第八十四話「山」
「出来るだけ、遠くにっ、、、」
時晴、意識が無い断片を抱えながら墓地を離れて山に入っていく。
「はぁ、はぁ。気を失った大人ってこんなに重いのか!起きずに勝手に歩いてくれねぇかな、、、」
「アァァァァァァァッ!」
時晴、突然の大きな音に驚く。
「どおっ!?、、、なんだ鳥か。いや別に驚いたりしてねぇけど。、、、って一人で何言ってんだか」
時晴、ため息をこぼす。
「ぬ、ぬぅ、、、」
「お、気が付いたのか?」
時晴、断片を近くの木に寄りかからせる。
断片、しばらく座り込む。
「大丈夫ですか?」
「、、、どこだここは。仕事、仕事があるんだ!そうだ取引!取引はどうなった!答えろ!」
断片、時晴に掴みかかる。
「わがががががっ!?待って待って!一個ずつ答えるから離して!」
断片、時晴を乱暴に突き放す。
「がふ。良いですか?まずここはさっきの墓地の近くの山。で、今あなたは犯罪組織の陰謀に巻き込まれてる。取引も多分嘘です。俺はその犯罪組織を止める側で、あなたをここに避難させた。ここまで分かります?」
「そんな事知らん!俺は仕事に戻らないと行けないんだ!さっさと戻らせろ!」
時晴、頭を抱える。
「だぁーっ!終わったらすぐ帰って良いですから今は大人しくしておいて下さい!」
時晴、リュックから枠円を密かに取り出す。
「じゃあ早くしろ!犯罪組織だか何だか知らないが、取引が無いなら俺がここにいる意味も無いからな!」
「はーいはい。分かってます分かってます。じゃあ移動しましょう立てますか?」
時晴、立たせると同時に枠円を断片の背中に押し付けようとする。
「手伝いなど要らん!」
「あーそうですか」
時晴、枠円をすぐにしまう。
時晴、断片に聞こえない小さな声で言う。
「出来るだけ早くしてくれ、、、」




