ぎる時、思う。

要るだろうな。

部屋に戻ると、カズサは予想通り靴を取り出していた。


「右手を置いて。、、、ちなみに、意識失うからね」


「ちょ待、、、」


何か言う前にカズサは


「レッツゴー!」


意識はそこで途切れた。

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